IP Updates In this Issue

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1. IP Updates
2. China Practice
○インターネットでの知的財産権保護
3. Case Review
○専利権利侵害訴訟における権利消尽の抗
弁について
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IP Updates
中国が専利件数を 2020 年までに 3 倍へ
中国政府は4日、特許出願件数を2020年までに3倍に増やす
方針を明らかにした。国民1万人当たりの出願件数を、2013年
の4件から14件まで拡大するという。知的財産権の保護や管理
のための法的環境の整備も強化する。
政府は特許や商標出願の審査期間の短縮も検討。特許審査は2
013年の平均22.3カ月から、20年までに20.2カ月に縮める。
商標登録については、13年の10カ月から20年までに9カ月に
短縮する計画だ。
中国は成長率の鈍化や生産拠点におけるコスト上昇の問題に取
り組んでおり、ハイテク産業分野における存在感を高めることを
目指している。特許出願を増やすことで、国内外で事業を展開し
ている外資系企業に対抗する。
中国政府はウェブサイトに掲示した声明で「知的財産権はわが国
の戦略的資源および競争力において一層不可欠な要素となる」と
述べた。
参考 URL:
http://afdc.mof.gov.cn/pdlb/wmkzg/201501/t20150105_1176238.
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インターネットでの知的財産権利保護
鄧志豪
商標代理人・弁護士
2014 年国際インターネット年会において、馬雲(アリババ創業者)は TAOBAO 及びアリババ市場に模倣
品があることを否定した。
しかし、2011 年、TAOBAO サイトで削除された模倣品リンクは 6320 万件あり、処罰された会員は 70.2 万
人もいた。さらに 2012 年は、模倣品リンクが 8700 万件削除され、90.5 万人の会員が処罰された。
上記データにより、TAOBAO で模倣品が販売されていることは周知の事実であり、且つ増加の傾向があ
る。TAOBAO の売主が個人であることが、経営情報、商品の製造先情報などの調査が困難であるため、
模倣品対策を難しくしている原因の一つとなっている。消費者及び権利者にとって、権利が侵害された
場合に、どのような手段で権利を保護すればよいかが大きな問題である。
アリババグループがアメリカで上場して以来、TAOBAO は模倣品の取締りを強化しなければ事業発展が
妨げられることを意識してきた。
2013 年、アリババグループは TAOBAO 及びアリババに知的財産摘発受付窓口を開設した。アリババの
受付窓口はアリババ中国サイト、国際サイト、国際通販サイトの摘発を受け付け、TAOBAO の受付窓口
は TAOBAO、天猫(Tmall)の摘発を受け付ける。摘発の受付範囲は発明専利、実用新案専利、意匠専
利、商標、著作権に関するものである。また、2010 年 1 月 1 日からは、実用新案専利及び意匠専利につ
いては「専利権評価報告書」の提出が必要となっている。
TAOBAO は「専利法」、「商標法」、「著作法」に違反する行為をした売主に対する処罰ルールを設定し
た。
①模倣品を販売した行為が明確にされ、経緯が重大である場合、減点 48
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2
②模倣品を販売した行為が明確にされた場合、減点 12
③同一売主が三日間以内に同一権利者によって該当商品、情報、店舗名称、会員名称などに対して摘
発された場合は 1 回と見なされ、毎回減点 4
TAOBAO 売主にとって一旦処罰がされると店舗のプッシュがなくなって信用度が低下し、また営業への
ダメージが甚大であるため、処罰ルールに対して非常に敏感である、
摘発のプロセス:権利者の登録→資格審査→摘発提出→売主反証→処理結果
必要書類:登録証(実用新案専利及び意匠外観専利の場合はさらに「専利権評価報告書」も必要)、権
利者の主体情報、委託書、承諾書、売主情報、関連商品リンク、証拠、侵害鑑定報告書。
