2015/9/11 はじめに リアル臨床2015 人工膝関節全置換術(TKA)の患者に おける歩容改善にむけたアプローチ ◎今回、人工膝関節全置換術(TKA)を施行した患 者様を担当させて頂いた。 ~局所と全身を踏まえた治療展開~ ◎退院後、3日後に術後の外来リハビリテーション 希望のため、当院へ来院された。 日吉本町クリニック 浅野 祐介 ◎早期から、局所及び全身(上半身や足部など)に着 目し、改善が得られたのでここに報告する。 ◎尚、症例においては本発表の趣旨を説明し、当院 における倫理委員会の承認を得た。 症例紹介 ◎症例:80歳代 女性 ◎診断名:両変形性膝関節症 右人工膝関節全置換術(TKA)施行 ◎手術日:2015.2.20(CP-type、セメントレス) ◎当院の介入日時:2015.3.13より運動療法開始 ◎主訴:「膝が痛くて歩きにくい」 「体重が乗せられない」 理学療法評価 ◎Pain:右膝関節の荷重時痛(屈曲時・歩行時) 部位⇒右膝関節前部・内側部・膝窩部 程度⇒VAS:8/10 ◎M-tone:右大腿直筋・腸腰筋・外内側ハムストリングス・膝窩筋・ 大腿筋膜張筋(腸脛靭帯)・腓腹筋・右僧帽筋下部線維・ 右広背筋tone↑ ◎Tightness:右膝蓋上嚢・膝蓋下脂肪体・膝蓋靭帯・ 右上部・下部胸郭 ◎ROM:股関節伸展-5/Full 膝関節屈曲90P/Full 伸展-20P/-5 ◎MMT:大殿筋3/5 中殿筋3/4 大腿直筋4/5 ◎その他:創部の一部に発赤・熱感(+) 歩行(右TS~PSW) 歩行(右IC~MS) 【右IC】 ・右骨盤拳上、右肩甲骨下制 ・ST回内→下腿内旋↑→大腿外旋(相対的) ・Heel rocker↓(右足関節の早期底屈位) 【右LR】 ・第1列底屈位→(早期内側荷重)→下腿前傾↑→膝関節屈曲↑ ・トレンデレンブルク徴候(+) 【右MS】 ・右肩関節下制↑、右骨盤拳上↑ ・上半身重心の右方へのShift↓ ・右骨盤後方回旋↑(早期後方回旋) ※当日は歩行の動画を流します。 【右TS】 ・右肩甲骨下制+右骨盤拳上→体幹の右側屈 ・右骨盤後方回旋↑ ・股関節伸展↓ ・右ankle rocker↓→Forefoot rocker↓ 【右PSW】 ・右肩甲骨下制+右骨盤拳上→体幹の右側屈 ・右骨盤後方回旋↑ ・股関節伸展↓ ・Forefoot rocker↓ ※当日は歩行の動画を流します。 1 2015/9/11 逃避性歩行から・・・ 歩行 TKA(膝OA) ROM制限 筋力低下 疼痛 持続的な逃避性歩行により、 逃避性歩行 上半身重心の偏位や胸郭などのTightnessを生じさせ、 患側における立脚期時間の短縮、荷重量の低下を助長させる。 治療方針 治療展開 ①患側股・膝関節可動域改善 局 所 ②股関節周囲・体幹の筋力強化 全 身 ③rocker functionの機能改善 どちらが重要か、比較するものではなく、 症状に応じた治療Planや展開を 常に考えていかなければならない! ④上半身の姿勢改善 当日は・・・ TKA患者 骨盤 足趾 胸椎 上位胸郭 上肢 膝関節 下位胸郭 足部 肋骨 頭頸部 肩甲帯 股関節 局所+局所以外の治療Plan同士の組み合わせが 治療結果のカギとなるのでは・・・? ◎発表形式として、歩行の動画を流し、自身の考 察を述べて、意見交換をさせて頂く形式です。 ◎今回は、『視点』・『展開』という言葉を キーワードに会場の皆様と意見交換を活発に できれば幸いです。 ◎当日はよろしくお願いいたします。 2
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