August 2015

August 2015
In this Issue
IP Updates
1. IP Updates
家電の美的、ロボット業に参入 安川電機
2. Case Review
と提携
○細部の特徴みの相違は全体の実質的な相違
にならない
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美的集団股フェン有限公司と株式会社安川電機の完全子会社
である安川電機(中国)有限公司は 4 日午後、業務提携に関する
発表を共同で行った。双方は、「広東美的安川服務機器人(サー
ビスロボット)有限公司」と「広東安川美的工業機器人(産業用ロ
ボット)有限公司」という合弁会社 2 社を共同で設立する。中国日
報網が報じた。
美的の持ち株率は、「広東美的安川服務機器人有限公司」が
60.1%、「広東安川美的工業機器人有限公司」が 51%。安川電機
は、ロボット、コントローラ、サーボ・モーター、システム工学などを
業務内容とする。美的集団の方洪波・董事長は、「設立する合弁
会社では、サービスロボットと産業用ロボットをそれぞれ生産す
る。これらの製品が家庭や工場に入ることで、人々により良いサ
ービスを提供できるだろう」とコメントした。
美的集団はこれまでに、エアコン大手の米キャリアや日本の東
芝と販売ルートでのタイアップを行ってきたが、今回の安川電機と
の提携は、主に技術面での提携となる。
美的集団は 2013 年に清掃ロボット業界に参入、2014 年にロボッ
ト研究所を設立、2015 年には、「華南ロボット研究院」の設立に発
起人として携わった。
参考 URL:
http://j.people.com.cn/n/2015/0807/c94476-8933062.html
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細部の特徴のみの相違は全体の実質的な相違にならない
譚英強
弁理士・弁護士、司法鑑定専門家
案件概要
原告である楊建華(ヤン ケンカ)及びオフィスチェアをはじめとする家具の開発に力を注ぐ家具メーカ
ーである仏山市南海莱諾家具有限公司は、2011 年 6 月 29 日、「辦公椅(オフィスチェア)X20-1」の意匠
権(登録番号 ZL201130028261.1)を取得した。その後、被告の東莞市〇〇会社が、意匠権者の許諾を
得ることなく、上記意匠権の侵害となる製品を無断で大量に製造し、かつ原告の意匠権に係る製品より
も格段に低い価格で販売することで、原告のマーケットシェアに多大な被害を及ぼした。楊建華と仏山市
南海莱諾家具有限公司は適切に成立し保有している意匠権を守るため、嘉権特許商標事務所にその
保護を依頼した。
嘉権特許商標事務所の司法検証専門家の葉青が直ちに東莞市に向かい、被告の販売店を通じて意
匠権侵害の疑いがある製品を購入し、その際に公証所による公証を得た。また原告は、被告がその製
品をホームページに掲載して販売の問い合わせを可能にしていること、及び当該意匠権侵害の疑いが
ある商品の譲渡の申出を行うように被告が第 33 回中国(広州)国際家具博覧会で展示したときの写真
を証拠として提供した。
嘉権特許商標事務所の譚英強弁護士、鄭蛍弁理士は、本案における原告の代理人として訴訟を提起
した。2014 年 11 月 12 日、東莞市中級人民法院は、被告の被疑侵害製品よる意匠権の侵害を認定し、
被告に上記意匠権侵害の製品の製造、販売及び譲渡の申出の行為を即時停止し、かつ、10 万元の損
害賠償を支払うよう命じた。
法律の根拠:
『最高人民法院による専利権侵害をめぐる紛争案件の審理における法律適用の若干問題に関する解
釈』
第 8 条 登録意匠に係わる物品の種類と同一又は類似する物品において、登録意匠と同一又は類似す
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る意匠を用いた場合、人民法院は権利侵害で訴えられた設計が、専利法 59 条 2 項に定めた意匠権の
保護範囲に入っていると認定しなければならない。
第 11 条 意匠の同一又は類似の認定にあたって、人民法院は、登録意匠、権利侵害で訴えられた設計
の設計特徴に基づき、意匠全体の視覚効果を以って総合的に判断しなければならない。主に技術的な
機能で決まるような設計特徴、および全体の視覚効果に影響を与えないような物品の材料や、内部構
造などの特徴は考慮しない。
次のような状況は通常、意匠全体の視覚効果に対してより大きな影響を与える。
(一) 他の部分に対して、物品の正常使用時に容易に直接観察できる部分
(二) 登録意匠におけるその他の設計特徴に対して、登録意匠の既存設計と区別される設計特徴
権利侵害で訴えられた設計と登録意匠とが、全体の視覚効果において相違のない場合、人民法院は二
者の同一を認定し、全体の視覚効果において実質的な相違のない場合、二者の類似を認定しなければ
ならない。
コメント:
本案は意匠権の侵害に係る紛争案件である。東莞市中級人民法院は、本案における両意匠について
背もたれの形状及び模様、肘掛けの形状などに細かい相違点を有するが、これらの相違点は一部分に
おける微細な相違にすぎず、全体に対する視覚効果は決して顕著な影響を奏するものではないと判断
し、被告の被疑侵害製品が原告の意匠権の範囲に属すると判決した。
譚英強 | 弁理士・弁護士、司法鑑定専門家
使用可能言語:中国語、英語
学歴:華南理工大学電子科学及び技術学科卒
職歴:モバイル機器生産の大手企業にてオペレーティングシステムソフトウ
ェア開発及び GPRS モジュールの研究に従事
2007 年、嘉権特許商標事務所に入社
専門分野:コンピューターソフトウェア・ハートウェア、ネットワーク、通信、
GPRS 技術、集積回路に関連する特許出願、答弁、無効審判、不服審判、
訴訟など
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