人工膝関節全置換術(TKA)後の膝屈曲可動域に影響を与える要因 社会

人工膝関節全置換術(TKA)後の膝屈曲可動域に影響を与える要因
社会医療法人財団 慈泉会
ター
相澤病院
1)運動器疾患リハセンター
2)回復期リハビリセン
3)運動器疾患センター外傷・関節センター
赤羽智樹 1)
青木啓成 1)
西村直樹 2) 小平博之 3)
【目的】
TKA 後 3 週の膝屈曲角に影響を与える要因を分析する事を目的とした.
【方法】
2011 年 1 月から 2013 年 12 月までに TKA を施行した 38 例,76 関節(平均年齢 77 歳,男性
2 例,女性 36 例)を対象とした.TKA 後 3 週の膝屈曲角を従属変数,その他の項目を独立変
数(術前要因に BMI,FTA,術中要因に,術前麻酔下膝屈曲角,術後麻酔下膝屈曲角,術後要因に
理学療法介入量,歩行自立獲得までの日数)としてステップワイズ法による重回帰分析を行
った.
【結果】
重回帰分析の結果,術後麻酔下膝屈曲角(β=0.332,P<0.05),BMI(β=-0.327,P<0.05)
が選択された.BMI が選択された理由を探るため BMI を従属変数として追加分析を行った
ところ FTA(β=0.394,P<0.05)が選択された.
【考察】
TKA 後 3 週の膝屈曲角に影響を及ぼす要因に術後麻酔下膝屈曲角と BMI が選択された.
術後麻酔下膝屈曲角が TKA 後 3 週の膝屈曲角の指標となり得るものと考えられる.ま
た,BMI が選択された理由は追加分析より FTA との関連が示された事から,TKA 後の膝屈曲
角と FTA が関連するとの先行研究を支持するものであると考えた.