情報・通信演習1(第2週目): フーリエ級数とその応用 情報・通信工学科 助教 竹内啓悟 1 概要 1. 前回のレポートについて 2. フーリエ級数の基礎 3. フーリエ級数の応用 2 課題5 𝒂= 𝑁 𝑛=1 𝑎𝑛 𝒆𝑛 とおく。 𝒂, 𝒆𝑛 に𝒂を代入すると、 𝑁 𝒂, 𝒆𝑛 = 𝑎𝑛′ 𝒆𝑛′ , 𝒆𝑛 𝑛′ =1 𝑁 𝑛′ =1 𝑎𝑛′ (𝑒𝑛′ , 𝑒𝑛 ) 𝑁 𝑛′ =1 𝑎𝑛′ 𝛿𝑛′ ,𝑛 = = = 𝑎𝑛 課題3より 課題4より 3 概要 1. 前回のレポートについて 2. フーリエ級数の基礎 3. フーリエ級数の応用 4 関数空間 • 有限区間[−𝑇/2, 𝑇/2]上の絶対二乗可積分関数全体が なす空間𝐿2 [− 𝑇 2 , 𝑇 2]はベクトル空間である。 • 関数空間𝐿2 [− 𝑇 2 , 𝑇 2]の標準内積 𝑇/2 𝑓, 𝑔 = 𝑓 𝑥 𝑔 𝑥 𝑑𝑥, −𝑇/2 𝑓, 𝑔 ∈ 𝐿2 [− 𝑇 2 , 𝑇 2] • 関数空間𝐿2 [− 𝑇 2 , 𝑇 2]の次元は(加算)無限大である。 • 無限個は何個か? 5 完全性 • 正規直交系{𝜑𝑛 ∈ 𝐿2 [− 𝑇 2 , 𝑇 2]}は完全である。 ある関数𝑓 ∈ 𝐿2 [− 𝑇 2 , 𝑇 2]に対して、 𝑓, 𝜑𝑛 = 0が すべてのnに関して成立するならば、𝑓 = 0。 • 完全な正規直交系を正規直交基底と呼ぶ。 • 注意:欠員がある正規直交系は完全ではない。 6 一般化フーリエ級数展開 関数空間𝐿2 [− 𝑇 2 , 𝑇 2]の任意の元(関数)𝑓は ∞ 𝑓(𝑥) = (𝑓, 𝜑𝑛 )𝜑𝑛 (𝑥) 𝑛=1 と一意に表現できる。 ただし、{𝜑𝑛 }は関数空間の正規直交基底である。 注意:直交基底として三角関数系を取ったものを フーリエ級数展開と呼ぶ。 7 フーリエ級数展開 𝑓(𝑥): [− 𝑇 2 , 𝑇 2]上で区分的に連続かつ区分的になめらか • フーリエ級数 ∞ 𝑎0 𝑓 𝑥 = + 2 𝑎𝑛 cos 2𝜋𝑛𝑥/𝑇 + 𝑏𝑛 sin 2𝜋𝑛𝑥/𝑇 𝑛=1 • フーリエ係数 2 𝑎𝑛 = 𝑇 2 𝑏𝑛 = 𝑇 𝑇/2 𝑓(𝑥) cos 2𝜋𝑛𝑥/𝑇 𝑑𝑥 −𝑇/2 𝑇/2 𝑓(𝑥) sin 2𝜋𝑛𝑥/𝑇 𝑑𝑥 −𝑇/2 8 不連続点でのふるまい • 不連続点𝑥での値 𝑓 𝑥 + 0 + 𝑓(𝑥 − 0) 𝑎0 = + 2 2 ∞ 𝑎𝑛 cos 2𝜋𝑛𝑥/𝑇 + 𝑏𝑛 sin 2𝜋𝑛𝑥/𝑇 𝑛=1 • 不連続点近傍でのふるまい 9 複素フーリエ級数 𝑓(𝑥): [− 𝑇 2 , 𝑇 2]上で区分的に連続かつ区分的になめらか • 複素フーリエ級数 ∞ 𝑐𝑛 𝑒 2𝜋𝑗𝑛𝑥/𝑇 𝑓 𝑥 = 𝑛=−∞ • フーリエ係数 1 𝑐𝑛 = 𝑇 𝑇/2 𝑓(𝑥)𝑒 −2𝜋𝑗𝑛𝑥/𝑇 𝑑𝑥 −𝑇/2 10 概要 1. 前回のレポートについて 2. フーリエ級数の基礎 3. フーリエ級数の応用 11 奇関数のフーリエ係数 奇関数:𝑓 −𝑥 = −𝑓(𝑥) 𝑎0 𝑓 𝑥 = + 2 ∞ 𝑎𝑛 cos 2𝜋𝑛𝑥/𝑇 + 𝑏𝑛 sin 2𝜋𝑛𝑥/𝑇 𝑛=1 両辺の𝑥に−𝑥を代入すると ∞ 𝑎0 𝑓 −𝑥 = + 𝑎𝑛 cos 2𝜋𝑛𝑥/𝑇 − 𝑏𝑛 sin 2𝜋𝑛𝑥/𝑇 2 𝑛=1 奇関数の性質𝑓 𝑥 + 𝑓 −𝑥 = 0を使うと、 ∞ 𝑎0 + 2 𝑎𝑛 cos 2𝜋𝑛𝑥/𝑇 = 0 𝑛=1 𝑥は任意だから、𝑎𝑛 = 0 (𝑛 = 0,1, … ) 12 無限級数の計算 次の等式を証明せよ。 ∞ 𝑘=1 (−1)𝑘−1 𝜋 = 2𝑘 − 1 4 課題1(a)の関数をフーリエ級数展開すると、 ∞ 𝑓(𝑥) = 𝑘=1 4 2𝜋 2𝑘 − 1 𝑥 sin (2𝑘 − 1)𝜋 𝑇 上式を𝑥 = 𝑇/4で評価して、 ∞ 1= 𝑘=1 4 sin (2𝑘 − 1)𝜋 2𝑘 − 1 𝜋 4 = 2 𝜋 ∞ 𝑘=1 (−1)𝑘−1 2𝑘 − 1 13
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