ジニ係数を用いた分析の実例

[政府統計資料におけるジニ係数の実例]
2015年度 春学期 金曜4限
応用計量経済分析 A
第10回
2015.6.19

総務省「平成21年全国消費実態調査」における「各種係数及び所得分布に
関する結果」
資産の種類別ジニ係数の推移(二人以上の世帯)

5年に1度実施される標本調査、最新
公表分は平成21年度版。平成26年度
調査分は集計中

収入、所得、消費、金融資産残高、実
物資産(住宅家屋、土地)残高、負債に
ついて、地域別・世帯主の年齢階層別
・世帯類型別の結果を公表

「各種係数及び所得分布に関する結
果」はその分析編
「家計資産のジニ係数は、住宅・宅地
資産ではほぼ横ばい、貯蓄現在高な
どではやや上昇」
「二人以上世帯の家計資産のジニ係
数は、いずれも年間収入より高い」
担 当: 石 川 達 哉
([email protected])
教育用ホームページはhttp://www1.meijigakuin.ac.jp/~ishikawa
【出所】
http://www.stat.go.jp/data/zensho/2009/keisu/pdf/yoyaku.pdf
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[政府統計資料におけるジニ係数の実例(続き)]
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[例題2-3におけるジニ係数算出のステップ]
等価可処分所得のジニ係数の国際比較(総世帯)
「単身世帯を含めた全ての世帯(「総世帯」と
いう。)について、1世帯当たりの世帯人員を
勘案した年間可処分所得(以下「等価可処
分所得注」という。)のジニ係数をみると,平
成21年は0.283」
第1ステップ:パーセント表示を小数点表示に変換(2-1と同じ)
第2ステップ:ローレンツ曲線の導出:

累積世帯比率(当該階級までの累積世帯数÷総世帯数の計算)

例題2-1とは異なり、0.2ずつ増加していく訳ではないことに注意

累積年収総額の比率、累積貯蓄総額の比率(当該階級までの世帯にお
ける所得合計が社会全体の所得に占めるシェア)の計算
「各国によって調査年は異なるが、日本の所
得格差はドイツ及びフランスとほぼ同等」
第3ステップ:ジニ係数の導出:ローレンツ曲線の下の部分の面積の計算
(出所)日本: 全国消費実態調査結果、
日本以外: ルクセンブルク所得研究(LIS)
LISホームページアドレス http://www.lisdatacenter.org/

各階級に対応する三角形と台形の面積の計算

例題2-1とは異なり、高さが共通の0.2という訳ではないことに注意

「完全平等性と横軸、縦軸で囲まれた面積=1/2」から「各階級に対応す
る三角形と台形の面積の合計」を控除
【出所】http://www.stat.go.jp/data/zensho/2009/keisu/pdf/yoyaku.pdf
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