CHEMe『rHERAPY 石山俊次 ・坂部 孝 ・汐沙都也

VOL.15NO。4
CHEMe『rHERAPY
Gentamicinの
361
臨
床
研
究*
石 山 俊次 ・坂 部
孝 ・汐 沙 都 也 ・古橋 雅一
高橋 右 一 ・笠 置
達 ・長 綺 祥 佑 ・川 上
郁
西 岡 伸也・ 中 山一誠 ・大 島 聰 彦 ・岩 井 重 富
岩本英 男
日本大学医学 部石山外科
M・J・WEINSTEINら
に よつ て1963年
gentamicinは,米
に 報 告 され た
国 ニ ュ ー ヨ ー ク 州 の 土 壌 か ら分 離 さ
れ たmicresPeraPurPureaNRRL2953お
よ びmicro・
sPoraechinosPeraNRRL2985の
で,化
め て類 似 し
た 構 造 を もつgentamicinC1とgentamicinC2の2
の 水 溶 液 は 常 温 で あ り抗 菌 力 は グ ラ ム 陽 性 菌
に も 陰 性 菌 に も 広 い 抗 菌 ス ペ ク トル を もつ て い る 。
吾 々 の 教 室 で も9entamicinsulfateを
を 得 た の で,基
減 少 して6時
m1)と
実 験 す る機 会
礎 的事 項 と と もに臨 床 使 用 経 験 を 報 告 す
液内濃度
用 い,培
地 はpenassayを
penassayagar6・Om1を
間斜面
培 地 に 培 養 し たstaPhylecectusaureus209Pの
食 塩 水 浮 遊 液 の 菌 量IO6を
を 重 層 し,カ
生理的
含 ん だpenassayagar4m1
ッ プ 法 を 行 な つ た 。 培 地 のpHは7.4と
間 後 に最 高
達 し,以
2・6mcglm1)と
2)尿
なつ た 。
中濃 度
にgentamicinsulfate80mgお
そ れ ぞ れ1回
間,2∼4時
40mgを
間,4∼6時
4時 間,6時
筋 注 し ,30分,1時
間,2時
80mg筋
注 後 の 尿 中 濃 度 は 表3の
%80確
忽
10
表2BioodConce伽
%40・
間,
37.8%〉
伽 δ∂ノ抑
10
回 収 率 は28.7%(14.7∼
ご と く,30分
ま で の 尿 で は
示 し ,30分
り,以
後 次 第 に 減 少 す る が,2名
5
測 定 さ れ た(1名
に お け る6時
59.OZO856.β4540
580組0〃0705.03.2
53.08.0〃0503.3L2
耀,
ム
θ
0
♂ 590
塗》580
◎0
530
命㈱ α脚認 励5酬
硬 1246加s
42 746.OZ626
70 a64225ZO
43 6.2351,608
*本 研 究 の要 旨は 昭 和41年11
.月の第13圓
日本 化
学 療 法学 会網 東 地 方 会 並 び に 第9回 西 日本支 部 総会 に お
い て報 告 レ た。
な
に お い て は4∼6時
は測 定 を行 な わ な か
回収 率 は 平 均
44・85%(41・5%,48.2%)で,80mg筋
較 す る と6時
3)胆
間で
間ま で の尿 中 排 泄 量は 平均
17.945mg(16.600mg,19.290mg)で
σ
∼1時
間 で 最 高 濃 度80.8mcg/ml(52.5∼105.Omcg/mi)と
も15・Omcg/m1が
】23456hrs
は そ れ
は な お61.5mcg/ml
間 ま で の 尿 中 総 排 泄 量 は22.951
注 で は 表4の
つ た)。2名
欝
∼1
であ つ た 。
40mg筋
納
間 で2名
な つ た が,1名
mg(11・785∼30・258mg)で
・g・:m.
