音・弦基礎

物理問題集
音・弦基礎
音・弦基礎
No-1
◎○ P1. 音波基礎 空白を埋め、問題に答えよ。
class
No.
Name
解答 No-1
P1.順に 気体分子、伝わらない、0.6m/s、はやく、高い、屈折、縦波
音波の媒質は であるので宇宙なのどの真空状態では 。
高い、340、短、音速、波長(振動数)
、ドップラー効果
また、音速は温度の影響を受け気温が 1℃上がると約 だけ なる。
ア) u は負だが音速を超えていないので 0>u>-V
よって夜になると地表に比べて上空の温度が ので し、遠くの音
イ)P の方が大きい。
がよく聞こえたりする。また、音波は なので液体にも伝わり、クジラな
ウ)ホイヘンスの原理から P 側の波長が短いのでスリットに点波源がたくさ
どは振動数の 音波を利用して遠く離れていても交信することができる。
ん並ぶ。よって円より直線に近い波が発生しする。
音速は 1 秒間に約 m進む速さで、この速さをマッハ1という。
O 側は波長が大きいのでスリット間の点波源の数が少ない。
音の高さは振動数で決まり、音が高いと波長は い。また、観測者や音
よってより大きく回折し、円形に近い波が生じる。スリット幅が小さい
源が運動することによって は変化しないが観測される は変
ほど円形に近くなり、広いと直線に近い。
化する。これを という。
また、スリット通過後の波長は通過前とほぼ同じである。
S を音源として図のように音波の波面が広がってい
る。音速を V とし、P から O の向きを正とする。
O
P
ア)音源の速さ u の範囲を求めよ。
S
イ)P と O で観測したとき 1 秒間に観測する波の
P
数が大きいのはどちらか
O
概略図
ウ)P 側と O 側に図のように同じ幅のスリットを用意する。スリット通過
P2 ア)音速は不変 どちらも同じV 後の波面の様子を図示せよ。
イ)波長は変化している。波数も不変、波数とは波の数でいいが定義は
◎○ P2.
【ドップラー効果】波数 2πを波長で割ったものである。ただしこの問題での
図のように音源が速さ u で観測点 O 側に運動している。音速を V とし 1 秒
間に観測する山の数を波の数とする。
P
S
O
波の数kは音源の振動数のことである。
1 秒間に進む距離が速さなので 1 秒
ア)図の観測点 O と P で音速はいくつになるか。
で考えれば距離が速さ、波の数が波数に一致するから
イ)波の数をkとすると P と O での波長を求めよ。
P 側の波長はλP=(V + u)/ k、Q 側はλQ= (V-u)/k
(V,u,k で表せ)
ウ)V=fλだから P側ではfP=V / λP=k・V /( V+u )
ウ)
イの結果からPとOで観測する振動数を求めよ。
Q側ではfQ=V / λQ=k・V /( Vーu ) Q側の方が大きい
kを用いて表すこと。またどちらが大きいか。
エ)ドップラー効果の式から O 側は音速は風速だけ遅れる
エ)O から P に風速wの風が吹いた。
O側では音速をV-wで置き換え、P側ではV+Wに置き換える。
O 点で観測される振動数 f1 と P 点 で観測する振
この問題では波数kが音源の振動数fと置き換えてドップラーの公式を使う
動数 f2 を求めよ。kを用いよ。
☆公式・Point 波源が動いても波数、音速は不変 観測者 vo 音源 Vs
ドップラー
V:速さ、f:振動数 λ:波長
効果
V= fλ=λ / T
f l = f V - vo
V - vs
ウの結果より f1=k (V-w)/(V-w-u) f2= k (V+w)/(V+w+u)
物理問題集
音・弦基礎
音・弦基礎
No-2
◎ P1.ドップラー効果 基本
class
No.
解答 No-2
P1 ア) 温度の式は暗記する必要はない
次のように船 A が速さ 10m/s で岸壁に向かっている。 船 B は速さ 10m/s
V = 331.5+0.6tに代入し、V = 331.5+12=343.5 [m/s]
で岸壁から遠ざかっている。気温 20°
として次に答えよ。
イ)S から 船 B が直接聞く場合は音源は遠ざかり、観測者も遠ざかるから
va
O の向きを
vb
A
B
fB = f
正にとる
矢印を図示
ア) 音速を求めよ。 また以後の音速は 340m/s としてよい。
イ) 船 A が振動数 200Hz の汽笛を鳴らした。岸にいる人と船 B が直接聞く
f岸 = f
ウ) 次に船 A が 200Hz の振動数の音を出したとき、船 A にいる人が直接聞
船 A が観測する反射音と直接音の振動数をもとめよ。また、うなりの振
動数を求めよ。
正の向き
va
vb
O
V
340
= 200
= 206[Hz]
・O
V −Vs
340 − 10
B
正の向き
A
S
直接の場合は明らかに 200[Hz]
ウ)
求めよ。
エ) 次に岸から海に向かって風速 40[m/s] の風が吹いた。ウと同じように
V −Vo
340 − 10
= 200
= 189[Hz]
V +Vs
340 + 10
岸にいる場合は、観測者が静止し、音源が近づくから
音の振動数をそれぞれ求めよ。
く音と岸壁から反射してくる音の振動数を求めよ。またうなりの振動数を
A S
すること
Name
次に岸で観測する振動数は先問から
反射音は
340
340 − 10
2.壁を波源にする。 次に岸を音源とし、船Aで観測するから
340 340 + 10
V +Vo
エ)
= 200
= 212[Hz]
fA = f岸
V
340
− 10 340
風の向きw
f岸 = 200
1.壁で観測者になる。
正の向き
したがって、うなりの振動数は
・O
S
壁にOを置く
・S
O
次に壁を波源にする
N= 212 - 200 =12[Hz]
直接波は変わらないから200Hz
次に岸で観測する振動数は風の向きが逆風だから音速はV-wになる。
f岸 = 200
340 − 40
300
= 200
340 − 40 − 10
290
次に岸を音源とし、船Aで観測するから今度は音速がV+wになる。
☆公式・Point
正の向きに風速wがある場合
fA = f岸
1 秒間のうなりの回数 N
N =|f1-f2|
f l = f V - vo (V " V + w)
V - vs
反射音は
300 340 + 40 + 10
340 + 40
= 200
= 212[Hz]
340 + 40 − 10
290 340 + 40
1.壁で観測者になる。
風の影響はほとんど受けてないことから実際に
よって答えは先と同じで
2.壁を波源にする。
位置や速度を知るのに漁師さんが使う方法
212ー200=12[Hz]
物理問題集
No-3
◎ P1.音基礎 音・弦基礎
ア)音速を V、
音源の速さを vs、
観測者の速さを vo、音源の振動数をfとして、
観測される振動数f ’ の式を求めよ。
音・弦基礎
class
No.
