11号 - 洛星中学校・洛星高等学校

Rakusei NEWSLETTER
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No.11 2015.2.10
第58回 高等学校卒業式 2015年2月7日(土)大講堂 ////
<学校長式辞> 洛星高等学校長
阿南 孝也 58期生の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんは、洛星での学生生活を通じ
て、神からいただいた能力を磨き伸ばしてきました。今思い返してみましても、皆さん
がいろいろなことに積極的に取り組み、仲間と共に活躍してきた姿が次々と目に浮か
んできます。
洛星から新しい世界へ巣立つ皆さんに、「平和の実現に貢献する人になってくださ
い」という言葉を送ります。 「平和」はヘブライ語で「シャローム」と言います。シャロームの元々の意味は、「何も
欠けていない、損なわれた部分がない状態」を表す言葉です。今でもユダヤ人のあい
さつに「シャローム」が使われています。この言葉を交わすということは、「あなたと私の
関係は大丈夫です」と確認し合っていることなのです。神と私、社会と私、人と人がよ
い関係にあること、これがシャロームなのです。たとえ私が幸せであっても、社会の中
で苦しんでいる人がいたならば、そしてその苦しみを見過ごしていたとするならば、そ
れはシャロームではないのです。 2人の日本人、後藤さんと湯川さんの殺害が報じられました。残虐な行為に怒りが
渦巻き、世界中が悲しみに包まれています。憎しみのあまり、報復の連鎖が懸念され
ます。平和の種は、一人ひとりの心の中に播かれ芽生えるものです。しかし、世界中
から戦争やテロをなくし、平和な世界を築くためには、個人レベルでの心の持ちように
目を向けるだけでは不十分です。テロや紛争の多くは、根底に富の不平等や石油を
中心とした資源の奪い合いが存在し、貧富の差はさらに拡大しているからです。 2001年にタリバン政権が崩壊し、国際社会がアフガニスタンでの復興支援を行っ
たときのことでした。日本政府は、兵士たちの社会復帰という大切な役割を担いました。
たとえ一時武器を手放したとしても、生活の術がなければ、困窮した元兵士が反政府
勢力側に回り、再び武器をとる結果になりかねません。タリバン政権時代、兵士たち
の多くは満足に教育を受けておらず、仕事のスキルを身につけていませんでした。そ
こでJICA国際協力機構は、木工、溶接など様々な分野での職業訓練を後押しし、元
兵士たちの社会復帰に成果をあげることができたのです。 平和の実りを得るためには、実に様々な分野での、根気強い取り組みが必要です。
洛星を巣立っていく皆さん、世界の出来事に関心を持ち、弱い立場に立たされた人
に寄り添い、様々な分野でキリストの平和構築のために貢献する人となってください。 世界12億人のカトリック教会のリーダー、教皇フランシスコは、昨年イスラエル大統
領とパレスチナ自治政府議長をバチカンに迎えて和平を求め、またアメリカとキュ
ーバ和解の仲介に尽力したことは、広く世界に報道されました。フランシスコ教皇は、
自身の著書『福音の喜び』の中で、繰り返し次のように述べておられます。「自分自身
の殻に閉じこもることなく外へ出向きなさい。そして熱意と活力を持って弱い立場にあ
る人、苦しむ人に福音を伝えなさい」と。教皇からの、希望と励ましの言葉です。「『出
て行ったことで事故に遭い、傷を負い、汚れた教会』のほうが、『閉じこもり、自分の安
全地帯にしがみつく、気楽さゆえに病んだ教会』よりも好きである」とまで、教皇は明
言されました。卒業生の皆さん、失敗を恐れず、たとえ泥をかぶり傷つくことがあったと
しても、人々の幸せ実現のために働く、強い意志を持った人であってください。
現代社会は多くの課題を抱えています。わが国の少子高齢化、世界人口の増加、
資源の枯渇、エネルギーの確保、地球環境の悪化など、どれも避けて通れない、また
容易には答えが見つけられない難題ばかりです。卒業生の皆さん、幅広い教養と深
い専門性を身につけ、真実を見抜く判断力を養い、難題と向き合いチャレンジする人
となってください。一人ひとりが進むそれぞれの場所で、失敗を糧として成長できる、
たくましさを持った人であり続けてください。
人生は常に順風満帆というわけにはいきません。成功だけの人生などありえません。
くじけず、夢を持って挑戦し続けてください。きっと神が応援してくださいます。よき友
人は人生の宝です。ここに58期生220名という大勢の仲間がいることを忘れないでく
ださい。母校洛星も、私たち教職員も、後輩たちも、みんな、あなた方を応援していま
す。
卒業式は別れの式です。しかし同時に、卒業生の皆さんを、洛星から世界中に派
遣する日であると考えています。洛星の卒業生は文字通り世界中で働いています。
同じここ洛星でキリストの教えを学んだ仲間です。あなた方を待っている人がたくさん
います。卒業生の皆さん、失敗を恐れず難題に立ち向かい、人々の幸せ実現のため
に必要とされている場で活躍してください。
最後に、卒業生の皆さんへ、これからのあなた方一人ひとりの人生の上に、神が、
恵みと祝福を豊かにお与えくださいますよう祈り、お祝いの言葉といたします。
卒業、おめでとう。
○卒業式概要 卒業証書授与
卒業生一人ずつに、阿南校長から卒業証書授与
賞状授与
三ヵ年皆勤賞、三ヵ年精勤賞、一ヵ年皆勤賞
六ヵ年皆勤賞、六ヵ年精勤賞
在校生の言葉
卒業生の言葉
「仰げば尊し」合唱
卒業記念品贈呈(ツバキ(侘助)・掲示用電子プロジェクター一式)
学校からの記念品授与
教育協力会からの記念品授与
教育協力会長
高校3年生 卒業 220名
<58期生 皆勤・精勤>
【三か年皆勤賞】
【三か年精勤賞】
【六か年皆勤賞】
【六か年精勤賞】
【一か年皆勤賞】
25名
24名
9名
22名
86名 以上 生徒部より
市バスの遅延による遅刻について
雨天時や新学期開始直後等は、市バス利用者の増加に伴う乗降時間の延長等により延着
が多くなり、遅刻者が晴天時と比べて多くでています。本校では従来からも雨天時等におけ
る市バスの延着による遅刻はACC(アクシデント)扱いはせず、延着や満員通過等も見越し
ての早目の登校を生徒に指導してきました。今後、市バスの延着に伴う遅刻は、たとえ延着
時間が10分を超える場合でも原則ACC扱いはしませんので、各自が個別に営業所等へ延
着証明書を取りに行くことはしないでください。
大雪等での市バス通学のACC扱いについては、延着証明書の有無とは関係なく、その都
度学校が判断いたしますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
2月 中 旬 ∼3月 行 事 予 定
2月 11日 (水)
3月
建国記念の日
13日 (金)
中2・1 狂言団体鑑賞(午後)
18日 (水)
中3 普通救命講習、中1 歯科講座(7 限)
9日 (月)
∼13日(金) 学年末考査
中学教科書渡し・高校教科書販売
身分証明書写真撮影
18日 (水)
、19日(木) 答案返却日
21日 (土)
春分の日
23日 (月)
高校終業式(平常登校)・中学終・卒業式(午後)
24日 (火)
∼4月7日(火) 春期休暇
26日 (木)
成績発送
12号は3月7日頃発行予定です。
Rakusei NEWSLETTER No.11 2015.2.10 発行
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