123456hrs
までは
示 し ,30分
54・3mcglm1(23・o∼85.omcg/mE)を
励
如 く,30t分
後 次 第 に 減 少 し た 。4∼6時
よ び
間 後 に 肘 静 脈 か ら採 血 し て 測 定 に 供 し た 。
測BtOodconcentraha"s∂fge物
間,
間 の 尿 を集 め て 測 定 し
82・Omcg/ml(56.0∼100.Omc9/m1)を
の 高 い 値 を 示 した 。6時
そ れ ぞ れ1回
よ び
筋 注 し た 後,30分,30∼1時
た。
に 達 し,以
中濃度
にgentamicinsulfate80mgお
後
間 後 に は 平 均L8mcg/m1(0・8∼
ぞ れ13・5mcg/m1と
健 康 成 人3名
後 は平
時 間 で 最 高 濃 度107・5mc9/ml(75・0∼147・5mc9/ml)
した 。
1)血
如 く,30分
値 平 均7・4mcg/m1(6・2∼8・6mcg/m1)に
1∼2時
使 用 した 。 即 ち
基 層 と し,16∼24時
後 次第 に
均5・2mcg/m1(4・2∼7・Omcg/ml)で,1時
40mgを
測 定 方 法 は カ ッ プ 法,試 験 菌 はstaPhylOCOCCUSa%γeMS
間 後 に最 高平 均
達 し ,以
注 後 の 血 中 濃 度 は 表2の
健 康 成 人3名
209Pを
,1時
後 に平 均
な つ た。
次 第 に 減 少 し て6時
る。
1.体
始 く30分
間 後 に は 平 均2・8mc9/ml(L2∼4.Omcgl
40mg筋
つ の 成 分 か ら な つ て い る と い わ れ る。 こ の 物 質 は 水 に 可
溶 性 で,そ
注 後 の 血 中 濃 度 は 表1の
10・2mcg/m1(8・5∼11・omcg/m1)に
生 産 す る抗 菌 性 物 質
学 構 造 は 未 だ 決 定 さ れ て い な い が,極
80mg筋
8・5mcg/m1(7・o∼10・omcg/ml)
注 の場 合 と比
間 まで の 回収 率 はや や 高 い 。
汁内濃度
胆 石 症 で 胆 嚢 摘 毘 術 と総 胆 管 誘 導 法 を 行 な い 且 つ 肝 機
能 検 査 に て 異 常 の 認 め られ な い2名
cinsulfate40mgを
時 間,4時
間,6時
筋 注 し,1例
間 の5回,1例
の 患 者 にgentamiは30分,1時
は1時
間,2
間 よ り6時
間
CHEMOTHERAPY
362
表3伽
JULY1967
鋤四
〇a励伽 誹 卿 加 吻
ま で ¢)4回 胆 汁 内 濃 度 を 測 定 し
た。 そ の 成 績 は 表5の 如 く2例 と
も2時 間 値 が 最 高(6・4mcg/ml,
5.Omcglml)で,そ
時 間 で は ほ ぼ1.5mcg/m1と
なつ
'た が
,1例 で は1時 間 か ら4時 間
:23456hrS
まで 高 い 濃 度 を 持 続 した 。
乙か加θ ωo印 加 潮o"(%ノ)2ヵ4!診
0-0.5
那%ノ
05μ1
栩%!
4)髄
ω〃3ノ
ァ 吻)
2{-4
1∼2
解 脇 ∼解
解
瀦%∼
4-6ゐ
解
56.0
560
750
6.75
56.0
700
3λ0
2228
8
クo.0
840
/oao
4.oo
20.0
0.9、
13.5
ク6ク5 1況5
100.0
8.50 厚Z5
442∫
6Z5
2.ク0
8ZO
6.50 ZOZ5
5058
478
訊53
卿
63.0
3凱1
κθ
α嘘1γ鰯(%)
砂
13.5
液 内濃 度
頭 部 外 傷 で 入 院 中 の患 者 の うち
乃血 ∼
惣
駒
ハ
0
の後 減 少 し6
軽 症 の もの10例
を 選 ん でgenta一
血icinsulfate80mgを
5
筋 注 し,
8.68
3α2∬ 砂3Z8%
48/0,
1∴785.14,ク
後 に そ れ ぞ れ3例 つ つ 腰 椎 穿 刺 を
30分 で4例,1時
間お よび2時 間
504
6ゐ5
3〃"
24〃0335
行 な つ て 髄 液 を 採 取 し,血 牲 で な
2.あ7
295
4188
22951287
い こ とを 確 認 した のち 測 定 を 行 な
つ た 。 成 績 は 表6の 如 く,4例
表4伽18伽o鍮
吻3吻8吻
勲 ・
物
娚 砿
は30分 の 平 均1.20mcg/ml(1.00
∼1.45mcg/ml)
,3例 は1時 間 の
1eo
平 均L35mcglm1(1.15∼1.50
mc9加1)と
50
最 も 高 く3例 は2時
間で測定不能であつた。
2.臓
123456hrs
器内濃度
体 重209前
I
く
か海αヴ ω〃8助か窪劾四(初
窃倫0ρ η4!徳ω紹解(吻 ♪
0.∼0.5
編%∼
I
0.5∼1
解
栩%1
1∼2
確
2∼4
脇 ノ吻
賜1
聖
賜1
23.0 ¢025
5Z5
湾150
52`5
8
550
8況0
4975
850 3525
850 6,375
74.1 勇275
850
4,郷
伽 卿θ 54.3 況566
聖
1050
ξ250
808
解91
」
8625
5二4
36.〃.
