青木 隆 - 日本大学文理学部

平成26年度 日本大学文理学部個人研究費 研究実績報告書
研
究
課
所属・資格
中国語中国文化学科・教授
申請者氏名
青木 隆
印
題 中国清朝ムスリム学者・劉智のコスモロジー(その3)
研究目的
および
報
研究概要
清朝のイスラム学者・劉智『天方性理』の訳注を作成しながら、哲学思想の構造、アラビ
ア語・ペルシア語原典との比較検討、中国思想との対決の様相について解明する。具体的に
は、
『天方性理』巻3訳注を刊行するべく、各章の解説部分を完成する。
中国ムスリム思想専攻の佐藤実(関西大学)
、アラビア哲学専攻の仁子寿晴(同志社大学)
、
明清回族社会史専攻の黒岩高(武蔵大学)
、スーフィズム思想史専攻の矢島洋一氏(奈良女子
大学)
、中国におけるペルシア文化専攻の中西竜也氏(京都大学)ほかの専門家との共同作業
である。
告
研 究
の
の
結 果
平成26年度に『天方性理』巻3前半の訳注を刊行する予定であったが、刊行直前になって、
『天方性理』訳書(岩波書店刊イスラーム原典集成)刊行のための補助金(人間文化研究機
構 NIHU イスラーム地域研究早稲田拠点)が今年度で打ち切られることが決定したため、急遽、
これまで作成した『天方性理』全巻にわたる訳注稿をとりまとめる作業に没頭した。今年度
も 30 回(予定も含む)を数える研究会を開催し、訳者間のコミュニケーションを密に保つ努
力を欠かさず、訳注作りにエネルギーを傾けることができた。
概
要
研 究
の
考 察
・
反 省
従来、専門家向けの学問的かつ詳細な注釈をつけた、従前から作成を続けていた訳注稿を少
し一般向けにリーダブルにする作業を急遽行なうことになったため、
『天方性理』巻3のミク
ロコスモスの研究が頓挫した。その代わり、かなり以前に訳注稿を作成したままになってい
た巻1、未発表の巻5については、その半数が実質的に新規訳し下ろしに近く大幅に改定す
ることができた。平成28年春の訳書刊行に向け全力を尽くしたい。
※この欄は,本報告書提出時点で判明している事項についてご記入ください。
研究発表
学会名
発表テーマ
年月日/場所
研究成果物
テーマ
誌名
巻・号
発行年月日
発行所・者
回儒の著作研究会
「名理探と劉智『天方性理』のターミノロジー」
2014 年 12 月 27 日/大妻女子大学比較文化学部 佐藤研究室