Name
解答 No-3
P1.ア)f ’ =f (V-vo)/(V-vs) イ)音波は縦波なので共に速くなる。
ウ)λ n =4L/(2n-1)
オ)V= √ (T/ ρ ) T[N]
エ)λ n =2L/ n *閉管と同じ
ρ= M/L[kg/m] カ)√h h:深さ [m]
イ)音速は 1) 温度を上げる 2) 媒質の密度を大きくする とどうなるか。
ウ)長さ L の片開管にできる定常波の波長λnをモードnについて表せ。
エ)長さ L の弦にできる定常波の波長λnをモードnについて表せ。
P2.ア)直接:v=f λより 340 = 330 λ λ=1.
03m
オ)張力 T, 線密度ρの時、弦を伝わる波の速さを表せ。
岸:ドップラーの公式から岸を O、船を S とすれば正の向きは左。よって
カ)浅い高さhの水槽の水面波の速さは何に比例するか。
f岸=f (V)/(V-va)=330・340/330=340Hz ①
イ)反射波の振動数をf反とする。うなりはf反とfとの差。まずf反を求
める。 S を岸、O を船として正の向きは右。
P2.ドップラー効果 アからf反=f岸 (V+va)/(V)=340・350/340=350Hz よってうなりの回数
船 A が速さ 10m/s で岸壁に向かっている。 汽笛の音源は振幅2m、
N は N=350 ー 330 = 20 回
330Hz である。 音速は 340m/s としてよい。
ウ)和積の公式から SinA+SinB=2Sin(A+B)/2・Cos(A-B)/2 よって
va
A
ア) 船上の人が直接観測する汽笛の波長と
f 1 = (330 + 350)/ 2= 340 Hz f2= (350 - 330)/2 = 10 Hz
岸の人が観測する振動数を求めよ。
人間は上の 2 つの内 10Hz の音を意識すると他の音は聞こえなくなる。
イ) 反射音が帰ってきて合成波を船上の人は
イの結果の半分の振動数なのは人が音を強度から判断する。音の強度は振幅
観測した、うなりの回数を求めよ。
ウ)厳密には合成波は 2 つの振動数を含んでいる。この振動数を求めよ。
また、この結果がイ)と異なる理由を簡単に説明せよ。
エ) 陸から海にむかって 20m/s の風が吹いた。うなりの回数はどうなるか。
の 2 乗に比例するから (CosA)2=(Cos2A+1)/2 なので2倍の振動で聞こえる。
エ)はじめに船をS、岸をOとした時は左が正で風の向きと反対なので
①において音速VをV-w= 320 に変えればよい。 よって
f岸= 330・320/(320 - 10) = 330・32/31 次に岸にSを置き、船をO
とした時は右が正だから音速V=V+w= 360 に変える。 よって
f反= f 岸 (360+10)/360=330・32/31・37/36 ≒ 350 Hz
よってうなりの回数N= 350 - 330 = 20 回でほとんど変わらない。
☆公式・Point
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音・弦基礎
音・弦基礎
No-4
P1.スピードガン 斜めの風
class
No.
Name
解答 No-4
P1 ア)S から O の向きを正とし、まずボールに観測者を置く、ここで聞く
図のようにある速さのボールに 10 4 Hz の超音波を当て球速を測定したい。
3
はじめはボールの後方から反射波を拾い、スピードガンに6.0 ×10 Hz の
うなりが観測された。音速は350[m/s] とし、無風である。
ア)この時のボールの速さを求めよ。
振動数をf B とすると
次にこのボールを S にし、スピードガンを O にし、
fB = f V - v
V
f l = fB
振動数をf ’ とすると
V
fV - v
V+v = V+v
よってうなりを N 回とすると
f ’ のほうが小さいから
N= fーf ’ =f×2v /(V+ v)
O: 観測者
ここで数値を代入し、
イ)次に同じ超音波を同じ球速のボールの前方から当てる。
この時、観測されるうなりの回数を求めよ。
v
正の向き
S: 波源
6× 10 3=2× 10 4v /(350 +v)
3(350+V)=10v v=150[m/s]
正の向き
v
イ)同様にまずボールに観測者を置く、ここで聞く振動数をf B とすると
ウ)イの場合からさらに下図のような向きに 40[m/s] の風が吹いた時の
うなりの回数を求めよ。
(図は上から見たもの)
30°
向きが反対だから
fB = f V + v
V
f l = fB
次にこのボールを S にし、スピードガンを O にし、
振動数をf ’ とすると
V
fV + v
V-v = V-v
よって N= f ’ ーf=f×2v /(V ーv)
ここで数値を代入し、N = 1.5 × 10 4回
ウ)ボールの運動は水平方向だけなので風速は水平方向のみでいい。
従って水平方向の音速はボールで観測した場合は
V' = 350 + 40Sin30°
= 370m/s
反対向き(スピードガン側)では V'' = 350 ー 40Sin30°
= 330m/s である。
まずボールを観測者として観測者が負に動くから振動数f ’ =f (V'+v)/ V' ①
次にボールを波源スピードガンを観測者にすると波源が正に動くから
f ’’ =f ’ V ’’/(V''-v) ② ①、②より
f ’’ = 104 × (370 + 150)/370・330/(330-150)=2.6 × 104Hz
よってうなりの回数は N =f ’’ ーf= 1.6 × 10 4Hz
☆公式・Point スピードガンは波源であり観測者である。正の向きが変わる
風が吹いたら音速を変化させる。
ベクトル合成すること。
*分数式は文字計算をはじめにやり、数値代入し、約分をつかうこと
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音・弦基礎
音・弦基礎
No-5
P1 ドップラー効果 グラフ
class
No.