一般的には、摘発が提出されると 3 週間以内に処理結果が出る。
鄧志豪 | 商標代理人・弁護士
使用可能言語: 英語、中国語
学歴:中北大学法律学、副専攻は英語
2008 年、嘉権特許商標事務所に入所
専門分野:外国企業向けの商標及びブランド保護戦略、マドプロ国際商標、
国際化ドメイン名論争、外国商標答弁、外国商標異議申立、外国商標権利
侵害訴訟など
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専利権利侵害訴訟における権利消尽の抗弁について
譚英強
弁理士・弁護士、司法鑑定専門家
案件概要
仏山市掌門人知能科技有限公司(略称:仏山掌門人)は主にスマート・ドア製品を製造する製造メーカで
ある。2014年、仏山掌門人はスマート・ドア製品を販売していたところ、仏山市中級人民法院から、販
売中の幾つかのスマート・ドア製品が仏山市のある企業の実用新案専利及び外観設計専利を侵害して
いると指摘された。
担当弁理士は仏山掌門人の担当者と相談した上、以下の事実を究明した:本案に関わる製品は原告か
ら被告に販売した製品であり、また該当製品は原告のマークが付けられていたため、被告の仕入行為
は合法である。
また続く訴訟審理中に、代理人は以下の証拠を裁判官に示した:被告が原告から購入した製品の清算
書;原告が被告に提供した購入製品のインボイス;原告の WEB サイトやパンフレットについての公証書。
以上の証拠によって、被告は原告に関連製品を購入したことを証明することができた。本件は最後的に、
裁判所の審理を経て原告が起訴を取り下げることに同意した。
法律根拠:
「中華人民共和国専利法」の第 69 条により、下記の事由のいずれかに該当する場合は、専利権侵害と
はみなさない。
(一)専利製品或は専利方法によって直接得られた製品を、専利権利者或いはその許諾を受けた組
織及び個人が販売した後、該当製品の使用、販売の許諾、販売、輸入をする場合
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コメント:
権利消尽の抗弁は、専利権者又は許諾者から権利侵害で訴えられる製品を販売したことに対して主張
することが可能な抗弁である。
一般的に権利消尽の原則では、正当な専利権者により実施された製品が譲渡された後、この専利製品
に対して、専利権者はこの専利権を再主張することができない、また誰がその専利製品を使用しても当
該専利権侵害にはならない。権利消尽の抗弁は権利消尽の原則に基づく。もし専利権が消尽すれば、
関連専利製品を再度使用する行為はこの専利権に制約されず、専利権を侵害する行為として認められ
ない。
権利消尽の抗弁について、以下の問題に注意する必要がある:
(1)権利消尽の抗弁に関わる製品の初期出所が合法であること、専利権者又は許諾者の販売に基づい
ていること。
(2)専利権者又は許諾者が製品を販売する対象は不特定の社会公衆に限られない。権利者が特定の
人に専利製品を販売した場合でも、製品販売後に権利消尽の抗弁を適用することが可能である。
(3)権利者の専利製品の販売については適切な価格で獲得することは条件にならない。無料配布する
専利製品や贈答用の専利製品であっても権利者の販売専利製品として認められ、権利消尽の抗弁が
適用可能である。
(4)双方の契約取引中、権利者が専利製品を譲渡し、または専利製品が権利者から合法的に付与され
た場合、権利消尽の抗弁が適用可能である。
(5)権利者が専利製品を販売する時に、購入者に対して製品の継続使用、販売の許諾、販売などを制
限する場合、例え購入者がこの制限条件に違反しても、権利消尽の抗弁が適用でき、専利権の侵害行
為にはならない。
譚英強 | 弁理士・弁護士、司法鑑定専門家
使用可能言語: 英語、中国語
学歴: 華南理工大学電子科学及び技術学科卒
職歴:モバイル機器生産の大手企業にてオペレーティングシステムソフトウ
ェア開発及び GPRS モジュールの研究に従事
2007 年、嘉権特許商標事務所に入社
専門分野:専門分野:コンピューターソフトウェア・ハートウェア、ネットワー
ク、通信、GPRS 技術、集積回路に関連する特許出願、答弁、無効審判、不
服審判、訴訟など
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