36.0
1£0
(1ZO7)ぐ3α
辱
23..0
λ84
23.6
a28
15.0
1510
0.9
ノ92948.2
ノ.6
1Z%544,85
と してgentamicinsulfate
分,1時
大 腿 部 に 筋 注 後30
間,2時
間 ご とに 脱 血後
各 臓 器 内 濃 度 を 測 定 した 。 即 ち,
ノ6溜4承
2.4
Z52
後 の 雄 マ ウス を1
40mg/kgを
縮 ω㎎ノ
γ`聖)㈱
9
A
0
群4匹
乃 々!
4∼6ゐ
u
2.75
で
各臓器に 生理的 食 塩 水 を 加 え て
ρ
ホ モ ヂ ナ イ ズ し,そ の 上 清 を 被検
液 と してstaPhy-oeoccusau「eas
209Pを
試 験 菌 と して カ ップ 法 を
行なつた。
最 も高 い 濃 度 を 示 した の は 表7の 如 く腎 で30分
表6α 励溜 茄ゼα㎜励 禰
賜'oち
卿伽 肋
癒5物 鰹 鱒LO
値5.29mcg/m1を
示 し,2時
最高
間 後 に も な お3・54mC9/
9の 高 い 濃 度 が 測 定 され た6腎 に 次 い で 肺,腺
心,脳
の 順 とな り肝 が 最 も低 値 を 示 した 。 各 臓 器 と も30分
値
が 最 高 で あ つ た が,肺1・86mcg/g,脾1・26mcgtg・
心
O・88mcg/9,脳0.34mcg/9,肝O.25mcgi9で
腎 に較
べ る とは るか に 濃 度 は 低 い 。
1
o肋o瓦.(mCg/n7Z)
123456hrs
30ヵ7.ア
1
Oo聯
姥
A・ 〃.
κ θ.
ゐ7
、`脇1)
'24
54乙446
∴55030
2hrs
L451.5∂
6ゐ.
λ45
菰5
1.35∴40〃0〃5-LOO
ゐ.2ゐ
3.Gentamicinの
抗 菌 作 用 に 及 ぼす諸因子の検討
(表8)
ε.
