5分で読める「2015年センター試験」総評 国大Qゼミ 高等部 入試分析担当 鈴木 賢 今年度の総評 2015年春のセンター試験は、脱ゆとりの「新課程入試」初年度の受験生と「旧課程」の浪人生の混在し た試験でした。このため、科目数はいつもより多く、新旧課程が混ざった問題冊子でもあったため、一部の生 徒は困惑したようでした。昨年の国語は低調な平均点でしたが、今年は従来求められる平均点まで戻りそうで す。一方で、高3生にとっては、 「数学ⅡB」や「生物」がかなり難しかったようです。 ①「理高文低」だが、文系志願者改善 ここ数年の流れで、理系が難しい状況が続いていますが、景気の回復や雇用の改善のため、文系学部の倍率 も上昇傾向になっています。また、資格取得のブームは続いています。特に、医療系や看護系に加え、歯学系 への志願者が増えてきているのは注目すべきところでしょう。 ② 今年、浪人生が1万人減った 今年からの新課程入試に伴い、浪人生は約1万人減ったといわれています。本来ならば、浪人して国公立や 早慶・GMARCHなどの大学に進学する層が1万人減ったと考えるのがよいでしょう。つまり、昨年などに 比べても上位大学のボーダーが下がる可能性が高いです。今年の受験生は積極的に受験すると良い結果につな がるでしょう。特に国公立文系の志願者数が減っているので、そこを第一志望にしている人は最後までやりき ると良い結果につながります。 ③ 拡大するネット出願 最近大学入試では「ネット出願」がトレンドになってきました。2015年入試では首都圏で40大学以上 が導入しています。ネット出願+ネット割の導入大学は倍率が上がりそうです。ペーパーレス化の1つの流れ として、大学側も「パンフレット」や「入試要項」をなくす大学が増えています。大学入試もますます進化し ていくのでぜひ注目してみてください。 英語の総評 (予想平均点:116点程度《昨年度とほぼ同じ程度か》) Qゼミ在籍生の得点状況からみると、昨年と同じくらいの平均点になりそうです。 英語筆記では、第2問や第3問での出題傾向が大きく変わりました。ここで時間を使ってしまった生徒は最後 まで解き終わらなかったのではないでしょうか。入試問題は毎年変化します。変化に柔軟に対応できるように 時間配分には特に注意をしましょう。英語リスニングは、今年は得点しやすかった生徒が多かったようです 。 理系科目の総評 新課程1年目の入試のため、数学は「新課程」と「旧課程」と2種類の出題になりました。数学ⅠAの内容 負担が増えた影響もあり、10年ぶりに数学Aでは選択問題となりました。一方、数学ⅡBは非常に難しい試 験となりました。かなり計算量の多い内容で受験生が苦手な「三角関数」も出題され、多くの生徒が解ききれ なかったでしょう。平均点も45点程度とかなり低い予想です。理科は新課程入試となり、「基礎」と「基礎 なし」とテスト数が増加しました。「基礎なし」については、今までのセンター試験の範囲よりも広がったた め、対策に苦慮した生徒も多かったと思います。特に生物は難しかったです。 文系科目の総評 過去2年非常に難しかった国語ですが、今年は大きく平均点を上げそうです。本来の6割程度の平均点と想 定され、受験生は安心したのではないでしょうか。現代文も古文漢文も全体的に読みやすいものでした。地歴 公民については、全体的に昨年並みの落ち着いた平均になりそうですが、世界史では正誤問題が多く出題され、 日本史では近代史の出題が増えているので、私立や国公立に向けても同様にしっかりと対策しましょう。 今後の展望 浪人生が約1万人減ったことにより、より現役での進学率が高まるでしょう。新旧課程が混ざる今年の入試 は、理系科目は多くの大学が「出題範囲を考慮する」対応になっています。多くの大学が「選択問題」または 「共通範囲のみ」からの出題になるでしょう。センター試験は受験においてのスタートです。1日1日を大切 にして、自信を持って入試に臨みましょう。 以上
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