MAP Sim 研修レポート 岡本 益光 私は現在、集中治療室で勤務している

MAP Sim 研修レポート
岡本 益光
私は現在、集中治療室で勤務している看護師であり、昨年度より教育係を担当している。教育
係を担当するまでは現場スタッフとして臨床でただ働くだけであり、
「教育」という視点について
考えることはなかった。教育担当者としてまず、臨床現場における教育の問題点を明らかにし、
臨床で働くスタッフが自ら学び、振り返る(自己内省)ためにはどのような教育手法が必要であ
るかを考えた。
近年、日本国内の医療現場においてシミュレーション教育を一つの教育手法として多くの施設
が採用している。シミュレーション教育の効果として臨床における知識と行動のギャップと埋め
ることができることや学習者中心の教育であるといった点が挙げられる。実際の効果についても
多くの研究で明らかになっており、当部署における問題点を解決するためにはシミュレーション
教育の導入が必要ではないかと考えた。
昨年度は院内研修や自己学習を通して、気管挿管シミュレーションを部署内へ導入した。数回
のシミュレーション経験ではあったが、結果としてスタッフより「楽しかった。」「実際の挿管の
時に役に立った。」といった感想があり、より効果的にシミュレーション教育を推進するための一
助になると考え、今回 MAPSim 研修に参加した。
現在の部署内でのシミュレーションの課題
1.シミュレーション教育に関する経験や知識不足
2.シミュレーション教育推進者の役割分担
1について
今までは自己学習を基に考えたシミュレーション内容であり、経験や知識不足が課題であった。
今回の研修に参加し、自らがシミュレーン教育をグループワークや講義を通して体験学習できた
ことは非常に意義があったと考える。具体的にはシミュレーションの目的が達成するために必要
な目標設定、シナリオに一貫性をもたせたプログラム作りの方法を学び、また学習者へ提供する
までの一連の流れを確認することができた。
2について
部署内でのシミュレーションメンバーの役割分担は明確にはなっておらず、開催日や学習者の
参加状況、事前課題の提供など計画的に実行することができず、運営の見直しが必要であった。
また実際の導入中では役の配置ミスによって臨場感が欠如していることも課題であった。
ハワイ大学の実体験を受けて、チーム内の連携を強化させることによってシミュレーション教
育の運営がより円滑になるだけでなく、運営する上で起こる様々な問題を解決かつ低減させると
いった効果も生み出すことを認識することができた。
今後について
今回の研修によって当部署のシミュレーション教育の運営上の問題を解決するための一助とな
ったのは間違いないと考える。今後は部署内のメンバーへ報告し、現在ある気管挿管シミュレー
ションの内容を検討し、より洗練されたシミュレーション教育を部署内で展開していく。