一一
D血
清の影響
普 通 寒 天 培 地 に 馬 卑 清(極 東)を5%,10%2S%の
割 合 に 加 えてstaPhylecoceusaureus209Pに
gentamicinの
対する
最 小 発 育 阻 止 濃 度 を 測 定 し た 。3回 繰 返
して 実 験 を 行 な つ た が,5%,10%,25%の
各 々血 清 添
CHEMO↑HE]RAPY
VOL.15NO.4
表7臓
363
器 内 濃 度
表gAntibacterialspectru血ofgentamicin
(血cg19)
き0分
1時 間
(MIC;mcg/m1)
2時 間
S彦aPh.aureus209P'
0.2
・〃Terasima
腎
肺
脾
脳
肝
心
5.29
1.86
1.30
1.26
0.20
0.14
0.88
0.38
10%
25%
0.4
0.4
0.4
0.4
0.4
0.4
0.4
0.4
0.4
0.4
0.4
0.4
pHl
1
6.2
1
7.4
1。56
〃B
0.8
0.4
Ps。aer乞eginosa(field)(1)
0.8
〃(2)
1.56
〃(3)
3.12
菌 力 に及 ぼ す 諸 因 子 の 影 響
5%
〃K12
Sar`inal"tea
(mcg/ml)
血 清
3.12
0.04
0.53
表8抗
0。2
E.eoliC14
0.16
0.22
0.25
〃Newznam
0.20
0.78
0.34
0.2
3.54
3・82
Pre彦eusmirabiEs(丘eld)
Kleうsiella
BacillusSthの
㈱株
働 敗%
】MIC
菌 ス ペ ク トラ ム を し ら べ たo即
37℃16時
1×1060.28×1070.2
間 培 養 の1白
mcg/m1ま
2×1060.21×108、0.2
ち 被 検 菌 の ペ プ ト ン液
金 耳 を,1.05mcg/m1か
画 線 塗 抹 し,37℃24時
そ の 成 績 は 表9の
7×1070.2
て は,い
加 で,い ず れ も血 清 を 加 え な い対 象 と同様 に0・4mc9/m1
Pγo彦eu3mlγabili3はO.8mcg/m1,klebsiellaPneumoniaeはO.4mcg/ml,baciJlussubtilisPCI219は0・05
影響
HeartinfusionagarのpHを6.2,7.4,8・4の3
段 階 に調 整 し,そ れ ぞ れ のpHに
mc9/m1で
お け るstaPhyZocoecus
対 す る最 小 発 発 育 阻 止濃 度 を 測定 した 。
4回 繰 返 し実験 を行 なつ た が,pH6・2に
お い て抗 菌 力
が や や 弱 い よ うで あ る。
209Pの
そ れ ぞ れ 発 育 を 阻 止 し て お り,こ
staPhyloeeCCUSaure"Sセ
こ対 し て も,グ
次 に 外 科 領 域 の 病 巣 由 来 黄 色 ブ ドウ 球 菌85株
てgentamicinに
種 菌 量 に よ る影 響
菌 量 を1×106∼8×108に
変 え て 最 小 発 育阻 止
mc9/ml以
もな か つ た 。
み られ な かつ た 。
菌 スベ ク トラ ム
教 室保 存 の標 準 株 お よび 若 干 の 病 巣 分 離株 に対 す る抗
り(43・5%),次
のgentamicln・streptomycm・
よ びkanamycinに
比 較 す る と,表11の
は 僅 か に6
上 の 耐 性 を 示 す も の は1株
病 巣 由 来 大 腸 菌 属23株
f「adiomycinお
い で0・4
中79株(93%)は0.8mcg/
下 で 発 育 を 阻 止 さ れ,1.56mcg/m!で
濃 度 を測 定 した 。 この範 囲の 接 種 菌 量 で は い ず れ も0・2
上 で発 育 を 阻 止 され,抗 菌 力 に 及 ぼ す影 響 は
あ
mc91m1(25.9%)で,85株
m1以
につ い
対 す る 感 受 性 分 布 を み る と,表10に
示 す 如 く,O.8mcg/mlが
を用 いstaPhylococcusau「eus
の範 囲で は
ラ ム陰 性 桿 菌 に
対 して も広 い抗 菌 スペ ク トラムが み られ た 。
株(7%)で,3。12mcgim1以
4.抗
腸 菌}こ 対
し て はo.s∼3.12mcg/m1,sarcinaluteaはo・4mcg/
対 す る抗 菌 力は 馬 血 清 に よつ て 影 響 され ない 。
Heartinfusionagaτ
