May 2015

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In this Issue
1. IP Updates
2. Case Review
○不使用取消審判を請求する場合の「三年満
了」を如何に起算するか
○他社名称の無断使用は不正競争に該当する
Jiaquan IP Law Firm
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IP Updates
中国の産業用ロボット販売台数、2014 年は
55%増
中国ロボット産業連盟が 5 月 21 日に重慶市で発表した統計デー
タによると、2014 年に中国市場で販売された産業用ロボットは前
年比 55%増の約 5 万 7000 台に達し、中国は世界の販売台数の
約 4 分の 1 を占め、2 年連続で世界最大の産業用ロボット市場と
なった。うち国内企業の販売台数は前年比 76.6%増の 1 万 6945
台、外資系企業の販売台数は 47%増の約 4 万台であった。外国
製品は主に自動車や電子製造などに利用されている。国産ロボ
ットは市場開拓を加速し、国民経済に関連する 67 業界に貢献し
ている。
参考 URL:
http:// j.people.com.cn/n/2015/0522/c95952-8896368.html
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不使用取消審判を請求する場合の「三年満了」を如何に起算するか
鄧志豪
商標代理人・弁護士
近年、わが国の商標の登録件数が急激に増えるにつれて、登録可能な商標が日々減少していくため、
「商標法」四十九条二号「登録商標が使用許可された商品の通用名となり、又は正当な理由なく継続し
て3年間使用しなかったときは、如何なる単位又は個人も、商標局に当該登録商標の取消を請求するこ
とができる。」(以下、「不使用取消審判」という)という規定により、自らが出願する予定の商標が順調に
登録できるように、先願にかかる同一または類似の登録商標の取消を請求する申立人が多くなっている。
しかし、実際には、請求された登録商標が登録日から「三年満了」したかどうかを如何に起算するかを明
確に理解していない申立人が多そうである。
一般に、継続して三年間不使用の起算は「実際の登録日」から三年以上を基準とし、その「実際の登
録日」は商標登録証又は商標局ウェブサイトに記載された「登録日」(以下、「登録日」という)と一致すべ
きである。しかし、現実的に、「実際の登録日」が「登録日」と一致しないことはよくある。例えば、異議申
立の審理を経て登録された商標、又はマドプロ経由で中国に出願された国際登録商標は、実際の登録
日と登録日が一致していない。このことは商標登録から三年満了したかどうかを起算する申立人にとし
ては「盲点」であり、ひいては「地雷源」とも言える。一旦、請求された商標の不使用期間が三年未満なら
ば、商標局がその不使用取消審判を「受理しない」という結果をもたらしてしまう。それ故、申立人に不必
要な損失をもたらさないように、筆者はその問題について、下記の通り論述する。
1.個別出願(中国への通常出願)された登録商標について
1) 一般の場合(順調に登録又は拒絶査定不服審判を経て登録された商標)
「商標法実施条例」六十六条三号の規定により、「正当な理由なく継続 3 年不使用を理由に登録商標
の取消を申請するときは、当該登録商標の登録公告日から 3 年満了後に申請を提出しなければならな
い。」と規定されているため、一般的な個別出願で登録した商標に対して不使用取消審判を請求する場
合の「三年満了」の起算基準は登録公告日(即ち登録日)から 3 年以後でなければならない。注意すべ
きなのは、ここでいう一般の場合は拒絶査定不服審判を経て登録された商標も含まれる。ここで拒絶査
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定不服審判を経て、早期審査され、公告された国内商標はもし公告期間内に異議申立てが提起されな
