平成23年12月号 食用油とコレステロール

あんず通信
平成23年12月号
高脂血症や動脈硬化を引き起こす油は、私たちの食生活では悪者とされてきています。
もちろん、食の欧米化による摂り過ぎに注意することが大切です。そして、
「良い油を摂り、
悪い油を避ける」という、油の種類を選ぶことも重要なポイントになってきます。
そこで、油の種類によって悪玉コレステロール(LDL)や善玉コレステロール(HDL)にど
のような変化があるのか着目し分類した表を示したいと思います。
主な材料
脂肪酸の種類
性質
バター、牛脂、豚脂、
飽和脂肪酸
LDL と HDL
チョコレート、全乳
両方上昇
ココナッツ油
オリーブオイル、
一価不飽和脂肪酸
キャノーラ油(菜種油)
ほとんどのナッツ類、アボガド
良い油
n-6 多価不飽和脂肪酸
ごま油、コーン油、大豆油
紅花油
LDL 減少
HDL 上昇
LDL と HDL
両方減少
n-3 多価不飽和脂肪酸
魚類油、しそ油、アマニ油
良い油
マーガリン、ショートニング、
トランス脂肪酸
LDL 減少
HDL 上昇
LDL 上昇
HDL 減少
ファーストフード、
ほとんどの市販のチップスや
クッキーなど
*LDL→悪玉コレステロール
*HDL→善玉コレステロール
>臨床栄養別冊メタボリックシンドロームを防ぐ「グッドダイエット」(医師薬出版(株))参照
ただし、いくら体に良い油を選んだとしても、肥満があるとその効果は半減してしまうの
で、摂取する量にも注意が必要です。
また、一般家庭でも常用されるようになってきた、良い油に分類されるオリーブオイルは
植物油の中で最も消化吸収が良く、抗酸化成分も多く含んでいるため体内でも酸化抑制効
果を発揮し、活性酸素の働きも抑えてくれるのでお勧めです。