対 し
発 育 阻 止 し,大
以 上 で発 育 を阻 止 され,slaPhyloceccusaureus209Pに
3)接
間培養
如 くstaPhylOCOCCUSaureUSに
ず れ もO・2mc9/mlで
ml,pseudomonasaeruginesaはo・78∼3・12mcg/m1・
aureus209Pに
加 えた
の 後 最 小 発 育 阻 止濃 度 を測 定 した 。
4×1070.28×1080.2
2)pHの
ら100
で の 各 濃 度 系 列 のgentamicinを
heartinfusionagarに
3×1060.22×1080.2
四
376
45517.0
1,560.40.2
量
0.05
8.4
0.80.40.2
到MICI菌
0.4
彦ilisPC219
表10病 巣 分離 プ菌感受牲 分 布
伽姻 雛
0.80.20.2
菌
0,8
.Pneumoniae(丘eld)
対 す る感受 性 分 布 を
如 くgentamicinで
は3・12mcgノ
CHEMOTHERAPY
364
表11病
JULY1967
表13病
巣分離大腸菌感受性
(23株)
20株
50 「
MIC(1ncg/=m1)
:
・
、
蘇 艸56ト ・2
・a5固5・
6.25
GM
2
4
16
1
3
5
9
11
SM
馬3
FM
KM
>100
100
'
3
巣命離 変形 菌戚 受性 分布
%一
12
■
■
燭磯
α2 α4 α8
株数
%
3
蔵0
認 武25 25 50 100〉'00
7 1 1
50 50 ε0
縮
れ1株 ず つ で あ つ た 。 この 成 績 か ら,緑 膿 菌 に 対 して も
9entamicinはstreptomycin,fradiomycinお
2
17
4
kanamycinよ
よび
り も優 れ た抗 菌 力 を 有 して い る こ と が 分
つた。
表12病
巣分離緑膿菌感受性
病 巣 分 離i変形 菌20株
(44株)
MIC(mcg/m1)
1
GM
1
3
12
SM
FM
1
1
KM
1・56meg/m1で
発 育 を 阻 止 され る もの が 最 も多 く11株
(85%o)で
18
7
2
1
1
2
8
3
4
3
10
11
6
5
3
1
1
2
4
9
27
間 に 分 布 し,
下 の低 濃 度 に 分 布 す る も のは17株
あつ た 。
以上 の成 績 を要 約 す る とinvitroに
29
対 す る 感 受性
如 く0・8∼25mc9/m1の
で,3、12mcg/m1以
・・21・
・41・
・S・・5613・
・216・25・2・Sl2SIS・1…1>…
のgentamicinに
分 布 は 表13の
cinは 黄 色 ブ ドウ球 菌 に もまた,大
お い てgentami腸 菌,緑 膿 菌,変 形
菌 な どの グ ラ ム陰 性 桿 菌 に対 して も優 れ た 抗 菌 力 を有 し
て い る0
m1で
発 育 阻 止 を うけ る も の が 最 も 多 く(1・6株),全
株 が6.25mcglm1以
mycinで
は3。12∼12.5mcg/mlの
る 。Fradiomycinで
も の が11株
阻 止 さ れ な い も の が12株
は 、6.25mcg/m1で
あ
し臨 床 効 果 を検 討 した。17例
にgentamicin、
を使 用
中1例 は 異 な つ た 時 期 に
筋 肉 内 注 射 と局 所 使用 を 行 な つ た の で,使 用 法 別 にす 筍
阻 止 され て い る
と筋 肉 内 注 射 に よる全 身 性 使 用 が9例 で,局 所使 用 例 も
9例 で あ る。
は6.25∼25mcglm1の
分 布 し,12・5mcg/mlで
床 成績
間 に分 布 して い
あ り,他 は1・56mcglmlec3株,3・12mc9/
mlに9株kanamycinで
5.臨
外 科 領 域 に お け る感 染 症17例
下 で 発 育 を 阻 止 さ れ た 。Strepto-
は100mcglm1で
り,他 の11株
ての
間 に
発 育 を阻 止 され る も の が 最 も
多 く 互7株 で あ つ た 。 こ の 成 績 か らgentamicinは
大腸
臨 床 効 果 の 判 定 は 下 記 の よ うな 基i準に よつ て 行 な つ
たo
著 効(昔):Gentamicin使
用 後72時
間 で(1)急
速
菌 属 に 対 し てstreptomycin,fradiemycin,kanamycin
