さぴあ賞 コケシちゃん コケシちゃんを読んで K F ・ くん 5年 大切な友達と、大好きな先生に、胸を張って会いに行くために。 ぼくには、まだできていない事ばかり。くるみちゃんの様に苦手な事から逃げない で、ちゃんと向き合っていかなくてはいけない。 六月のある日、放送委員の仕事がすんで教室にもどるぼくの目の前に、友達がいた。 トルコにいるはずの友達が立っていた。ぼくは、一しゅん何が起きているのかわから なくて、動けなくなってしまった。 その友達が夏休みに帰って来ることは聞いていたけれど、まさか学校に来るなんて 思いもしなかった。しかも、七月の終業式の日まで、ぼくと同じクラスで体験入学を する事になっているだなんて 京ちゃんのお父さんとお母さんは、日本の人。ぼくの友達のお父さんはトルコの人 で、お母さんは日本の人だ。トルコの名前も日本の名前も持っている。京ちゃんみた いにどんどん手を挙げたり色々な事をハッキリと言ったりはしないけれど、いつもに こにこして笑っている。京ちゃんも、ぼくの友達も海外でくらしている。だけど、二 人は全然ちがう。 この二人がちがう様に、ぼくとクラスの友達も、出井くんやくるみちゃんもちがう。 みんなちがうんだ。顔や声がちがう様に、考える事も思う事もちがう。それぞれがち がうから色々な意見があるし、ぶつかったりケンカになったりもする。その事で、イ ヤな思いをする事だって、させる事だってある。 「一つのチームの中で楽しむ事はもちろんだけれど、勉強もしんどい事も一緒にが んばって、みんなで前に進んでいけるといいと思わない? みんなで一緒に進んでい こうよ!」 自分が楽しければ、自分さえ出来ていればそれでいいと思っていたぼくに、こんな 事を話してくれた先生がいる。お母さんにも同じような事をよく言われるけれど、大 好きな先生に言われたこの言葉は、ぼくの心にズキンとささった。 くるみちゃん達がみんなで絵をかく事になった時、これからどんな事になってしま うのかドキドキしたけれど、あのくるみちゃんが、みんなの言うことに流されず自分 の意見を伝えられた時は、ガッツポーズをしてしまうくらいうれしくなった。そして、 その意見をみんなが受け止めてくれた事は、すごいことだと思った。みんな、自分の 意見が一番だという気持ちがあったと思うのに、みんながお互いの意見や気持ちを思 い合う事ができている。お互いを思う事ができたこのクラスは、みんなで前に進んで いく事ができたんだろうな。 話を聞くという事は、とても大変な事だと思う。だからこそ、相手の話を一生けん 命に聞こう。そして、自分の思いや考えを自分なりにきちんと伝えよう。相手にも自 分にも知らん顔をしないようにしよう。その事が少しずつでもできたら、同じ国の人 同士でも、ちがう国の人同士でも、きっと仲良しでいられるんじゃないのかな。 !!
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