開業または就業のきっかけ、理由 人が喜んでる顔を見るのが好きな子供だったと母がよく言ってました。時にはふざけて笑 わせたりしていたようです。 家族、親せき、友達にと素人の知識ながらに作った料理にみんな「美味しい!」と笑顔で した。 その頃にはすでに料理の道で生きていくと決めていました。 20歳の時に僕は、スナックで働き始めました。スナックでは、調理ではなくホールマネ ージャーとして十数年働くことになるのです。しかし、料理を作ることが好きだった僕は、 たまに調理した料理をお客様に提供させてもらっていました。しかし、やはり小さい頃に 思い描いていた料理人になる夢を忘れていませんでした。 その後、33歳になった僕は、生活の中で一区切りに考えていた末っ子の小学校就学を機 に本格的に料理への道へ進む決意をしたのです。決めていたのはラーメン屋でした。なぜ、 ラーメン屋だったのかと申しますと、その頃の僕は、とにかくラーメンが好きで1日3食 ラーメンでも飽きないというほどラーメン好きでした。気に入ったラーメンがあると、自 分なりに研究し、作ってみたりするほどでした。 そんな僕が食べ歩いた数あるラーメン屋の中でも、際立っていたお店があったのです。そ のお店は、ただラーメンが美味しいというだけではありませんでした。僕は、カウンター 越しにお客さんと和気あいあいに話す店主の人柄に惚れ込み、気がついた時には「働かせ てください」と頼んでいました。 それから、僕はそのお店の面接を受け、翌日からアルバイトとして働かせてもらえるよう になりました。 忙しそうに手を動かしながらそれでもお客様への配慮を忘れない店主と、気が利くパート さんに勉強させていただきました。 やがて、スープ作りを教えていただけるようになり、お客さまの落ち着いた時間での調理 も任せてもらえるようになりました。 しばらくして、ある日、店主の佐藤氏から思いもよらない話が私にあったのです。 それは、「店を継がないか」という話でした。 突然の考えてもいなかったお話に悩みに悩んだ末、お店を継ぐことを決意しました。 そして、まだ5か月と時間はあまり経ってはいませんが、「二代目 ラーメン康家」として の人生が始まったのです。 お店をやっていて、苦労したことは何ですか? 私が苦労したことは時間が足りないことですね。今まで二人でやっていたことを一人でや りくりすることになったので、いつの間にか今日が終わるという日が有ります。もっと上 手な時間の使い方を見つけていかなければ成長が見込めないです。 お店をやっていて、良かった、嬉しかったと思えた出来事 やはりお客様の「美味しい」の言葉やお手紙を頂いたときはすごく嬉しいです。また、 お客様が笑顔でお店を出て行かれる様子をみると本当に力になります。さらに、お客様か ら「佐藤さんに似てきたね」と言われることも嬉しいです。 どういうことかと申しますと、先代の佐藤氏は、観察力に優れた人でお客様を見ている と、何を欲しているのか、何を求めているのかが分かるようになったのです。そんな佐藤 氏のように僕も、お客様の欲するものが分かるようになってきたのです。そのことがとて も嬉しいです。 店舗の看板メニューはなんですか? 「ラーメン康家」の看板メニューは『煮干しラーメン チャーシュー増し』です。 7、看板メニューの美味しさの秘密はなんですか? (素材や調理方法、提供方法など) 当店では一杯のラーメンの中の『スープ』『麺』『具材』すべてのバランスにこだわってい ます。 スープは煮干しのイノシン酸、昆布のグルタミン酸、干し椎茸のグアニル酸と 3 つの旨味 成分を独自の配合で併せダシを存分に引き出します スープの味を少し濃い目に仕上げることで、麺の持つ小麦本来の甘みを楽しむことができ ます。 そこにチャーシューをトッピングしますと、甘い脂が溶け出し、まさに調味料となりスー プに深いコクと旨味が加わり更なる味の奥行きを楽しんで頂けます。 その他メンマ、ニンニクとショウガがほのかに香る半熟卵、小口切りをさらに半分にする ことで豊かな風味を演出する長ネギ。 これらを『お客様の笑顔で食べている姿』を思い浮かべながら調理し、盛り付けて提供し ています。 素材の仕入れでのこだわりは何ですか? 「ラーメン康家」のスープは鰯の煮干しがベースになります。その煮干しの中でも加工技 術が日本一と言われる鳥取県境港産の煮干しを中心に仕入れています。 鳥取県境港市の煮干し加工は、他県の業者が技術を学びに訪れるほどです。 漁であがったイワシをすべて加工するのではなく、鰯の状態によっては煮干し加工を行わ ないほどです。 例えば、脂がのっているイワシを煮干しにすると、ダシに臭みと脂がまわってしまい、ダ シそのものを台無しにしてしまいます。ですから、品質の一定した煮干しが流通されるの ですが、一方では時期によって品薄になる場合があり、全国での奪い合いになることもあ ります。 そして、麺は創業50年「加福製麺所」が康家のためだけに作る特製麺を仕入れています。 この麺があってこそ康家のラーメンが完成します。その日の気温や湿度を徹底的に把握し 計算と研ぎ澄まされた技術で作るツルツルシコシコの麺無くして康家のラーメンは完成し ません。 調理の際のこだわりは何ですか? 当店は、スープの仕込みでは温度管理を徹底しています。少しの加減で素材から出汁が 出切らなかったり、逆にエグミが出てしまったりと、とてもデリケートな作業です。 煮干しの状態により沸騰させないように出汁をとったり、わざと火加減を強くしたりなど、 寸胴鍋からの香りや煮込まれている材料の浮き具合など微妙な違いなどの変化を察知でき るように調理中はアンテナを張り巡らせています。 また、チャーシューは国産豚バラ肉を特製の醤油ダレで長時間煮込みます。柔らかいので すが赤みの旨味を充分に感じてもらえるよう気を付けています。 自家製メンマも歯ごたえを大事に主張しすぎない味付けで仕上げています。 これから先の抱負 自分が二代目となり動揺を隠せないお客様もいると思います。先ずは先代に習った基礎を 繰り返し「ラーメン康家」を築き上げる為にしてきた事を理解、踏襲しお客様に安心を持 ってもらうことです。 その上で以前の職場で培った接客技術などを織り交ぜた安心と安全を基礎とした笑顔の溢 れる店づくりをしていきたいです。 また、青森県は日本一の短命県と言われています。原因は様々ですがその一つとして塩分 過多が挙げられています。 ラーメンも決して塩分の低い食べ物ではありません。「食べたいけど…」と遠慮してしまう 方々が「うん!このラーメンなら!」と言って喜んで食べてもらえるような商品づくりを していきたいです。
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