「LH 比」にてコレステロール を見直しましょう!

栄養
豆知識
(第54回)
「LH 比」にてコレステロール
を見直しましょう!
脂質異常症の診断で「LH 比」が重視されていることを、ご存じですか?
例えば、LDL が 135mg/dl で、HDL が 45mg/dl と
すると、「135÷45=3」で、LH 比は 3.0 となりま
す。
例で示した LDL と HDL の数値(135mg/dl、45
mg/dl)は、個別にみると、どちらも現在の基準
では「正常」の範囲です。(治療が必要とされる
のは LDL:140mg/dl 以上、HDL:40mg/dl 未満)
ところが、LH 比でみると 3.0 というのは、動脈
硬化が進んだ「かなり危険」な領域なのです。
LH 比は悪玉と善玉のバランス
悪玉の LDL が血液中に増えると、血栓ができや
すくなり、心筋梗塞などのリスクが高まります。
実際に、各地の病院における調査報告から、LDL
値は正常なのに、心筋梗塞を起こしたという例が非常に多いことが分かってきています。
一方、そうした患者さんの多くが、HDL 値が低いか、正常範囲内であっても低めという傾
向がみられます。
それらのことから、
LDL と HDL は別々に考えるのではなく、両方のバランスが重要とされ、LH 比はそ
の目安として注目されるようになっています。
LH 比の目安として、
「ほかに病気がない場合には 2.0 以下」、また「高血圧や糖尿病がある場合、あ
るいは心筋梗塞などの前歴がある場合には 1.5 以下に」
することが望ましいとする病院が増えています。
最近は健康診断で、LDL と HDL 両方のコレステロール値を計測することが一般的になって
きています。
LH 比(LDL 値÷HDL 値)は簡単に
計算できるので、コレステロール
を見直すきっかけにしましょう。
栄養科