(血管を若々しくするために)(PDFファイル 74.3KB)

FM かつしか
健康こばなし
動脈硬化の予防(血管を若々しくするために)
27.2.10 放送分(27.1.30 収録)
本日は、動脈硬化の予防、血管を若々しくするために、について、葛飾区保健所新小岩
保健センターの高荷がお話します。
動脈硬化とは、動脈が硬くなったり狭くなったりして血液の流れが悪くなっている状態
で、心臓や脳などの重大な病気を引き起こします
動脈硬化が起こっていても、症状を感じることはほとんどありません。動脈硬化は加
齢とともに進行するため、一種の老化現象ともいえます。動脈硬化は、急にあらわれ
るわけではなく、若いころから始まり、40 歳を過ぎる頃に症状があらわれてくることが
多いのです。動脈硬化が起こっていても、症状を感じることはほとんどありません。し
かし、動脈硬化をほうっておくと心臓病や脳卒中など、命にかかわるような病気が引き
起こされる危険性があります。
平成 25 年の日本人の死因は、1 位が悪性新生物、2 位は心疾患、3 位が肺炎、4 位が脳
血管疾患となっています。葛飾区の統計も全国の傾向と同じで、動脈硬化が主な原因と
なる心疾患や脳血管疾患によって、がんと同じくらい多くの方が亡くなっているのです。
動脈硬化を進めないためには、動脈硬化に関連が深い要因である脂質異常症、高血圧、
糖尿病などの生活習慣病の予防や禁煙などを行なっていくことがとても大切です。
高血圧は、血管壁に強い圧力が加わり血管を傷つけて、傷ついた部位にコレステロールが貯
まることで動脈硬化の原因になります。糖尿病は、血液中の糖分が多い状態が続くと血管壁
が傷つきやすくなるために動脈硬化になりやすいのです。そして脂質異常症は、血管中のコ
レステロールが高くなりすぎると血管壁にコレステロールが貯まり、動脈硬化の原因になりま
す。
では、動脈硬化の予防についてお話します。
まずは、食事です。
動脈硬化の予防には食事・食生活の改善は欠かせません。
カロリーオーバーに気をつけて、主食・主菜・副菜をそろえた栄養のバランスを考えた
食事を取りましょう。特に気をつけたいのが脂身の多い肉など動物性脂肪の食べ過
ぎに注意する。ということです。動物性脂肪の摂り過ぎは、LDL コレステロールを増や
します。LDL コレステロールが増えすぎると血管を詰まらせたり、破れたりする原因に
なります。脂質を摂るなら余分なコレステロールを回収する役割のある HDL コレステ
ロールを増やす食品の植物性脂肪、青魚類に含まれる油を摂取しましょう。そのほか
にコレステロールを下げる食品として、大豆製品や青背の魚、野菜、海藻・きのこ類
が挙げられますので積極的に取りましょう。
また、塩分の取りすぎると血圧を上昇させてしまうので 1 日塩分量は男性 10g 未満、
女性 8g 未満と言われていますが、出汁や酸味、ゆずやしそなどの香りなどを利用し
て薄味になれるようにしましょう。
次に運動です。
運動の中でも、ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動を行いましょう。
有酸素運動をすると、内臓脂肪の指標である中性脂肪・LDL コレステロールが減る効
果があります。1日 10 分程度の運動でも動脈硬化を防ぐ効果があると言われていま
すので実践してみてください。
そして、タバコはやめましょう。
たばこに含まれるニコチンは、交感神経を刺激させる作用があります。すると、
心臓は血圧を上げ、心拍数を高めるなど活動を活発にして、心臓に負担をかけ
ます。また、中性脂肪の原料となる血液中の遊離脂肪酸を増やす作用もありま
す。HDL コレステロールの濃度が低くなることも知られています。
最後に日々の体重・血圧管理と健康診断の受診です。
肥満は、様々な生活習慣病のもとになりやすいと言われています。体重や血圧
を測り自身の体調を確認していくとともに、気になることがあれば受診をして
主治医に相談してください。また、自覚症状がなくとも健診を受診したことで
体の異常を早期に発見できる機会ですので、1 年に 1 回は健康診断を受診しまし
ょう。
以上、今お話ししたことに注意して、ご自身が出来るところから動脈硬化の原
因となる生活習慣を改善し、血管を若々しく保てるようにしていきましょう。