解答 No-5
P1 まず時速 90km = 25m/s になおす
図のように道路から 300 m離れたP点で 1000Hz のサイレンを流しながら
A 点でなす角θとすると P に近づく速さは 25Cos θ= 25 × 4/5 = 20m/s
走っていく車を観測した。車は 400m 後方の A 点からサイレンを鳴らし、観
音源が近づくのでf A = 1000・360/(360-20)=1059Hz
Name
測者の前方の B 点を過ぎ、さらに 400 m過ぎた C 点でサイレンを切る。車は
時速90km の一定の速さとし、この時の音速は 360m/s とする。このとき P
A
点で観測する振動数をグラフにしなさい。
A
400
θ
C
B
300
500
C
B
A
P
B
1059Hz
A
P
B
1000Hz
P に近づく速さは A から C にいくにつれて小さくなるので振動数はだんだん
と 1000Hz に近づき、C 点に到達すると 1000Hz になる。その後は0になる。
☆公式・Point
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音・弦基礎
No-6
P1. ドップラー効果 平面運動 うなりの合成式
図のように600H zの振動数を鳴らし、一定の速さ40[m/s] で物体 S が
音・弦基礎
class
No.
解答 No-6
P1. ア)図のように∠ BAC をθとする S
と点 A で C に向かう速さは u=40Cos θ
距離 320 mある点 A から点 B に移動する。自由端の壁上の C 点ではじめは観
図形から Cos θ= 4/5 だから u=32[m/s]、
測した。C 点は AB の中線上にある。音速は 320[m/s] とし、AB と C との距離
これは B 点では C 点から遠ざかる速さ
は 120 mである。
と考えてよい。A,B 点での振動数をf A、
S
A
ア) S が点 A, 点 B にある時の C で聞
320 m
B
く振動数を求めよ。
120 m
C
イ) S が直線 AB 上にある時、∠ BSC をθとおく、このθを用いて C で聞く
Name
A
320 m
D
θ
120 m
u
B
C
f B として
V
320
= 600
= 667[Hz] 同様に B 点では音源が遠ざかるから
V −u
320 − 32
V
320
fB = f
= 600
= 545[Hz]
V +u
320 + 32
イ)この場合の u は u=40Cos θである。AB の中点を過ぎるとθはπ / 2より
fA = f
大きくなるこの時物体は C から遠ざかり Cos θはマイナスになるから u の
振動数を求めよ。また、S が AB の延長線上に無限に遠ざかった時、C 点
式 u=40Cos θは AB 上で常に成り立つ。
で聞く振動数はどうなるか。
無限まで遠ざかった時は図の D で観測するのと変わらない
V
320
4.8× 103
= 600
=
よって fC = f
V −u
320 − 40cosθ
8 − cosθ
無限大まで移動した時 cosθ = −1 だから上式に代入すると fC = 533[Hz] を得る
ウ)次に点 B に観測点を移す。S が点 A を通過した時、B 点では S からの直
接波と壁からの反射波を合成したものを聞いた。この時聞くうなりの回数
を求めよ。また、この時 S の振幅を 1m とし、合成波の yt の式を求めよ。
この問題を解くと実際にうなりの元になる式は2つの振動数の成分を持って
いることがわかる。これは実験で測定してみればはっきりする。しかし、人
間には低い振動が強調される。脳は1つのものを意識すると他は見えない。
例えば左図のように立体を意識させる箱に人物を
V
320
= 600
= 686[Hz]
V −v
320 − 40
V
= 667[Hz]
反射は C 点で聞く音が音源になると考えられるから f反 = f
V −v
よってうなりは 686−667 = 19[Hz] となる。合成波はtの関数のみを考えているので
ウ)
直接 f直 = f
ω = 2πf だから直接 y直 = sin(2π686t)、反射 y反 = sin(2π667t) よって
y直 + y反 = 2sin(2π677t)cos(2π19t) = 2sin(1353πt)cos(38πt)
三角関数の和積の公式から SinA + SinB= 2Sin(A+B)/2Cos(A-B)/2 より
は手前に向かって下がっているように見えるだろ
2 sin (2r 686 + 667 t) cos (2r 686 - 667 ) t
2
2
= 2 sin (1353rt) cos (19rt)
う。しかし見方を変えると下の床は上がっている
うなりは2つの波の合成で生じる。波の式を合成し、定常
Sin は大きな振動数の2成
ようにも見える。
この両方を見ることはできない。
波ができたとすると上記のように2つの振動数が現れる。
分を持つことがわかる
いれてみる。多くの人はこの人物の乗っている床
下図のように合成の結果
は COS は 小 さ な 振 動 数、
低い方は 19/2Hz で高い方は 1353/2Hz である。うなりは
☆公式・Point
うなりは振動数ではなくて強度の振動(振幅の2乗)
波のエネルギーは(振動数の2乗)×(振幅の 2 乗)に比例する。
19 回で低い方の 2 倍になる。波の強度は振幅の 2 乗に比
2
例するので低い方の 2 倍の回数が脳には強く感じるので
1
ある。 倍角の公式を使うと
(1+ Cos2 θ )/ 2=Cos2 θだから 2 乗することで右図の
ように正の領域で 2 倍の振動をすることがわかる。
0.02 0.01
1
2
0.01
0.02
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音・弦波基礎
音・弦基礎
No-7
☆ P1 ドップラー効果 公式導出 2010 東京理科改
class
No.