に 自他 覚 症 状 の 寛 解,(2)原
よ り も か な り優 れ た 抗 菌 力 を 有 し て い る こ と が わ か つ
失,(3)gentamicin単
たo
補 助 的 治 療 の 併 用 で 治 癒 し,投 与 中 止 後 も症 状 の 再 然 し
病 巣 由 来 緑 膿 菌44株
fradiomycinお
表12の
如 く,い
対 す る感 受 性分 布 は
ず れ の 薬 剤 に 対 し て も低 濃 度 か ら高 濃
間 に 分 布 し,3・12mcg/mlで
発 育 阻 止 を うけ る も の が 最 も 多 く(18株),次
mcglml(12株)で
tn1で
あ つ た 。Streptomycinで
3.12∼50mcg/mlの
無…
効(一):Gentamicin使
い で1.56
間,(2)他
は100mcgl
も 発 育 を 阻 止 さ れ な い も の が29株
あ り,他
間 に 特 に 広 い 分 布 を 示 し,
か つ そ れ ぞ れ の 濃 度 に お け る 株 数 の 差 が 少 い が,0・8お
よ び1.56mc91mlで
Gentamicinに
mlの
は そ れ ぞ れ1株
の が27株
ず つ で あ つ た。
対 す る 感 受 性 分 布 は3・12∼>100mc9/
間 に 分 布 し 特 に100mc91血1で
あ り,3・12お
間 で 比 較 的 速や
の抗 生 物 質 の 使 用 ま
用 後,(1)単
そ れぞ
独 投 与72時
間 後 に も治 療 効 果 が 臨 床 的 ・
また は 細 菌 学 的 に 全 く認 め 難 く,症 状 の不 変,増 悪 拡 大
を 来 しgentamicinの
使 用 を 中 止 して 他 の 治療 手 段 に 変
更 した も の。
な お,今 回 の 使 用 症 例 は グ ラム 陰 性 桿 菌 感 染 を 多 く選
ん で 使 用 した の で,悪 性 踵瘍 の 切 除 術 後 感 染 あ るい は術
後 の 組 織 欠 損 部 の 感 染 の よ うなhostの
も阻 止 され な い も
よ び6・25mcg/mlは
用 後24時
の 抗 生 物 質 の併 用 また は 切 開 排 膿 な ど の治 療
手 段 を 行 な つ た の ち,48時
は
問 に 分 布 し て い た 。Fradiomycin
で はo・8∼>100mcg/m1の
有 効(十):Gentamicin使
か に 自他 覚 症 状 の寛 解 をみ た ボ,他
た は切 開排 膿 な どの 治 療 手 段 を行 な つ た も の。
度 に お よ ぶ 幅 の 広 い 分 布 を 示 し て い る が,gentamicin
で は0.2∼12・5mc9/m1の
独 使 用 また は,き わ め て 僅 か な
な い もの 。
のgentamicin,streptomycin,
よ びkanamycinに
因 微 生物 の 病 巣 か ら の 消
側に慢性化の傾
向 を もつ 症 例 が 多 か つ た の で,特 に 局 所 使 用 例 で は 菌 の
消 長,分 泌 物 の 増 減,肉 芽組 織 の 改 善 な ど も十 分 考 慮 に
CHEMOTHERAPY
VOL.15NO.4
衷14全,身
年体
症例氏 名性
A;M.
♀
㎏
73 50
2
K.N.
♀
52 57
3
F。N.
♀
4
J。S.
5
6
1目
量
・賊1回
1.6
尾
脇
胆 石 症,術
後
創 感 染,胆 道 感 染
40
2
1.5
4
320
31 59
甲状 腺 癌 術 後 創 感 染
40
2
1.3
11
880
6
46 55
幽 門 狭 窄,尿
肺
40
2
1.5
5
400
K.N.
6
62 54
40
2
1.5
5
400
N.M.
孚
43 55
40
2
1.5
8
640
H.F.
δ
20 73
8
H.H.
6
25 42
9
Y.S.
6
62 45
毒 症
炎
食
道
癌
切除術後前胸部創感染
腹 壁 皮 下 腫 瘍
Pilonidalsinus
術 後 肉 芽 創
十二指腸潰瘍 穿孔
胃切 除 後 腹 腔 内 膿瘍
右 性睾
悪
丸
炎
リ ソ パ 腫
表15検
使
氏 名
例
40
2
LO
40
2
40
2
A.M.
Pγo飽 駕s
2
K.N.
検索せず
3
F.N.
(φoag-)
ε≠α助 メo.
KZθ ゐs弼 」
σ
4
LS.
5
K.N.
6
N.M.
菌(一)
7
H.F.
Pγo∫6駕s
Ps8%40・
甥oπσ5
8
H.H.
