In this Issue 1. IP Updates 2. China Practice IP Updates 中国当局が独禁法調査の公平性を主張、 外資の市場アクセスの拡大へ ○保護範囲を好適に拡大する同一製品近 似設計のまとめ出願 3. Case Review ○請求の範囲の均等について如何に判断 するか? 中国で独占禁止法の執行権限を有する3つの規制当局は11 日、外国企業への調査が公平に行われているとの見方を示し、 外資の市場アクセスを拡大する方針だと明らかにした。 中国の商務省と国家発展改革委員会(発改委、NDRC)、国家工 商行政管理局(SAIC)は北京での共同記者会見を前に声明を発 表した。 声明では、企業の法的権利を守るよう留意しており、調査対象の 企業には代理人を立てる権利があると指摘し、全ての規制当局 が透明性の改善に努めているとした。 声明は「中国の独禁法執行機関は、客観的で公平な結果が得ら れるよう、調査の全過程において対象企業の意見を真剣に受け 止め、彼らの法的権利を守るよう留意している」としている。 Jiaquan IP Law Firm Add: No. 910, Building A, Winner Plaza, No.100, Huangpu Avenue, Guangzhou, China Tel: +86-(0)20-38033421 Email: [email protected] Website: www.jiaquanip.com Jiaquan IP Law Firm 参考 URL: http://jp.reuters.com/article/jpchina/idJPKBN0H60RU20140911 1 保護範囲を好適に拡大する同一製品近似設計のまとめ出願 馮劍明 弁理士・弁護士、司法鑑定専門家 中国において、1 件の意匠出願は 10 件の同一製品の近似設計を含めることができる。従って、出願人 は 1 件分の出願料金のみを納付すれば、1 件の出願中に同一製品に関する複数の近似設計を提出して、 意匠専利の保護範囲を好適に拡大することが可能である。 近似設計をまとめ出願するためには下記の二つの条件がある。 1、 同一製品であること 同一製品とは、製品名称が同一、かつ、同一用途を有する製品をいう。 同一製品でない意匠設計は、例え設計特徴が全く同じであっても、別の出願としなければならない。 スーツケース Jiaquan IP Law Firm 携帯電話の保護カバー 2 2、 近似製品であること 近似とは、全体から観察すると、その他の意匠設計が基本の意匠設計と同一または近似の設計特 徴を有し、かつ両者の違いが局部の微細な変化しかなかったり、当該製品の慣用設計であったり、 設計単位の重複配列もしくは色彩要素の変化であったりする場合は、両者は近似設計であると考え られる。 局部の微細変化 ピアス 局部の微細変化 飲料の包装材料 Jiaquan IP Law Firm 3 製品の慣用設計 ティッシュペーパー 設計単位の重複配列 染色機 馮劍明 | 弁理士・弁護士、司法鑑定専門家 使用可能言語: 英語、中国語 学歴:2001 年五邑大学機械エンジニアリング及びオートメーション学科卒 職歴:2001 年-2003 年機械加工の研究開発業務に従事 2003 年、嘉権特許商標事務所に入所 専門分野:機械エンジニアリング、オートメーション、印刷機械、LCD 技術、マ シンツールなどに関連する特許出願、答弁、無効審判、不服審判、訴訟など Jiaquan IP Law Firm 4 請求の範囲の均等について如何に判断するか? 馮劍明 弁理士・弁護士、司法鑑定専門家 案件概要 周氏は「発光蛇口」という発明の特許権利者である。周氏は、温州市のある企業による模倣品を発見し た。そこで、当該企業に侵害行為の停止及び損害に対する賠償金を請求した。 弊所の弁理士は、模倣品の技術方案と本特許の請求の範囲に記載された全技術特徴とを比較し、「当 該特許は水晶玉を用いてスピンドルに接続する。一方、模倣品においては銅ハンドルを用いてスピンド ルに接続する。」が唯一の違いであることを見つけた。ここで、水晶玉と銅ハンドルは単なる材料上の相 違であり、いずれの効果も左右回転可能であり、冷温水の混合比率のコントロールを行うスイッチであり、 当該技術分野における通常の技術者にとって、創造的な発想をしなくても簡単に連想ができる。それ故、 模倣品は当該特許の請求の範囲内の技術であり、侵害行為を構成したと判断した。その後、裁判所は 被告に対して侵害行為の停止、賠償金を支払うよう判決した。 当該特許 Jiaquan IP Law Firm 模倣品 5 法律根拠: 「最高人民法院による特許紛争案件審理の法律適用問題に関する若干規定」 第 17 条 特許法第 56 条第 1 項にいう「特許権又は実用新案権の保護範囲は、その権利請求の内容 を基準とし、説明書及び図面は権利請求の解釈に使うことができる」とは、権利の保護範囲は、権利請 求書の中に明記された必須技術特徴により確定される範囲を基準とすることを指し、それには当該必須 技術特徴と同等の特徴により確定される範囲も含むものとする。同等な特徴とは、記載された技術的特 徴と基本的に相同する手段により、基本的に相同する機能を実現し、基本的に相同する効果をもたらし、 且つ当該領域の普通の技術者が創造的な労働を経なくても連想できる特徴を指す。 コメント: 均等論(きんとうろん doctrine of equivalents)を適用する際に以下の事項に注意する必要がある。 1)均等な技術特徴が請求の範囲に記載された区別技術特徴、公知技術特徴などの全構成要件である こと。 2)模倣品と請求の範囲に記載された技術方案が全体に同一ではなくても、請求の範囲に記載された構 成要件と基本的に同一の手段により、基本的に同一の機能を実現しと同一の効果を奏すること。 3)侵害行為の発生時間を均等侵害の発生時間に適用すること。 それ故、均等論による侵害を判断する際には、技術特徴によって模倣品の特徴を分解し、請求の範囲 に記載された全構成要件と比較し、手段、機能、効果において分析を行い、「同一の手段により、基本的 に同一の機能を実現し同一の効果を奏するかどうか、創造的な発想をしておらず、簡単な連想であるか どうか」を基準として判断する。 馮劍明 | 弁理士・弁護士、司法鑑定専門家 使用可能言語: 英語、中国語 学歴:2001 年五邑大学機械エンジニアリング及びオートメーション学科卒 職歴:2001 年-2003 年機械加工の研究開発業務に従事 2003 年、嘉権特許商標事務所に入所 専門分野:機械エンジニアリング、オートメーション、印刷機械、LCD 技術、マ シンツールなどに関連する特許出願、答弁、無効審判、不服審判、訴訟など Jiaquan IP Law Firm 6 We Protect Your Ideas! 嘉权专利商标事务所 Jiaquan IP Law Firm Advice Prosecution Litigation Guangzhou | Jiangmen | Zhongshan | Foshan | Shunde | Zhuhai Website:www.jiaquanip.com Email: [email protected] Jiaquan IP Law Firm 7
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