Name
解答 No-7
P1 1) 音速は波源の速度に依存しない、観測者は静止しているので
図のように車 A に周期 T[s] の音を出す音源がつけられ、観測者 P が聞く。
時間はx /V だから時刻 t1=t+x/V[s]
音の速さは V[m/s] とする。
2)
1)
図 1 のように静止している観測者 P から遠ざかる向きに車 A が速度 W[m/s]
時間は (x+WT)/V よって時刻は t2=t+T+(x+WT)/V[s]
で動いている。時刻tで A と P が距離 x[m] の時、A が出した音が P に到着
T[s] 経過する間に波源は WT だけ P から遠ざかるのでこの間に音が伝わる
3) 観測者の観測する周期 T' = t2-t1 = T+WT/V=T(V+W)/V[s]
するのにかかる時刻t 1 を求めよ。
4) 観測者が遠ざかるので観測者から見た音速が V ー U になる。
2)1 周期後の時刻 t+T に A が出した音が P に到着する時刻t2を求めよ。
よって到着する時間は x/(V-U)。よって時刻は t3=t+x/(V-U)[s]
3) 1),2) の結果から観測者 P が観測する周期 T' を求めよ。
5)
次に図 2 のように静止している車 A から遠ざかる向きに速度 U で観測者が
間は (x+UT)/(V-U)。よって時刻は t4=t+T+(x+UT)/(V-U)[s]
動く場合を考える。
6)
観測者の観測する周期は T'=t4-t3=TV/(V-U)[s]
4)時刻tで A と P が距離 x[m] の時、A が出した音が P に到着するのにかか
7)
距離 AP =√ (x2+L2) なので音速に変化はないから時間は√ (x2+L2)/V
T[s] 経過する間に観測者は距離 UT だけ波源から遠ざかるので観測する時
よって時刻は t5=t+ √ (x2+L2)/V[s]
る時刻t3を求めよ。
8) この時、車 A が TW だけ移動するので図のように距離 AP= √ {(x-TW)2+L2}
5)1 周期後の時刻 t+T に A が出した音が P に到着する時刻t 4 を求めよ。
となるから時刻 t6=t+T+AP/V=t+T+ √ {(x-TW)2+L2}/V[s]
6) 4),5) の結果から観測者 P が観測する周期 T' を求めよ。
次に図 3 のように車 A が速度 W[m/s] で動いている。静止している観測者
に最も近づく時の AP 間の距離を L[m] とする。ある時刻tにおいて A は距離
L からx [m] の場所にいた。
9) 観測者の観測する周期は T'=t6-t5=T+{ √ {(x-TW)2+L2} -√ (x2+L2)}/V
T
= T+
= T+
7) 時刻tで A が出した音が P に到着するのにかかる時刻t 5 を求めよ。
8)1 周期後の時刻 t+T に A が出した音が P に到着する時刻t6を求めよ。
= T+
9) 7),8) の結果から観測者 P が観測する周期 T' を求めよ。
ただし、TW が x,L に比べ十分小さいとして近似してよい。
10) 次に図 4 のように速さ Vs 周期 Ts の超音波を P から発してちょうど図の
T+
√
L2 + (x − T W)2 − L2 + x2
V
1/2 1/2 1 2
L + x2 − 2xT W
− L 2 + x2
V



√
1/2

L2 + x2 
2xT W
h

− 1
 1 − 2
 
V
L + x2
√
xTW
L2 + x2 2xT W
=T+ √
2V
L 2 + x2
V L 2 + x2
 ,  
2
2
xの位置に車 A が来た時に A で反射した音を P が聞いた。この時のうなりの
10)図のようになす角θをとると Cos θ= x/ √ (L +x ) ①
回数 N を求めよ。
 
まず A に観測点 O をおくと音源の振動数f s = 1/Ts として P に向かう





A におき、P では fp = fAVs/(Vs-Wcos θ )=fs(Vs+Wcos θ )/Vs・Vs/(Vs-Wcos θ )

= (Vs+Wcos θ )/Ts(Vs-Wcos θ)
①より fp の方が fs より高くなるから



図1



図2

図3

速度は負の向きだからf A=fs(Vs+Wcos θ )/Vs 次にこの振動数を波源 S として




図4
√
V s L 2 + x2 + W x
fp =
√
T s (V s L2 + x2 − W x)
2Wx
N = | f p − fs | =
√
Ts (Vs L2 + x2 − Wx)
物理問題集
No-8
◎ P1.音基礎 音・弦基礎
音・弦基礎
class
No.
Name
解答 No-8
P1.ア)f ’ =f (V-vo)/(V-vs) イ)音波は縦波なので共に速くなる。
ア)音速を V、
音源の速さを vs、
観測者の速さを vo、音源の振動数をfとして、
観測される振動数f ’ の式を求めよ。
ウ)λ n =4L/(2n-1)
エ)λ n =2L/ n *閉管と同じ
オ)V= √ (T/ ρ ) T[N]
ρ= M/L[kg/m] カ)大きくなる
イ)音速は 1) 温度を上げる 2) 媒質の密度を大きくするとどうなるか。
キ)
λが決まっているので V が大きくなればfも大きくなる
ウ)長さ L の片開管にできる定常波の波長λnをモードnについて表せ。
ク)
太いとρが大きいので V が小さくなるよって低くなる。
エ)長さ L の弦にできる定常波の波長λnをモードnについて表せ。
オ)張力 T, 線密度ρの時、弦を伝わる波の速さを表せ。
P2 ア)管にはモードにして2の3倍振動ができている。
カ)弦を伝わる波は弦を引く張力を大きくすると速くなるか遅くなるか
よって波長は 3 等分して4倍すればいい。λ= 4L/3
キ)
弦を伝わる波の振動数は張力を大きくすると大きくなるか小さくなるか。
基本振動は片閉管の場合は図のような状態なのでλ=4L
ク 音の高さは弦の太さを大きくすると高くなるか低くなるか。
イ)アから片閉館ではλ= 4L/n
P2.片閉管 モード数と倍振動
ウ) 開いていいる方が腹、閉じている方が節になるので B ではくて A
図のように右側が閉、
左側が開いた長さ L の管がある。振動数fのスピーカー
エ)m=2 の時が A の位置で3倍振動、よってmの時は (2m-1) 倍振動なので
を近づけたところ横波になおした表示で図のような定常状態になった。
イの結果のnをこの (2m-1) に置き換えればよい。λ=4L/(2m-1)
ア)この管内の波長と基本振動がで
きている時の波長を求めよ。
オ)位置の変化が少ないのは節だから B,D
カ ) 疎は右上がり、密は右下がりだったから交互に入れ替わるのは節で BD
イ)n倍振動ができている時の
A B C D
波長を自然数nで表せ。
P3
次元表示では時間は T、距離は L、質量は M で表す。
ウ)管の長さを D を固定して C の位置から左に変化させていく。C ではじめ
すべて指数表示にする例えば速さ V は単位が m/s なので
に音が大きくなった。次に大きくなるのはどの位置か。
V[L、T -1] と表現する。
エ)はじめに音が共鳴(音が大きくなる位置)C を1、次に共鳴する位置を2
ほとんどの物理量は MLT がどうかかっているかで決まる。
とし、m番目に共鳴する位置での管の長さを L とする。この時の波長を L 単位はこの次元を具体的に示すものである。同じ次元でなければ足した
と自然数mで表せ。このmをモード数という。
り引いたりできない。またかけたり割ったりすると次元が変化する。
オ)図のような定常波ができている時、小さなスチロールの粉を入れるとどこ
つまり物理的に異なる量になるのである。
にたまるか。記号で答えよ。
カ)図のような定常波ができている時、縦波の疎と密が激しく入れ替わり圧力
変化が大きいところはどこか記号で答えよ。
P3.弦を伝わる波の速さ 線密度ρと張力 T の次元を求め弦の速さの式が
速さの次元になっていることを示しなさい。
☆公式・Point 管弦の波はほとんど定常波で考える。V= √ T/ ρ ρ:線密度
管の定常波は閉じていれば節、開いていれば腹 ( 開口端方正を無視する )
基本振動の何倍の波長になっているかを倍振動という。
t [kg/m] = [M 1 L- 1 T 0]
T [N] = [kg : m/s 2] = [ML1 T - 2]
V = T = [M 0 LT - 1] = [m/s]
t
よって
これは速さの次元である。
物理問題集
No-9
◎ P1 管の共鳴
音・弦基礎
図のようにある振動数の音叉を94cmの伸縮可能な管の前で鳴らしたら
音・弦基礎
class
No.
