IP Updates In this Issue

October 2014 Vol.1
In this Issue
1. IP Updates
2. China Practice
○商標登録の分割出願について
3. Case Review
○意匠権侵害の認定方法について
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IP Updates
中国の 3D バイオ印刷技術に画期的な進展
中国の 3D バイオ印刷技術が画期的に進展した。杭州電子科技
大学の徐銘恩教授が率いるチームが開発した 3D バイオプリンタ
ーが、ヒトの肝臓や脂肪組織などの印刷に成功した。3D プリンタ
ーによって印刷された細胞の活着率は 90%に達し、4 カ月にわた
り生存し続けることができる。国際的な学術誌「Biomaterials」は、
同チームの研究は 3D バイオ印刷分野の最先端の水準に達して
いると評価した。このように科技日報が伝えた。徐教授は、「生物
医学の製品は付加価値が高く、新技術の応用・普及の重点とな
っている。生物医学は巨大な市場を持つ。ヒトの身体的構造と病
理学的状況には個人差がある。3D プリンターは生物医学におい
て高い普及価値を持ち、オーダーメイドの義肢、再生医療、器官
の製造などで独自の強みを持つ。これは 3D 印刷技術の未来の
重要な普及の方向性である。3D 印刷技術は同領域で基礎的な
研究段階にあり、一部の研究成果の普及と転化が進められてい
る。」と述べた。徐教授は、「人工組織・器官の製造において重要
になる技術は、3D 細胞印刷技術である。これは組織・器官の解
剖学デジタル模型を利用し、生細胞を特定の位置に配置し、組
織・器官前駆体を製造する新技術である。3D 細胞印刷は、3D 印
刷技術の研究で最先端の領域に属しており、生命科学の基礎研
究、臨床医学および薬品の開発で高い普及価値を示している」と
指摘した。
参考 URL:
http://j.people.com.cn/n/2014/1009/c95952-8792233.html
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商標登録の分割出願について
鄧志豪
商標代理人・弁護士
商標法の法改正によって一商標多区分制が新たに採用された。そして、出願人の便宜のため、改正後
の実施条例では一部の指定商品が拒絶された時の分割出願制度が新設された(第 22 条)。
法律根拠:
「中華人民共和国商標法実施条例」第 22 条 商標局が 1 件の商標登録出願を一部指定商品において
拒絶したときは、出願人が当該出願における初歩査定された部分を別件の出願に分割し、分割後の出
願は、元の出願の出願日を維持する。
分割が必要であるときは、出願人は、商標局の「商標登録出願部分拒絶通知書」を受領した日より 15
日以内に、商標局に分割申請を提出しなければならない。
商標局が分割申請を受領した後に、元の出願を 2 件の出願に分割しなければならない。
分割され、初歩査定された出願について新しい出願番号を与え、かつ公告する。
分割出願の注意事項
1. 分割出願の特徴
1 件の商標登録出願が一部指定商品において拒絶された際は、該当出願における初歩査定された部分を別件の出願
として分割し、新規出願として扱うことが可能である。
2.分割出願の時期
「商標登録出願部分拒絶通知書」と「商標登録の分割出願申請書」(申請用紙)の受領から 15 日以内に出願する必要
がある
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3.分割出願の費用
庁費は発生しない。
4.分割出願の要求
「商標登録の分割出願申請書」(申請用紙)に必要事項を記入して提出しなければならない
分割出願のメリットとデメリット
メリット:初歩査定された部分は先に登録査定が可能になる。
デメリット:分割出願は新規出願の場合のみに適用される。
コメント
分割出願制度は進歩的な新設制度である。しかし、実務上の案例が足りないため、分割出願した後に出願人に他にど
のような影響があるか否かは現在のところ不明である。
それ故、「商標登録出願部分拒絶通知書」を受領した際に、分割出願をするか否かは十分に検討する必要がある。
鄧志豪 | 商標代理人・弁護士
使用可能言語: 英語、中国語
学歴:中北大学法律学、副専攻は英語
2008 年、嘉権特許商標事務所に入所
専門分野:外国企業向けの商標及びブランド保護戦略、マドプロ国際商標、