い場合、その登録日は実際に権利が発生する日である。したがって、実際登録日と登録日の不一致は
なく、一般の場合として適用される。これは後述の異議申立てを経て登録された商標及び拒絶査定不服
審判を経て登録された国際商標についての規定とは大きな差がある。
2) 特別の場合(異議申立を経て登録した商標)
異議申立を経て登録された商標は、「実際登録日」は異議申立が完了した日(異議裁定が下された日)
から起算すべきであるが、「商標法」三十六条二号の規定によると、「審査により異議が成立しないと決
定され登録が許可された場合、商標登録出願人が取得する商標専用権の期間は、初歩査定の公告後
3 ヶ月が満了した日より起算する。」、即ち、異議申立を経て登録された商標の「登録日」は 3 ヶ月の公告
期間満了の日から起算し、異議裁定が下された日ではない。言うまでもなく、このような場合の商標の実
際登録日は登録日と一致せず、不使用取消審判は「実際登録日」を起算基準とすべきである。簡単に
言えば、対象となる商標が異議申立を経た場合であれば、「三年満了」の起算基準は異議裁定日から 3
年以後である。
2.マドプロ経由で中国に出願された国際登録商標について
1) 一般の場合(順調に登録された商標)
「商標法実施条例」四十九条一号の規定により、「商標法第四十九条第二項の規定に従い国際登録
商標の取消を申請するときは、当該商標国際登録出願の拒絶期限満了日より 3 年満了後に商標局に
申請を提出しなければならない。拒絶期限満了時に拒絶不服審判または異議関連手続にあるときは、
商標局または商標評審委員会が下した登録許可決定の発効日より 3 年満了後に商標局に申請を提出
しなければならない。」と規定されているため、一般の場合、国際登録商標に不使用取消審判を請求す
る時「三年満了」の起算基準は拒絶期限満了日から 3 年以後である。しかし、「拒絶期限満了日」を如何
に起算するかがまた「地雷源」となる。国際登録商標に対して不使用取消審判を請求するための起算日
は「国際登録日」と誤解する申立人や代理人が多いようである。「国際登録日」は国際登録商標の有効
期間を計算する起算日であるが、国際商標が各指定国で設定登録日ではない。マドリッド協定及び議
定書などの関連条約の規定によると、各締約国は国際事務局の通知日(Date of notification)から 12 ヶ
月以内(マドリッド協定書の締約国に適用する)又は 18 ヶ月以内(マドリッド議定書の締約国に適用する)
に審査した上、拒絶又は登録査定を表す通知書を発行すべきであり、その期間内にいかなる拒絶又は
審査意見がなければ、自動的に登録査定となるとみなされる。そのため、「拒絶期限満了日」の起算基
準は国際局の通知日プラス 12-18 ヶ月である。言い換えれば、順調に登録したマドリッド国際商標の「三
年間満了」の加算基準は国際事務局の通知日から 12-18 ヶ月の 3 年以後である。当該国際事務局の通
知日は世界知識産権組織(WIPO)のウェブサイトで検索でき、当該国際登録の元所属国がマドリッド協
定の締約国またはマドリッド議定書の締約国かにより決まり、前者の場合は 12 ヶ月以後、後者の場合
は 18 ヶ月以後である。
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2) 特別の場合(拒絶査定不服審判又は異議申立を経て登録された商標)
上記「商標法実施条例」49 条 1 号の規定により、拒絶査定不服審判又は異議申立を経て登録された
国際商標については、「三年満了」の起算基準は拒絶査定不服審判/異議申立の裁定日から 3 年後で
ある。要約すると、登録商標に不使用取消審判を請求する基本条件は当該商標権が確立された日から
三年間満了後である。いつ権利が確立されたかについては、当該商標が個別出願された国内の商標か、
マドリッドプロトコル経由で中国に出願された国際登録商標かを区分する必要がある。それ以外には、
当該商標が拒絶査定不服審判又は異議申立を経たかどうかを調査する必要がある。そしてもし、それら
を経たものであれば、当該商標の実際の権利確立日が登録日と不一致の可能性があり、注意すべきで
ある。