Name
解答 No-9
P1. ア)94cm がモード1とは限らない。そこで次の 158 までが半波長だから
λ /2=158 - 94 = 64 よってλ= 128 cmである。
共鳴した。次に長さを158cmに伸ばしたら次の共鳴点ができた。
さらに 94 から半波長引くと 30 cmであり、もう半波長分引けないので 音速は 345.6[m/s] として次に答えよ。
30cm の位置が mode1 であるとわかる。よって d+30= λ / 4となるから
ア)この管の開口端補正(片側)の長さを
求めよ。
また、94cm の共鳴点は何倍振動か。
d=2cm
94cmは mode 2であるから3倍振動
イ)λ= 1.28 mであるからf= 345.6/1.28=270Hz
158cm の次は半波長を 64cm 足して 222cm
イ) 音叉の振動数を求めよ。
また 158 cmの次に管の音が大きくなるのは長さがいくつの時か。
ウ)94cmにしたの管の左からマイクを入れていく、マイクはオシロスコー
ウ)音が大きくなるのは節
最初の節だから 30 cmのところ -2
kg/m
d
30
32
32
基本振動ができているのでλは2m
プに連結されている。オシロスコープの波形の振幅に最初にピークが現われ
P2. ア ) ρ= M/L = 1/5 × 10
るのは左端から何cmのところか。
また音叉が縦なので弦の振動数は 105Hz だからv=fλからv= 210 m/s
◎ P2.弦の共振
イ)おもりの質量をmとすると張力 T= mg
ρ= M/L = 2 × 10 - 3 = 1/5 × 10 -2としておく(√をはずすため)
図のように5mで 10 gのロープを使い1mの弦をはり、片側におもりをつ
るした。この弦に 210Hz の音叉を縦にして振動を与えるとはじめ弦には腹が
v= 210= √ T/ ρ= 10 √ (9.8m ×5) 9.8 = 0.2 ×72 だから
1つ(基本振動)の波ができた。
210 = 10 ×7√m よって m= 9kg
1m
ア) この波の波長を求めよ。
またこの弦を伝わる波の速さを求めよ。
ウ)モードをnとするとλ=2L/ n m= 18kg、音叉は横になったので
fは 210Hz v=fλ、λ=2×1/ n V= fλから
イ) おもりの質量を求めよ。
10 √ (18 × 9.8 ×5) = 210 ×2/ n 10 ×3×7√2= 420/ n
n≒1.4だから定常波はできず、基本振動と 2 倍振動をいったりきたりする
不安定な状態になる。
ウ)音叉を横にして同じおもりをもう一つつけ 2 個にした。どういう振動が
おこるか。
エ)おもりをx個とすると張力は9xg[N]、n倍振動が起きたとしてv=fλ
エ)音叉を横にして基本振動をつくりたい。おもりの数はできるかぎり少なく
より
するとして同じおもりを全部でいくつつるせばよいか。
10 √ (9x × 9.8) × 5 = 210・2/ n nついて解くと
n=2/ √ x 基本振動であれば n=1 だから x=4 4個
☆公式・Point V= √ T/ ρ ρ:線密度 T: 張力(重さ)
節は疎密が入れかわり、圧力変化が大きく、音も大きい。
モード数が整数でない場合は前後の整数の状態を交互に繰り返す。
物理問題集
音・弦基礎
No-10
◎ P1.弦の振動 音・弦基礎
class
No.
Name
ア)基本振動は図のように半波長だからλ=4mであ
解答 No-10
2m
図のように4mで 100 gのロープを使い2mの弦をはり、片側におもりを
る V= fλより V= 400[m/s]
つるした。この弦に 100Hz の振動を与えるとはじめ弦には腹が1つ(基本振動)
の波ができた。
2m
イ)から V= 400 これを弦を伝わる速さの公
ア) この波の波長を求めよ。またこの弦を伝わ
る波の速さを求めよ。
イ) おもりの質量を求めよ。
式に入れて
V=
T
t
400 =
mg
400 =
t
ρ=m/Lから0.
1/4=1/40
m=4.
1×102kg
9.8m # 40
1
4 2 # 10 4 = 40 # 9.8m
m = 4.1 # 10 2
ウ)腹が2つの波(2 倍振動)を作るためにはおもりの質量をどれだけにした
ウ)2 倍振動は波長が半分になる。振動数は変わらないから速さも半分になる。
らよいか。
この時、弦の速さの公式から
◎ P2 音叉の振動
図のようにある振動数の音叉を30cmの伸縮可能な開管の前で鳴らしたら
V=
mg
t
つまり速さの 2 乗にmは比例していることがわかる。よって
質量は1/4になればよい。
∴m=1.
0×102kg
ちょうど基本振動ができた。 次に長さが62cmに伸ばしたら 2 倍振動が
できた。音速は340[m/s] として次に答えよ。
ア) この管の開口端補正(片側)の
P2. ア)図は基本振動
開口端補正をdとすると両側で2dだけ管の
長さを求めよ。
両端に開口端補正dがある
長さに足せば基本振動の場合はちょうど半波
長、2 倍振動の場合はちょうど1波長になる。
イ) 音叉の振動数を求めよ。また次の共鳴点はどこか、またの点は何倍振動か。
よって 30+2d= λ /2,62+2d= λから
ウ)62cmの開管の左からマイクを入れていく、マイクはオシロスコープに
λ= 64cm、d=1cm となる。
連結されている。オシロスコープの波形の振幅がもっとも大きくなるのは左
端から何cmのところか。
イ)先の結果からλ= 0.64 m V= fλからf=5.
