IETC monthly report International Environmental Technology Centre 2015 年 4 月 ブータン 廃棄物管理に関する国家特別委員会を開催 ブータン王国政府環境委員会事務局(NECS)は、廃棄物防 止管理規定 2012 年の改正に関する第 2 回特別委員会を、 2015 年 4 月 15 日と 16 日にブータン王国のティンプーにて 開催しました。会議にはブータン国内において、廃棄物管理 規定の実施や施行責任を担っている様々な組織の代表者が出 席しました。 NECS 廃棄物防止管理規定 2012 年は、廃棄物管理に関する法の 中でも重要な法律と位置づけられています。しかし、法規制 があるにもかかわらず、この法規制の効果的な実施が行われ ていないのが実態です。法規制における課題と法的な相違を 検討するため、実務者で構成される特別委員会が設置され、法規制の改正を検討しています。2015 年 3 月に開催された第1回特別委員会では、現行法における課題および問題点、法的相違に関する 分析を行い、次回特別委員会で報告することが出席者間で合意されました。各出席者は、それぞれ の実務経験に基づき、改正法における検討事項及び追加事項の提案を行いました。 スレンドラ・シュレスタ IETC 所長は、第2回 特別委員会の開会式に主賓として招かれました。 シュレスタ所長は基調演説にて、ブータンは環境 保全において世界から高く評価されている国であ ることに言及しました。そして、ブータンはこの 廃棄物規定の改正を通して、廃棄物問題を全体論 的に対応できることについても述べました。また シュレスタ所長は、人口増加と消費パターンの動 向変化に伴い資源が急激に枯渇しつつある現状を 踏まえ、世界規模における廃棄物管理の重要性に NECS ついても言及しました。さらにシュレスタ所長は、 資源枯渇を緩和する解決策の一つとして、適正な 再利用やリサイクルにより廃棄物を完全循環させる「循環経済」の概念について説明するとともに、 この概念は廃棄物ゼロまたは埋立廃棄物ゼロの社会を達成するものと述べました。 IETC フォローアップ活動:IETC は UNEP 環境法・条約局(DELC)とのパートナーシップを通じ、廃 棄物管理における法的枠組みに関する能力育成ワークショップを開催します。ブータン王国政府環 境委員会事務局は、本年、アジア工科大学院(AIT)と UNEP とともに、国および都市レベルにおけ る戦略や行動計画、試験的な実証事業を完了するため、国内ワークショップを2回開催します。 国際環境技術センター(IETC)は国連環境計画(UNEP)/技術・産業・経済局 (DTIE)の一部門です。 連絡先: 〒538-0036 大阪府大阪市鶴見区緑地公園 110 番 2 号 [email protected] © 2015 UNEP IETC IETC monthly report 2015 年 4 月 Page 2 大韓民国 トレーニングセッション フィリピン 地域セミナーを開催 Page シュレスタ IETC 所長は基調講演にて、ポスト 2015 持続可能な開発目標(SDGs)に基づき、廃 棄物管理と循環経済について述べるとともに、全 性状の廃棄物(固体、液体、気体)を取り扱う総 括的廃棄物管理とその利点について説明しまし た。参加者は、災害廃棄物や SDGs、官民パート ナーシップに関する追加的なトレーニングの実施 を求めました。 IETC フォローアップ活動:IETC は廃棄物管理に おける包括的な能力育成プログラムに関して、 UNITAR CIFAL チェジュとの 協力を継続す るとともに、 国や都市レベ ルにおける共 同実務研修・ 実証事業の機 UNITAR CIFAL Jeju 会を検討していきます。 City of Osaka 大阪市環境局長に就任した 北辻卓也氏がIETCを表敬訪 問しました。北辻氏は、大 阪市がIETC運営開始当初の 20年前から続けているIETC への支援に関して、今後も 継続していく事を表明しました。また来年IETCが 開催する各種セミナーやワークショップに対し て、大阪市が引き続き協力していくことが表明さ れました。なお、本年6月5日には、「世界環境 デー(WED)」(http://www.unep.org/wed/)を記念 して環境セミナーが大阪で開催されます。 WIPO 「クリーン技術の普及及び移転促進:東南アジ アにおける廃水処理の実証事業にみる好機」に関 する地域セミナーが、2015 年 4 月 22 日から 24 日にかけてフィリピンのマニラにおいて開催され ました。 IETC は UNEP 気候技術センター・ネットワーク (CTCN)より、世界知的所有権機関(WIPO)、フ ィリピン知的財産庁(IPOPHL)及びアジア開発銀 行(ADB)の支援をするよう任命されました。セ ミナーには、技術財産や知的財産サービス提供 者、金融機関、経営顧問事業者が参加し、廃水処 理技術の普及や技術移転に関して、気候変動の緩 和(メタン排出削減)と適応(水不足の深刻化に 対する処理水の再利用)の観点から議論を行いま した。 IETC は、SDGs における技術支援の重要性に着 目するとともに、国際的支援によるクリーン技術 促進の必要性を強調しています。出席者は CTCN に対して、主に南北間や南南間での技術移転と技 術開発における B2B(企業間取引)パートナーシ ップ支援に期待しました。 IETC フォローアップ活動:IETC は、UNEP の他事 務所や CTCN 関連プログラムと連携し、廃水処理 技術の促進と支援を継続していきます。また、 IETC は、廃棄物及び廃水に関する ADB との合同 事業の可能性について今後検討していきます。 新職員紹介 2015年5月、本多俊一氏 がUNEP IETCに企画官とし て着任しました。着任前 は、環境省に勤務していま した。本多氏は廃棄物管理 に関する国際的な各種取組 に貢献しており、特にバー ゼル条約やE-waste(電気 電子機器廃棄物)、有害廃棄物関連のプロジェク トに従事してきました。 UNEP IETC UNITAR CIFAL Jeju 国連訓練調査研究所 済州島国際訓練センター (UNITAR CIFAL チェジュ)は UNEP IETC の協力 の下、持続可能なアジア太平洋地域を目的とした 総括的廃棄物管理とエコタウンモデルに関するト レーニングセッションを 2015 年 4 月 28 日から 30 日にかけて、韓国の済州島にて実施しました 。
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