それと同時に、筆者は下記のことをお勧めする。マドリッドプロトコル経由で中国に出願された国際登
録商標は、審理期間及び審査プロセスが個別出願した登録商標と差が大きい。特に拒絶応答の期限、
却下プロセスなどの規定は更に複雑なため、申立人が国際登録商標について不使用取消審判を請求
しようとする場合は、費用及び時間などで損失を被らないようにあらかじめ代理人に問い合わせすること
が望ましい。
鄧志豪 | 商標代理人・弁護士
使用可能言語: 英語、中国語
学歴:中北大学法律学、副専攻は英語
2008 年、嘉権特許商標事務所に入所
専門分野:外国企業向けの商標及びブランド保護戦略、マドプロ国際商標、
国際化ドメイン名論争、外国商標答弁、外国商標異議申立、外国商標権利
侵害訴訟など
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他社名称の無断使用は不正競争に該当する
譚英強
弁理士・弁護士、司法鑑定専門家
案件概要
嘉権が代理した大長江集団有限公司による不正競争侵害で重慶 A 有限公司を起訴した案件につい
て、被告はオートバイ蓄電池商品、パッケージ及び取扱書に「豪爵」を商標として使用し、「中国大長江集
団機車部品有限公司」という名称を使用した。主観的には故意に模倣し、客観的には公衆の誤認また
混同を招き、公平競争原則に反し、不正競争侵害を構成することが認定された。この結果、高級人民法
院は、被告が直ちに不正競争行為を停止し、「重慶朝刊」という新聞紙に謝罪広告を掲載し、また、被告
が原告に不正競争侵害によりもたらした経済的損失と本案の訴訟費用とをあわせて 20 万元を賠償する
という判決を下した。
江門市大長江集団有限公司はオートバイの車両、エンジン及び部品の専門生産、販売の中日合弁
会社として、「豪爵」、「haojue」などの商標を使用し、相次いで商標を登録した。長年の経営と宣伝により、
第 12 類での「豪爵」は「広東省著名商標」と「馳名商標」の称号を取得し、「中国企業トップ 500」及び「中国
質量誠実企業」の名誉称号が授けられた。
2013 年 8 月、大長江集団有限公司は国内市場では「豪爵」オートバイ蓄電池を発明した。当該産品の
パッケージの正面には「中国大長江集団機車部品有限公司」が顕著に表記され、側面には「生産商:重
慶 A 有限公司」がやや細い文字で表記された。原告への損害が明確になるのため、嘉権に当該案件を
委託した。嘉権は当該案件を分析し、重慶 A 有限公司が大長江集団の商標権と企業商号権を侵害し、
不正競争が構成されることを認定した。よって、嘉権の弁護士チームは調査及び証拠収集を行って、
2013 年 12 月裁判所に重慶 A 有限公司を起訴した。具体的には、原告の権利侵害の停止及び損害賠償
を要求し、裁判所に証拠保全を申請した。被告の工場で訴訟事件に関わる製品を差し押さえたが、被告
重慶 A 公司は第 9 類「オートバイ蓄電池」に「豪爵」商標権を所持していた。また、「中国大長江集団機車
部品有限公司」は香港で設立された会社であり、被告は中国大長江集団に許可され、「豪爵」電池の生
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産行為が権利侵害及び不正競争ではないと主張した。第一審では、被告が生産及び販売する製品で
「豪爵」を商標として使用するのは原告の「豪爵」商標を侵害すると認定された。また、被告の製品で「豪
爵」商標を使用しながら、「中国大長江集団機車部品有限公司」という文字を顕著に使用するのは無断
に他の企業名称の使用として不正競争行為と認められた。これにより、判決では、被告重慶 A 有限公司
が即刻侵害行為を停止し、「重慶朝刊」という新聞紙に謝罪広告を掲載し、また原告に経済的損失及び
本案の訴訟費用とをあわせて 30 万元を賠償することが決まった。
被告は第一審の判決に不服があるため上訴した。第二審では、原告と被告は両方も合法的に登録さ
れた「豪爵」商標を所持しており、被告が査定された範囲を越えて「豪爵」を商標として使用する行為も発
見されなかった。よって、被告はオートバイ蓄電池商品で「豪爵」商標の使用は権利侵害を構成しなかっ
