対偶証明と背理法 間接証明というのは広い概念である。命題 示すのではなく, 「このような理由で、 が成立することを示すのに, 直接 の成立を が成立する以外にありえない」 ということを示すので ある。代表的な間接証明は対偶証明と背理法がある。 【対偶証明】 命題: 「 ならば である」の真偽と, その対偶命題: 「 致する。したがって[ ならば でなければ ]を証明するためには [ でない」の真偽は一 でなければ でない]を証明 すればよい。対偶が成立することを示すことで,もとの命題が成立することを示す証明は, 直 接に[ ならば ]を証明するのではないので間接証明の一つであるといえる。 【背理法】 「 でないと仮定する。すると前提条件 と矛盾が起こる。したがって が成立する. 」 この ような証明法を 背理法という。しかし背理法は「対偶による証明」より応用が広い。 たい,しかし明示的には が書かれていない。このようなときにも の矛盾に持ち込めばいいからだ。 を示し を適切にとって何らか 千葉大(整数解の非存在証明) を素数, を 以上の自然数とするとき,方程式 は整数解を持たないことを証明せよ。 阪大(有理点を頂点とする正三角形) 次の各問いに答えよ。 は無理数であることを示せ。 平面上の点 は, がともに有理数のときに 有理点と呼ばれる。 平面において,三つ の頂点がすべて有理点である 正三角形は存在しないことを示せ。 一橋前期(放物線上の格子点) は整数で, をみたす。放物線 上に とはならないことを示せ。 ただし, のとき, となる組 点 , , が無理数であることを証明なしに用いてよい。 を すべて求めよ。 千葉(不定方程式の整数解の非存在証明) が 以上の整数のとき, を満たす整数 は 以外に存在しないことを証明せよ。 九州大(三角関数と方程式) 複素数 と,それに共役な複素数 に対し とする。 は整数を係数とするある三次方程式の解となることを示せ。 この三次方程式は 個の実数解をもち,そのいずれも有理数ではないことを示せ。 有理数を係数とする二次方程式で, をとる。 を解とするものは存在しないことを示せ。 一橋(対数と無理数) は無理数であることを示せ。 が有理数となる有理数 任意の正の整数 は に限ることを示せ。 に対して, は無理数であることを示せ。 京大後期文系(三角関数と無理数) は有理数か。 名大前期理系(積分と数列) を実数全体で定義された連続関数で, に, で を満たすものとする。 により 数列 に対し, となる とし,順 を定める。 であり,かつ となることを示せ。 が存在することを背理法を用いて示せ。 東大( 次方程式複素定数の条件) となるどのような複素数 このとき, に属する複素数 に対しても で絶対値 とは表されない複素数 が最大になるような の値を求めよ。 の全体を とする。
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