3×102Hz
次は3倍振動ができて62+(62-30)= 94cm
ウ)
圧力変化が最も大きいところがマイクでは最も電圧が高く出る。したがって節
の位置がオシロスコープではもっとも振幅が大きくなる。、λ/4=16cm
の位置が節だが、開口端補正1cm分を考慮し最初は15cm、
次はλ/ 2 =32cmだからこれを加えて、47cmの2ヶ所。
☆公式・Point
開管側には開口端補正がある。開口からdだけ離れたところに腹を置く。
物理問題集
No-11
P0 公式 POINT 菅
音・弦波基礎
音・弦基礎
class
No.
Name
解答 No-11
P0 片閉管 λn=4L/ 奇数 閉管、開管ともに λn=4L/ 偶数
・片開菅、閉管の共鳴
モード間は半波長
・モード2の場合の片閉管、開菅の定常波をかけ、何倍振動か答えよ。
モード2
λ 2 =4L/3
λ2=L
○◎ P1 管の共鳴 縦波 定常波
図のようにある振動数のfの音叉を鳴らし、ピストンを菅口の近くからゆっ
くり右に引いていく。ピストンが L1 と L2 にあるとき共鳴し、この位置を A,B
3 倍振動
とすると他に共鳴点は見つからなかった。ピストンが位置 B にあるとき、A と
2倍振動
B の中点 C での空気の媒質の振動が図のようになった。y 軸は上、x 軸は右を
正として次に答えよ。
O
A C B
P1.ア)y-tグラフから振動数 f=1/T=1/4t1
y
L1
L2
2t1
t1
イ)開口端補正あるなしに無関係でλ /2 = L2-L1 だから
4t1
3t1
V=f λ= 2f(L2-L1)
t
ウ) y
定常波なので進行しない。t1 は C は腹なので
激しく振動している。2t1 は振幅0答えは(赤線)
x
ア)音叉の振動数fを t1 で表せ。以後このfを用いてよい。
イ)音速をfと L1、L2 で表せ。
ウ)ウ)t=t1( 点線 ) と t=2t1( 実線 ) での媒質の様子を横波で表せ。
ただし、O を原点に右に x 軸の正の向きをとり、y-xグラフで表せ。
O
A C B
エ)
ともに媒質は動かないが、疎密の変化の激しい
節の位置だから A と B である。
オ)位置 A は節なので疎密が激しく入れ替わる。y-x グラフがx軸を正から負
エ)ピストンが B の位置にあるとき、コンデンサマイクの音量が大きくなる
に横切れば(上図の青点線)A 点での密度が大きく、圧力が最大になる。
位置、また、小さなスチロールがたまりやすい位置はそれぞれどこか。
このとき、図から C の媒質の変位は負に最大。よって 3t1 の時。
オ)ピストンが B の位置にあるとき、位置 A の空気の圧力が最も大きくなる
カ)最初の共鳴点では L1 +d=λ /4 ①、次では L2+d =3λ /4 ②だから
時刻を t1 を用いて表せ。
①×3-②から3L1-L2=-2d よってd=(L2- 3L1)/ 2
カ)開口端補正dを求めよ。
(L1,L2, λで表せ)
キ)V=f λだからfが一定なのでΔ V= fΔλとなる。
キ)開口端補正が温度で変化しないとして管内の温度が 5.0 だけ変化したとき、
開口端補正をdとして はじめの共鳴点では温度変化後は
L1’ = L1+ Δ L1、L2'=L2+ Δ L2 に変化した。
L1 +Δ L1 +d=(λ+Δλ)/ 4 音速 V=331.5 + 0.6t (t℃)
また変化前は、L1 +d=λ /4 だからΔ L1 =Δλ / 4 ①
である。Δ L2/ Δ L1 を求めよ。
同様に次の共鳴点では変化後は
L2 +Δ L2 +d=3(λ+Δλ)/ 4 変化前は L2+d =3λ /4 よってΔ L2 =3Δλ / 4 ②
①、②より Δ L2/ Δ L1= 3
物理問題集
音・弦基礎
音・弦基礎
No-12
◎☆ P1 弦の振動 2014 東工大
class
No.
Name
解答 No-12
P1 この大学も必ず長い解説付の問題が出題される。大学で詳しく扱う内容を
図1のように,長さ L の弦を,左右の端を回定して,一定の張力 S でたむ
高校生に解けるように文章が作られているのでよく読み、指示に従えば必ず解
るむことなく張る。この弦を振動させると,定常波が生じて音を発する。弦を
ける。ただ、中身の全体像をよく理解し、何をさせたいのか出題者の意図を汲
伝わる波の速さをvとするとvは弦の張力 S の平方根√ S に比例することが知
むことが大切であう。
られている。弦の近くに,音の撮動数を連続的に変化させることのできる音源
弦を伝わる波は非常に高速なのですぐに定常波になる。
を置き,音を出す実験を行う。
波の速さは V= √ (T/ ρ ) で決まる。
弦では両端が必ず節で、半波長を基準にモードを考える。
a) 基本振動ができているのでλ=2L だから v=f0 ×2L f0=v/2L
b) モード2、2 倍振動ができているのでλ= L v=f1 × L
f1=v/L
2 倍振動 図のような定常波ができるので端点と中点が節、端点を除
a)
同音源の出す音の振動数 f を 0 から連続的に大きくしたところ,ある振動
数 f0 ではじめて音源からの音と弦が共鳴し,音源と同じ按動数の定常波が弦
くので、L/2 の位置が節 L/4, 3L/ 4の位置が腹
c) 基本振動ができているのでλ=2L だから v=2fL=k √ S とおく。k は定数
に生じた。f0 を v と L を用いて表せ。
f=k √ S/(2L) ① 張力が S0 の時はこれより、振動数が 2 小さく S1 の時は
b)
1大きいわけだから f-2=k √ S0(2L) f+1=k √ S1(2L) この両式は
a) に引き続き,音源の出す音の振動数 f をんから連続的に大きくしたとこ
音源と同じ振動数の定常波が弦に生じた。
ろ,
今度は振動数 f1 で弦が共鳴し,
①より k √ S-4L=k √ S0 ② k √ S+2L=k √ S1 ③
f1 を v と L を用いて表せ。また,定常波の腹と部の弦の端からの距離を,
√ S +2√ S =√ S₀ + 2 √ S₁ 弦 の両端を除いて全て答えよ。
よって両辺を 2 乗し、S>0 から c) 弦に最も波長の長い定常波を生じさせて音を出し,同時に音源から一定の
振動数の音を出す実験を,様々な張力で行った。弦の張力が S0 の時,弦の
出す音は音源からの音よりも低く,うなりが単位時間あたり 2 回生じた。
次に,張力を S0 より大きな S1 としたところ,弦の出す音は昔源からの音よ
りも高く,うなりは単位時間あたり 1 回生じた。弦と音源の振動数が一致
するときの弦の張力 S を,S0 と S1 のみを用いて表せ。
☆公式・Point
S =
② /k +③× 2/k より
√
√ 2
S0 + 2 S1 9
物理問題集
音・弦基礎
音・弦基礎
No-13
◎☆ P1 前問の続き 波の式 2014 東工大
class
No.