検索せず
9
Y.S.
検索せず
検
索
帯
柵
一
一
十
十 (EM)
一
帯
せ
一
升
帯 (OM)
一
一
一
デカ ド一
ロ
ン
一
TC,KM
CER
Ps6%4伽o"σ
ε
TC,CP
SM
TC十
菌(一)
Pゲo彦甜3
Psθ認o%o"αs
1.9
3
,240
検
索
せ
1.8
8
640
検
索
せ
升一
アルビ
オシン
ず
索
十一
〇M
切
開一
一
TC,CP
十一
ず
KM,Sf
升一
ず
CP,NA
十ト一
と 感 受 性(筋 注 例)
一
(LM)
十
一
十
一
一
十
帯
一
十
一
一
卦
井
帯
一
一
一
十
帯
一
十
帯
一
什
用
後
検 出 菌;PCISMiCPITCIC・1iKMISflNA
一
十
一
』
什
帯
一
一
一
一
一
一
什
一
一
一
一
十
辮
一
一
帯
一
一
K∫ θうs∫9∫zσ 一
十
一
十
惜
帯
一
冊
紐
一
一
一
帯
一
一
KZθ ゐs盛8μσ
S彦妙 勿 ∫o.
(coag+)P
s餌40一
η30ησs
検索せず
、P38駕
面・
〃ω"σ3
7
Pγo渉9π3
十
昭 和Disk使
身性使用例
桿 菌 で,使 用 後 の検 査 で は 黄 色 プ ドウ球 菌 お よび 変形 菌
筋 肉内 注 射 に よ る全 身 性 に使 用 した9例 は 表14の
く,男 性5例,女
42∼73kgで
用
され た 菌 は 黄 色 ブ ドウ球 菌 の1株 を 除 き他 は グ ラ ム陰 性
入 れ て効 果 判 定 を 行 な つた 。
1)全
作
果用
TC,CP
せ
検
効
十一
CP,TC
ず
3彦@勿ZO(coag+)
KZ6ゐs`θπご
960
NA
甚
TC
使
検 出 菌1PCISMICPITCI刺KMISf
1
Pγ0彦6露S
前
一
GM使 用 併 用1
前抗生剤 療 法
出 菌
12
出 菌 の 種 類
用
検
収1漁9/kg
2
限局性胆汁性腹膜炎
排 膿 術 後 膀 腔 炎
} i副
1
期間 総量
賢
7
症
性 使 用 症 例(筋 肉 内注 射)
臨 床 診 断
令重
1
365
性4例 で,年 令 は20∼73才,体
如
重は
あ る。 臨 床 診 断 は 悪 性 腫 瘍,腹 膜 炎 な ど重
の1株 ず つ は 引 き続 き検 出 され,他 は交 替 菌 の 出現 がみ
られ た(表15)。
臨床 効果 は胆 道 感 染 の1例,悪
性 の リ ソパ腫 に 合併 し
篤 な疾 患 に 合 併 も し くは 手術 後 の感 染 が 多 く,従 つ て
た 睾 丸 炎 の1例 お よび 十二 指 腸 潰 瘍 穿 孔 に よ る胃切 除 後
gentamicin使
腹 腔 内腫 瘍 の1例 に は 著 効 が み られ た。 そ の他 は 有 効3・
用 前 に種 々の 抗 生 物 質 が 使 用 さ れ て い
る。 使用 量 は全 例1日40mgず
つ2回 筋 注 で1日 量 は
体 重1kg当
な り,使 用 期 閲 は3∼
副 作 用 は 全 く認 め られ な か つ た。
あ つ た 。4例 か ら検 出
2)局
り1・0∼1・9mgと
12日 間,総 量 は240∼960mgで
例,無 効3例 で あ つ た。
所 使 用症 例
CHEMOTHERAPY
366
裳16局
1
所
1日 使 用 量
年 体
名性
臨
令重
㎏
床 診
断
Pilonidalsinus
術
後
肉 穿
1M.Y.91860
・咽 職
腸 痩 切,術
3K.1.64856
盲
腸
癌
回 盲 部切 除 術 後 創 感 染
4F.N.♀3159甲
術
402151200
Piionidalsinus6K
後
創
感
使
検 出 菌 PC
M.Y.
