保健だより2015年6月号

びわこ成蹊スポーツ大学
保健センター
2015 年
6月
号
梅雨に入る 5 月頃から秋雨の終わる 10 月頃まで、気温の上昇とともに様々な嫌なムシたちも活発に
活動を始めます。大学周辺で見かけるものをあげてみました。
ブヨ(ブト)
ブヨに刺される(実際は刺されるのではなく囓る)と痒いだけでなく、かなり
赤く腫れ上がり、痛みが強く、稀にひどい場合には、リンパ管炎やリンパ節炎
を併発し、熱が出たりするケースもあります。もともとアレルギーがある人は
要注意です。
体長3~5㎜
【対策】
防御するしかありません。
短パンはやめ、しっかりした生地のズボンや靴下でガードします。その上からでも刺されることが
あります。
虫除けスプレーを使う。今は作用時間の長いスプレーもでていますが、汗をかくような状況下にあ
る場合は、ある程度の時間毎に使用する方がいいでしょう。
蚊と同じで朝夕に出没するので、特にこの時間帯に気をつけるようにしましょう。
【刺されたら】
・ 患部を冷やす。
・ 軟膏を塗る。(市販薬のムヒαEXはセンターにあります。)
・ 症状が激しいときは病院に行き、内服薬・塗り薬を処方してもらいましょう。
ムカデ
足が 21 対もあり強靭な毒牙をもっています。咬まれると焼けるように痛く、
幹部が腫れあがります。ムカデの毒はスズメバチの毒に近く、たんぱく質を分
解したり、血液中の血球を溶解したりする複数の酵素を含んでいます。そのた
め赤ちゃんや幼児が咬まれると危険です。
【対策】
湿気対策です。ムカデは乾燥に弱く、非常に湿った場所を好みます。そのため、雨上がりに水溜ま
りになる場所や晴れた日でも湿っている場所に庭石や石垣などムカデの潜む隙間があると住宅へ
の侵入リスクが高くなります。下駄箱に入れたままの靴の中なども要注意!
玄関のドアや勝手口ドアの隙間は、内側から乾いたタオルを押し当てて隙間を塞いでおきましょう
門灯や室内照明をムカデのえさとなる虫の寄りにくいLED灯に切り替えるなどして侵入リスク
を下げましょう。
ムカデは外気温15℃以上であれば正常に活動できます。若干寒い日でも平気です。天気予報で
最低気温が15℃以上になったら窓のサッシの閉まり具合やズレ、ゴムパッキンの劣化などがない
かよく点検しましょう。また、2階、3階でも関係ありません。
ムカデは強い捕食性をもつ雑食性です。果物やお菓子もえさになることをお忘れなく。食品類は適
切に管理しましょう。また、浴室床面の水滴はムカデの復活につながります。できれば拭き取って
乾燥させましょう。
【刺されたら】
・
真っ先に42℃以上できれば46~50℃の熱めの温湯シャワーもしくは流水を患部に当てな
がら患部の外側から内側に向かって、皮膚内に注入された毒を出します。痛みを伴いますが、
時間とともに迫りくる激痛を和らげるために必要な極めて重要な応急処置です。
ムカデの毒には激しい炎症を起こす酵素のほかポリペプチドやヒスタミンが含まれており、
これらは蛋白質で構成されているため 42℃以上の熱により変性し失活します。 そのため
患部を冷やす前の熱めの温湯による処置が大変有効です。
・ 温湯絞出しのあと、氷で患部を冷やします。気分不良がある場合等、必要時病院を受診しまし
ょう。アナフィラキシーショックのリスクもあります。その場合は救急車を呼んで病院へ。
ケムシ
有毒毛をもつケムシに触れることによって生じる皮膚炎です。
ドクガ類(ドクガ、チャドクガなど)の幼虫には、毒針毛(どくしんもう)とい
う長さ0・1mm 程度の微細な有毒毛(ゆうどくもう)が数十万本以上あり、成
虫にも付いています。これに触れるとかゆみの強い皮膚炎が生じます。
蛾や蝶の幼虫である毛虫
毛虫。その毒針毛、あるいは毒棘によって生じます。怖いのは直接さわったり
毛虫
しなくても、毛虫が通った所には、毛が残っていて、そこに触れるだけ
触れるだけでも毛虫皮膚炎に感染する
触れるだけ
ことです。症状としては、最初は自覚症状がなく、数時間ほどで、ピリピリとした痒みが出てきま
す。その後、1~2日ほどで米粒大の赤い斑点
米粒大の赤い斑点ができ、
その周囲にも同じような湿疹
同じような湿疹が出てきます。
米粒大の赤い斑点
同じような湿疹
痒みを伴うので、どうしても湿疹をかいてしまいがちですが、膚に刺さった毒針を、かいてしまう
ことで、さらに皮膚の奥に刺す
皮膚の奥に刺すことになります。
皮膚の奥に刺す
【刺されたら】
まず、応急処置として、ガムテープなどで患部に刺さっている毒針毛を取り除きます
ガムテープなどで患部に刺さっている毒針毛を取り除きます。その後、
ガムテープなどで患部に刺さっている毒針毛を取り除きます
流水で患部をしっかりと洗い流し、氷や保冷パックで冷やします。毛虫皮膚炎によるかぶれ・炎症
を抑えるには、ステロイド外用剤
ステロイド外用剤が有効です。毛虫皮膚炎はしつこい痒みを伴います。ステロイド
ステロイド外用剤
外用剤の中でもストロングランク
ストロングランクのものを使用して、早めにしっかりと症状を抑えましょう。
ストロングランク
*内科の病気に関しては、本来学園の安全会(保険給付)は該当しませんが、大学内で刺されたブヨや
ムカデ、ケムシが原因で治療が必要となった場合、給付してもらえるようになっています。領収書を持って
保健センターで手続きをしてください。