国際化ドメイン名論争、外国商標答弁、外国商標異議申立、外国商標権利
侵害訴訟など
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意匠権侵害の認定方法について
馮劍明
弁理士・弁護士、司法鑑定専門家
案件概要
江門王野オートバイ製造有限会社(以下「王野会社」と略称)はオートバイを生産するハイテク企業であ
り、2011 年に開発したある新型(1モデル)オートバイエンジンに対して合計 9 件の意匠と実用新案を出
願し、専利権を取得した。また、このエンジンは江門市の「五邑カップ」という工業デザインコンテストの一
等賞を獲得した。この新製品は短期間において市場の認可を迅速に獲得し、販売量もかなり多い。
そして、江門の某オートバイ有限会社はこのエンジン製品の市場シェアを奪おうと模倣品を生産し、大規
模な販売を行い、特許権者である王野会社の利益を損なうとともに市場の正常な秩序を攪乱した。
そこで、王野会社は嘉権特許商標事務所(以下「弊所」と略称)に権利保護を依頼した。弊所の弁理士
はこの案件に関する証拠と当該特許の技術に係る徹底的な調査と分析を行い、取得した権利侵害の証
拠を固定してから、江門市中級人民法院に権利侵害訴訟を提起し、被告の権利侵害行為を差し止める
とともに、損害賠償請求を提出した。この案件の審理中、被告は意匠権利侵害で訴えられた製品のデザ
インと授権意匠との間に明らかに差異があり、意匠の同一又は類似を構成しないために専利権を侵害
していないと反論した。裁判所は事実と法律により以下の判決を下した:
意匠の同一又は類似の認定にあたっては、全体観察、総合判断を原則としなければならず、権利侵害
で訴えられた意匠と授権意匠の全体的な視覚効果の相違がなければ、両者は同一と認定するべきであ
る。また、全体的な視覚効果に実質的な相違がなければ、両者は類似と認定するべきである。この原則
により、裁判所は、被告が原告の 6 件の意匠と 2 件の実用新案の専利権を侵害したと認定して、侵害行
為を停止するとともに、人民元 50 万元(約 800 万円)を損害賠償として支払うことを命じた。
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法律根拠:
「最高人民法院による専利権侵害をめぐる紛争案件の審理における法律適用の若干問題に関する解
釈」
第 11 条 意匠の同一又は類似の認定にあたって、人民法院は、登録意匠、権利侵害で訴えられた設計
の設計特徴に基づき、意匠全体の視覚効果を以って総合的に判断しなければならない。主に技術的な
機能で決まるような設計特徴、および全体の視覚効果に影響を与えないような物品の材料や、内部構
造などの特徴は考慮しない。
次のような状況は通常、意匠全体の視覚効果に対してより大きな影響を与える。
(一) 他の部分に対して、物品の正常使用時に容易に直接観察できる部分
(二) 登録意匠におけるその他の設計特徴に対して、登録意匠の既存設計と区別される設計特徴
権利侵害で訴えられた設計と登録意匠とが、全体的な視覚効果において相違のない場合、人民法院は
二者の同一を認定し、全体的な視覚効果において実質的な相違のない場合、二者の類似を認定しなけ
ればならない。
コメント:
意匠権利侵害の認定する時に
1)一般消費者の視覚を通じて、直接観察による比較を行わなければならず、拡大鏡、顕微鏡などのその
他のツールによる比較を行うべきではない。
2)意匠物品の用途(使用目的、使用状態)に基づき、物品の種類が同一又は類似するか否かを認定する
ものとする。
3)同一か否か、又は類似か否かを基準としなければならず、一般消費者による混同誤認を構成するか
否かを基準とするのではない。
4)全体観察、総合判断を原則としなければならず、権利侵害で訴えられた意匠と授権意匠の全体的な
視覚効果の相違がなければ、両者が同一と認定するべき。また、全体的な視覚効果の実質性の相違が
なければ、両者が類似と認定するべきである。
馮劍明 | 弁理士・弁護士、司法鑑定専門家
使用可能言語: 英語、中国語
学歴:2001 年五邑大学機械エンジニアリング及びオートメーション学科卒
職歴:2001 年-2003 年機械加工の研究開発業務に従事
2003 年、嘉権特許商標事務所に入所
専門分野:機械エンジニアリング、オートメーション、印刷機械、LCD 技術、マ
シンツールなどに関連する特許出願、答弁、無効審判、不服審判、訴訟など
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