IETC monthly report International Environmental Technology Centre 2015 年 5 月 IETCは、気候と大気浄化の国際パートナーシ ップ都市廃棄物イニシアティブ(CCAC MSWI) の主要メンバーとして活動を行っています。短 寿命気候汚染物質削減のための気候と大気浄化 のコアリション(CCAC)は、6か国とUNEPによ って2012年に発足した国際的な枠組みです。 CCACは、環境保全と公衆衛生の向上、食料とエ ネルギーの安全保障の強化や短期的な気候変動 への対応を目的として、メタンガス、黒色炭素、 ハイドロフルオロカーボン(HFCs)の排出削減 に向けて具体的かつ効果的な活動を実施してい ます。CCAC加盟国・機関数は、43か国と53の国 際・科学・商業機関を含めた、96を数えます (2014年9月時点)。 出典:Memon.M/UNEP ホーチミン市 有機性廃棄物管理計画に関する関係者ワークショップを開催 都市廃棄物イニシアティブは、廃棄物管理における様々な適正な政策や戦略を実施する都市や国の公 約を確実にすることにより、都市廃棄物部門全体でメタンガスや大気汚染物質の排出削減を目指してい ます。技術支援や研修、能力育成や意識向上の活動を通して、各都市はより持続可能な廃棄物管理へ移 行するとともに、短寿命気候汚染物質の排出削減に取り組んでいます。特に都市廃棄物の埋立地は、地 球上で3番目に大きいメタンガスの排出源です。これは、埋立地に廃棄される有機性廃棄物由来のメタ ンガスが大気に放出されるからです。本イニシアティブの目標は、埋立地における有機性廃棄物の転換 です。また、黒色炭素、毒性物質、温室効果ガスが排出されるごみの野焼きも、他の大気汚染の脅威と なっています。 現在、IETCは、本イニシアティブの下、マレーシア・ペナン州とベトナム・ホーチミン市においてフ ェーズ2事業を支援しています。ホーチミン市では、前フェーズ事業で特定されたニーズに基づき、メ タンガス(埋立地と腐敗性廃棄物からの排出)や黒色炭素(車の排気ガスとごみの野焼きからの排出) を含む短寿命気候汚染物質排出削減のための有機性廃棄物管理計画を策定しています。 2015年5月13日から15日にかけて、ホーチミン市天然資源環境局(DONRE)主催により、ホーチミン市 有機性廃棄物管理計画に関する関係者ワークショップが開催されました。ワークショップにおいては、 有機性廃棄物に関する関係者間の意識向上や有機性廃棄物管理における3R(発生抑制、再使用、 再生 利用)を実施するために適正な技術や官民連携の役割、ホーチミン市における有機性廃棄物管理計画案 の検討、包括的な有機性廃棄物管理計画を策定するためのDONRE職員やホーチミン市における他の関係 者に対する能力開発、CCAC-MSWイニシアティブにおける実施可能な事業や実現可能性調査に関する今後 の活動についての議論等、同市の有機性廃棄物管理計画案の評価と協議が行われました。IETCは関連す る一連の講義を行うとともに、計画案を議論するセッションにおいて進行役を勤めました。技術の持続 可能性評価(SAT)に関する方法論の講義は、全体論的な廃棄物管理や環境上適正な技術(ESTs)、有 機性廃棄物の資源化(コンポストやエネルギー)におけるESTsを活用した短寿命気候汚染物質の削減に 関する有機性廃棄物管理について意識向上を目的として行われました。 ホーチミン市DONRE副局長のグエン・ヴァン・フオック氏は、IETCの発表に高い関心を示すとともに、 IETCからの支援と活動に対し感謝の意を述べました。またフオック氏は、SAT方法論を応用した能力育 成を提案しました。 IETC monthly report 2015 年 5 月 Page 2 IETC フォローアップ活動:ワークショップにおいて以下のステップが確認されました。 Page 1. 以下に重点を置き有機性廃棄物管理計画案を改訂する。 有機性廃棄物が多量に発生し現在埋立て処理されている発生源(食品市場と都市農業)を対象 とする。 意識啓発的戦略を図るため、家庭廃棄物の発生源分別の意識を向上する。 埋立て処理前に混合ごみを処理し、埋立地から直接メタンガスの発生を防ぐ。 2. 技術を選定するためホーチミン市において SAT 方法論の能力育成をする。 3. フェーズ 3 の事業実行可能性に関する提案を CCAC に行うとともに有機性廃棄物管理計画を実施 する。 環境省訪問 環境省 廃棄 物・リサイ クル対策部 の水谷好洋 課長補佐が IETC を 訪 問 出典:Nishikawa.A/UNEP IETC による JICA 研修講義 し 、 IETC と 世界の廃棄物管理の最新動向につい て意見交換をしました。水谷課長補 佐は、国際的な廃棄物管理において 出典:公益財団法人 地球環境センター アイノア・カルピンテロ IETC 企画官は、5 月 20 日に日本国際協力 機構(JICA)が大阪で実施した課題別研修「廃棄物管理技術コー ス」(5 月 11 日~6 月 4 日)において、講義を行いました。講義 においては、廃棄物管理の課題と機会、適正な廃棄物管理に関す る原理と政策、廃棄物管理における IETC の取組について説明が行 われました。9 か国から 12 名の研修員が講義に参加しました。 水銀廃棄物は喫緊かつニーズが高い 課題であり、多くの国において水俣 条約で規定されている水銀廃棄物対 策を実施するために必要な活動につ いて指摘しました。 IETC は国際・地域レベルで、水銀 廃棄物管理について環境省との連携 を強化していく予定です。 今後のイベント: 2015 年 6 月 5 日:世界環境デー セミナー (開催地:大阪) 大阪市は UNEP IETC と共催で、2015 年世界環境デー(WED)を記念したセミナーを大阪で開 催します。スレンドラ・シュレスタ UENP IETC 所長が基調講演を行います。 詳しくは(WED 2015)をご覧ください。 2015 年 6 月 23~24 日:モンテビデオプログラム環境法セミナー (開催地:大阪) 「大気汚染規制および地球大気保全のための法律」 国際環境技術センター(IETC)は、国連環境計画 (UNEP)技術・産業・経済局(DTIE)の一部門です。IETC は主 に、開発途上国と移行期の国における環境上適正な技術(ESTs)の普及促進に取り組んでいます。最近では廃棄物管 理問題に重点を置き各種活動を実施しています。 発行元: UNEP IETC お問合せ先:〒538-0036 大阪市鶴見区緑地公園 2‐110 [email protected] © 2015 UNEP IETC
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