Name
解答 No-13
P1 定常波はきれいに成立していれば時間部分と空間部分が sin()、cos() に
前問では両端を盟定された弦に生じる定常波を考えた。ここでは十分に長い
分離し、波長は変化せず、振幅が時間変化する波ができる。
弦を伝わる進行波と定営波の関係について考えよう。静止しているときの弦の
方向に沿って x 軸 x 軸と直交する方向に y 軸をとり,図 2 のように,それぞ
ア・イ)和・積の公式から A=2 πf (t+x/v) B=2 π f(t-x/v) とおくと
れ右向きと上向きを正の向きとする。時刻 t,水平位置 x における y 方向の変
sinA-sinB=2Cos((A+B)/2)Sin((A-B)/2) だから
位が y1 = A sin {2 π f (t+x/v)} … ①
ア)2 π f x / v イ)2 πft
で表される波は x 軸を左向きに進行し,y 方向の変位が
ウ)λ= v/f で図から原点が節なので腹の位置はkを整数として
y2 = -A sin {2 π f(t-x/v)} … ②
x= 0+λ /4 +kλ /2=v/(4f)+kv/(2f)= v
2f
で表される波は x 軸を右向きに進行する ( 図 2)。ここで A は波の振幅,f は振
動数 v は波の速さで,いずれも正である。
問 1)以下の空欄に入る適切な数式を答えよ。解答欄には答のみを書くこと。
弦に式①と式②で表される波が同時に存在する場合,それらを重ね合わせた
)cos ( イ
)… ③
で表される定常波が観察され、x=0 が節となることがわかる。ここで,公式 sin( α +β )-sin ( α - β ) =2 cos α sin βを用いた。各水平位置におけ
る定常波の y 方向の運動は,張動数 f の単振動である。定常波の振幅が最大値
2A をとる腹の位置は,mを整数として x=(
ウ
) で与えられる。
また,x=0 に加えて x=L も節となる状況では,弦の振動数 f と区間の長さ L の
間には n を自然数としてf= (
エ
) という関係が成りたつ。
このとき,0 ≦x≦ L の区間に注目すれば,式③は前問で考えた両端を固定し
た弦に生じる定常波に対応する。
☆公式・Point
k+
1
2
エ)0 ~ L の間に半波長が整数倍あることになるから
L= mλ /2 =mv /(2f) y = y1+y2=2Asin( ア
物理問題集
No-14
◎☆ P1 前問の続き
音・弦波基礎
音・弦基礎
弦の振動 波の式の導出 2014 東工大
次に弦を伝わる波の速さ V は,弦の張力 S の平方根√ S に比例する。これを
弦の簡単なモデルを用いて考えよう。国 3 のように弦を,N+1 個の質量mの質点が、
質量を無規できるひもでつながった系と考える。弦の両端間の水平距離を L として,静
止しているときの弦の方向に沿って x 軸をとり,右向きを正の向きとして,弦の左端を
x=0,右端を x=L とする。左端の質点の番号を 0,右端の質点の番号を N として,質点
class
No.
Name
解答 No-14
P1 前問から ア)2 π f x / v= 2 πf nb/v イ)2 πft ウ)単振動の式は a=- ω ² xだったから、
この場合の変位x=y n に置き換え、
an=-( 2πf)² × yn
エ , オ)問2の最後の式からエは S/b とし、ウ)から
Fn = Syn-Syn-1 = S/b[yn+1-2yn+yn-1] ☆
=2AS/b[ sin( 2 π f(n+1)b/v)cos ( 2 π ft)
に順に番号 N=0,1,2,3..,N を与え n 番目の質点の水平位置を xn,垂直変位を yn とする。
両端の質点の水平位置と垂直変位は,それぞれれ x0=0,y0=0,xn=L,yn=0 に固定する。隣
-2sin( 2 π fnb/v)cos ( 2 π ft)+sin( 2 π f(n-1)b/v)cos ( 2 π ft)]
合う質点間の垂直変位の |yn+1-yn| は,質点間の水平距離 |xn+1-xn| に比べて十分に小さく,
=S/b2Acos ( 2 π ft){sin( 2 π f(n+1)b/v)+sin( 2 π f(n-1)b/v)-2sin( 2 π fnb/v)}
ひもの長さが変化しでも張力 S は常に一定とする。重力や空気抵抗は無視する。
=S/b4Acos ( 2 π ft){sin( 2 π fnb/v)cos( 2 π fb/v)-sin( 2 π fnb/v)}
=S/b2Acos ( 2 π ft)sin( 2 π fnb/v)2{cos( 2 π fb/v)-1} 緑の部分は yn
=S/b × 2{cos( 2 π fb/v)-1} × yn
カ)問題文の⑤、⑥式から オの結果を利用し、
man=-m( 2πf)² × yn = S/b × 2{cos( 2 π fb/v)-1} × yn
よって
図4
m( 2πf)² ≒ S/b × 4sin2( {2 π fb/v}/2)
≒ 4S/b{ π fb/v}²
m= Sb/v² v> 0よりv≒√ (Sb/m)
* m/b は単位長さあたりの質量で線密度ρのことである。
これから弦を伝わる波の速さの式 V= √ (T/ ρ ) が導けたことになる。
☆の式は Fn = ma = S/b[yn+1-2yn+yn-1] からρ =m/b として
・・
a=S/(b² ρ )[yn+1-2yn+yn-1] とおける。 a=y とし、b はx方向の微小変化 b= Δ x
問2) 以下の空欄に入る適切な数式を答えよ。解答欄には答のみを書くこと。
なお [1] ~ [3] の解答は S,v,b,f,n のうち必要な記号を用いて表せ。
まず,質点がひもから受ける力を求めよう。図4のように n 番目の質点 (n=1,..n=N-1)
の右側のひもに注目し,水平方向とひものなす角をθとすると、xn,xn+1,yn,yn+1 を用いて
