椎名 市郎学長 式辞(要旨)

椎名 市郎学長 式辞(要旨)
爽やかな門出を祝うかのような今日のよき日、たくさんのご来賓をお招きし
て、ここに平成 24 年度学位記授与式を挙行できますことは誠に有難く、卒業生
に代わり御礼を申し上げます。
さて、ただいま加藤大学院研究科長、佐藤商学部長、大村法学部長から学位
記を授与された卒業生諸君、卒業誠におめでとうございます。諸君の長きに亘
る勉学への精進の結果に対して、全教職員を代表して心からお祝いを申し上げ
ます。
また、後方にご着席の保護者の皆々様におかれましては、幼稚園の入園式か
ら始まり、今日の大学の卒業式に至るまで、ご子女をここまで慈しみ育て上げ
られましたことに対し、心より敬意を表しますとともに、本学教育に対し物心
両面でご支援を賜りましたことに心から御礼申し上げます。
さて、卒業生の皆さん。皆さんが船出をする現代社会は、工場の機械に象徴
されるような画一的で規格化、均一化された産業社会から、個々人が個別の意
志を持って主体的に行動できる情報社会への移行の混乱期にあります。産業社
会を支えてきた政治制度や国の在り様、産業構造や人口構成、そして人間の価
値観や家族の在り方まで質的な変化を起こし、既存の制度が新しい情報社会の
文明の流れに対応できない混迷状況にあります。
この激動する社会を乗り切るためには、大学で学んだ知識や技能はとても大
切です。しかし、混迷の時代であればあるほど一番大切で忘れてはならないも
のが本学創立以来1号館1階に掲げられているお手元の写真「人間の心得」で
す。この人間の心得を忘れて、皮相的なお金や物だけに流されると社会の混乱
に巻き込まれ自分を失います。
今日は学長というより、一人の先輩として、私を支え続けてくれた「人間の
心得」を示す言葉をいくつか紹介したいと思います。
(配布物の「心得」を読み説明)
さあ、皆さんは今、大学を去る寂しさと将来への不安や期待が入り混じって
いることと思います。大変なことがあるから、楽しいことがあるのです。厳し
いから、生きがいを感じられるのです。自分を信じて、大海に船出していって
ください。混迷する時代を乗り切る秘訣は、ひとえに皆さんの心得ひとつなの
です。
そして、何かあればいつでも母校に戻ってきて相談してください。私たちは
皆さんをいつでも歓迎します。皆さんがそれぞれの立場で、中央学院大学の歴
史に一頁を刻んでくれたことに対して感謝を申し上げるとともに、右手後方に
着席の先生方に対し、卒業生に代わり長きにわたる教育への情熱に謝意を申し
上げ、私の式辞といたします。
諸君おめでとう!
そして、さようなら!