ピトー管 2015 年 7 月 22 日 ピトー管は飛行機の速度を測ったりするために使われる簡単な流速計であり,図 1 のような仕組みをしてい る.ピトー管は流れに対し正面を向いた動圧管と,流れに対し直角方向を向いた静圧管からなる.いずれの管 内も液体で満たされており,管の鉛直部分の液面の高さが入り口での圧力に応じて変化する.図中の細い線は 流線を表しており,その中で動圧管の入り口 (1) を通り,静圧管の入り口 (2) を通る流線(赤い線)に注目す る.この流線に沿ってベルヌーイの定理を適用すると次式が得られる. ρ 2 ρ v + p1 = v22 + p2 (1) 2 1 2 ここで ρ は管内の液体の密度,v は流速,p は圧力,添字 1 および 2 はそれぞれ動圧管および静圧管の入り口 における値を意味している.動圧管の入り口はよどみ点となっており,流速は 0 となっている.すなわち次式 が成り立つ. v1 = 0 (2) また,ほぼ次式が成り立つ. p1 = ρgh1 , p2 = ρgh2 (3) 式 (2) および (3) を (1) に代入すると次式が得られる. v2 = √ √ 2g(h1 − h2 ) = 2gH (4) ここで v2 がピトー管から十分離れたところの流速にほぼ等しいとすると,上式が求める流速である. H h1 h2 静圧管 p2 v2 動圧管 p1 v1 図1 ピトー管の仕組み 1
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