たと認定された。上記により、原審の当該判決が取り消された。もっとも、被告はオートバイ蓄電池商品、
パッケージ及び取扱書に「豪爵」を商標として使用すると同時に、顕著に「中国大長江集団機車部品有
限公司」という文字を使用したため、主観的には故意に模倣し、客観的には公衆の誤認また混同を招き、
公平競争原則に反し、不正競争を構成することにより、被告が不正競争行為を停止し、「重慶朝刊」とい
う新聞紙に謝罪広告を掲載し、原告の損失及び本案の訴訟費用とをあわせて 20 万元を賠償するように
判決が下された。
法律の根拠:
「中華人民共和国民法通則」第 99、120、134 条
「中華人民共和国反不正競争法」第 2、5 条
「最高人民法院による専利紛争案件審理の法律適用問題に関する若干規定」第 6、7 条
「最高人民法院による現在経済情勢のもとで知的財産権審判サービスに関する若干規定」(法発「2009」
23 号)第 10 条
コメント:
被告の重慶 A 有限公司が生産したオートバイ蓄電池及びパッケージで「豪爵」を商標として使用しつ
つ「中国大長江集団機車部品有限公司」という文字を使用する案件について、広州嘉権特許商標事務
所有限公司の担当弁護士は「反不正競争法」第五条、第(二)項及び「最高人民法院による専利紛争案
件審理の法律適用問題に関する若干規定」第六条の規定により、長年の経営におかげで、江門市大長
江集団の企業名称及び「大長江」という文字はオートバイ関連製品の馳名商標「豪爵」と相応関係になっ
て、中国国内に相当の知名度と名誉度を持っていると考えた。よって、原告企業名称の中で使用された
「大長江」という文字は「反不正競争法」の規定に認定されている「企業名称」であり、法律に基づき、法
律の保護を受ける。
被告の重慶 A 有限公司は「中国大長江集団機車部品有限公司」が香港で合法的に登録した企業で、
当該案件に関連した製品は「中国大長江」の権限を授けたと述べたが、上記の事実を証明できる証拠を
持っていなかった。仮に被告が上記のとおりに相違ないことを証明しても、被告の行為は故意に非規範
的企業名称を使用すると認定される。被告の法定代表人は香港で企業「中国大長江」を登録し、また国
内で登録した企業「重慶 A 有限公司」に当該企業名称の使用権を授ける方法で中国の企業審査を回避
した。間接的に使用する目的を達成し、公衆の誤認また混同を招く。表面的に、当事者は自社の登録企
業名称及び店名を使用したが、「最高人民法院による現在経済情勢のもとで知的財産権審判サービス
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に関する若干規定」第 10 条の規定により、その行為は「反不正競争法」第五条第(三)項の規定に属し
ている不正競争行為に該当する。それに、被告重慶 A 有限公司が生産するオートバイ蓄電池と大長江
集団生産するオートバイ商品との販売ルート及び消費層が類似し、しかも製品の関連性が高く、商標法
の「類似商品」を構成した。被告は製品に「豪爵」を商標として使用しながら、「中国大長江集団機車部品
有限公司」という文字を利用し、消費者によって、原告「大長江集団」の企業名称と誤認また混同を招く
可能性が高い。よって、被告が生産するオートバイ蓄電池、パッケージ及び産品取扱書に「中国大長江
集団機車部品有限公司」という文字を使用するのは、主観的に故意に模倣し、誠実信用原則に反し、客
観的に公衆の誤認また混同を招き、公平競争原則に反する。被告の行為は不正競争を構成して、上記
法律の規定の適用を受けるべきである。
譚英強 | 弁理士・弁護士、司法鑑定専門家
使用可能言語: 英語、中国語
学歴: 華南理工大学電子科学及び技術学科卒
職歴:モバイル機器生産の大手企業にてオペレーティングシステムソフトウ
ェア開発及び GPRS モジュールの研究に従事
2007 年、嘉権特許商標事務所に入社
専門分野:専門分野:コンピューターソフトウェア・ハートウェア、ネットワー
ク、通信、GPRS 技術、集積回路に関連する特許出願、答弁、無効審判、不
服審判、訴訟など
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