tan=[ 1 ] と表すことができる。仮定より角度θは微小なので cos θ≒ 1 ,
sin θ≒ tan θ= [ 1 ] と表すことができる。この近似では,質点が右側のひもから受け
る力の水平成分 Sx は Sx ≒ S となる。同様に,左側のひもから受ける力の水平成分も
としよう。また、yn+1-2yn+yn-1=yn+1-yn-(yn-yn-1) のように変化量の差であるから
yn+1-yn= Δ yn 、yn-yn-1= Δ yn-1、Δ yn/ Δ x = y’, Δ y’/ Δ x= y ’’ として
ÿ =
S 1 ∆yn − ∆yn−1 S ∆y S =
= y となる。左辺はyの時間の2階微分
ρ ∆x
∆x
ρ ∆x
ρ
左辺は S/ ρ= V² にyの位置の2階微分とみなすことができる。すなわち
ÿ = v2 y …★さてこの式を満たすyをみつけてほしい。代入してみれば
動くと考えることができる。そこで,質点間の水平距離を一定値 b=L/N として、n 番
t
x
−
+
θ
y
=
A
sin
2π
きっと見つかるだろう、yこそは波の式
である。
T λ
自の質点の水平位置を xn=nb とすると n 番目の質点が右のひもから受ける力の垂直成
この★の微分で結ばれた式を波動方程式といい、
その一般解が波の式になる。
-S と近似できるので、質点に働く合力の水平成分はつりあい,質点は垂直方向にのみ
分 Sy は、S,b,yn,yn+1 を用いて Sy ≒ [ 2 ] となり、左右のひもから質点が受ける合力の垂
直成分は,Fn=[ 3 ] × [yn+1-2yn+yn-1] と表すことができる。
物理問題集
No-15
◎ P1 前問の続き
音・弦波基礎
音・弦基礎
弦の振動 波の式の導出 2014 東工大
問3) 次の空白を埋めなさい。前問と答えが重複してもかまわない。
ウ)単振動の式は a=- ω ² xだったから、
この場合の変位x=y n に置き換え、
弦を依わる波の速さを v とし,
弦の振動は振動数fの定常波であるとすると、
an=-( 2πf)² × yn
ると n 番目の質点の垂直変位は,前問の式③の x を x=nb とおくことにより、
class
No.
Name
解答 No-15
P1 前問から ア)2 π f x / v= 2 πf nb/v イ)2 πft yn = 2Asin( ア
)cos ( イ
)… ④
エ , オ)問2の最後の式からエは S/b とし、ウ)から
Fn = Syn-Syn-1 = S/b[yn+1-2yn+yn-1] ☆
と書くことができる。これは単振動を表すので n 番目の質点の加速度は
=2AS/b[ sin( 2 π f(n+1)b/v)cos ( 2 π ft)
an=-( ウ )× yn・・・⑤
-2sin( 2 π fnb/v)cos ( 2 π ft)+sin( 2 π f(n-1)b/v)cos ( 2 π ft)]
となる。n-1 番目と n+1 番目の質点の垂直変位 yn-1,yn+1 も式④と同様に表し,
=S/b2Acos ( 2 π ft){sin( 2 π f(n+1)b/v)+sin( 2 π f(n-1)b/v)-2sin( 2 π fnb/v)}
公式 sin( α + β )+sin( α - β ) = 2 sin α cos βを使うと、力 Fn は
=S/b4Acos ( 2 π ft){sin( 2 π fnb/v)cos( 2 π fb/v)-sin( 2 π fnb/v)}
Fn ≒ ( エ )×2{cos( オ )-1} × yn…⑥
となる。
式⑤,式⑥を n 番目の質点に関する運動方程式 man=Fn に代入し,
2
公式 cos α =1-2sin ( α /2) を用いると,
=S/b2Acos ( 2 π ft)sin( 2 π fnb/v)2{cos( 2 π fb/v)-1} 緑の部分は yn
=S/b × 2{cos( 2 π fb/v)-1} × yn
カ)問題文の⑤、⑥式から オの結果を利用し、
man=-m( 2πf)² × yn = S/b × 2{cos( 2 π fb/v)-1} × yn
2
m × ( ウ ) ≒ ( エ ) × 4sin ( オ /2) …⑦
よって
m( 2πf)² ≒ S/b × 4sin2( {2 π fb/v}/2)
≒ 4S/b{ π fb/v}²
が得られる。さらに、定常波の波長が質点間の距離よりも十分に長い場合を考
える。このとき、(
m= Sb/v² v> 0よりv≒√ (Sb/m)
オ ) で、表される量は小さいので | α | が小さい時の近
似式 sin α≒αを式⑦に用いると,弦を伝わる波の速さは S,b,m を用いて
* m/b は単位長さあたりの質量で線密度ρのことである。
これから弦を伝わる波の速さの式 V= √ (T/ ρ ) が導けたことになる。
v≒(
カ )
と近似され,波の速さ v は張力 S の平方根√ s に比例することがわかる。
☆の式は Fn = ma = S/b[yn+1-2yn+yn-1] からρ =m/b として
・・
a=S/(b² ρ )[yn+1-2yn+yn-1] とおける。 a=y とし、b はx方向の微小変化 b= Δ x
としよう。また、yn+1-2yn+yn-1=yn+1-yn-(yn-yn-1) のように変化量の差であるから
yn+1-yn= Δ yn 、yn-yn-1= Δ yn-1、Δ yn/ Δ x = y’, Δ y’/ Δ x= y ’’ として
ÿ =
S 1 ∆yn − ∆yn−1 S ∆y S =
= y となる。左辺はyの時間の2階微分
ρ ∆x
∆x
ρ ∆x
ρ
左辺は S/ ρ= V² にyの位置の2階微分とみなすことができる。すなわち
ÿ = v2 y …★さてこの式を満たすyをみつけてほしい。代入してみれば
t
x
−
+
θ
y
=
A
sin
2π
きっと見つかるだろう、yこそは波の式
である。
T λ
この★の微分で結ばれた式を波動方程式といい、
その一般解が波の式になる。