P3ε%40一
K.N.
Pγo'6駕s
一
SM
cpiC・1
NA
検 出 菌 PC
lPγo渉θz6s
一
十
什
十
一
帯
一
粁
一
一
一
一
帯
一
一
一
一
十
一
一
一
一
一
一
,_
一
一
一
暑
一
一
一
一
十
帯
一
一
帯
一
一
(c。ag+)
一
一
一
一
帯
一
一
一
α 彦γoδσo一
帯
帯
P3働4ぴ
獅o"σ3
Ps召 駕40・
一
一
勿¢0錫αS
Coη
KMiSf
十
卿
一
帯
S妙
海yZo,
(coag+)
Pγ0陀
με
s≠⑳ 塀o.
彦9γ
一
升
κz召う3弼 彦
σ
s彦妙 勿 ∫o.
解 ゐσ・
(coag+)
Pγo渉 ¢駕3
S.S,
一
Pγ0≠8%3
帯
一
一
一
ミ ノ
イジン
一
一
帯
一
一
用
SM
CP
一
後
Tcic・1
一
十
一
Sf
KM
十
一
十
NA
u
}
κ'θうs`2zzα
4≠〃 翔%
7
十
PC,SM
CP,TC
使
前
十
(coag+)P
38駕40・
一一
TC,CP
¢o"α3
帯
一
十
CP十
CP,CERア
SM,LMサ
801・9720」Ps8%40勢
帯
〃ZO"σ ε
K,1.
TC
モ ブ
ン
銘6みσo渉¢γ伽 獅
Proteus
十
一
lP36駕40一
s渉励
6
TC,CP
GM
Pseμdomonas8013240
Coη
一
出 菌 の 種 類 と 感 受 性(局 所 使 用 例)
用
甥0%σS
魏0π σ3
T.S.
伽 σS
CP,TCキ
KM,CERシ
染
十
TC
(coag十)
虫 垂腸
穿 孔閉性 腹塞 膜 症
炎9K
兼
名
十
CP
S彪 動 メo.3240
4013=E20Pseudomonas
5
¢07駕z5
Pε2%40獅
直 切 断 術 後腸会 陰 部 化 膿
癌8U
直腸
巣
F.N.
1
CP,TC
OM
P70ま θ%ε
.Y.♀6458
K.1,
GM使 用前
併 用療 法効 果副作
抗生 物質
用
旨
出 菌
936δPγoム2窃5
8015400
氏
検
5400」Pseudo卯
直 切 断 術 後腸会 陰 部 化 膿
癌7S巣
直腸
P/0ま8%S
4
例
1ng
401
後 創感 染
表17検
3
嚇
.S.67550
.T.62860
㍉
症
癌 切 除 術 後 縫 合 栓80112960Pseudomenas
.1.62072
2
用
状 腺 癌 術 後 創 感 染801
5J。S.♂6546胃
1
mg
801
創
2K.N.♀2335
例
使
1
症例氏
症
JULY1967
十
一
十
督
十 凸
帯
(LM)
什
帯
幸
一
一
帯
一
升
一
一
一
什
一
帯
(LM)
(OM>
一
一
一
一
十
一
升
一
(OM)
一
鞠葡
剛
帯
一
一
帯
十ト
帯
帯
十
十
耗 (EM)
十
辮
ー
十
朴 (OM)
帯
(LM)
帯
十
一
嗣
一
帯
辮
s渉σ助 メo.
一
十'
1
(coag-・
φ
8
U.Y.
9
K.T.
P36π4ぴ
辱
一
_!
〃30πσ3
P3伽40一
一
一
甥0%α3
一
一
一
升
帯
一
帯
十
で,年 令 は18∼75才
P3侮40.
一
一
十
十
什
一
一
十
瓦 ω 露
一
十
帯
十
升
什
辮
帯
帯
一
帯
十
一
P3¢ 嘱o。
一
一
脅30πσ3
一
如 く男
で あつ た 。 臨 床 診 断
献 全 例 術後 の感 染 で原 疾 患 と しは 癌 が5例,腹
腸 痩1例
一
一
甥0鷲 σε
Gen・tamicinを 局 所 に使 用 した9例 は 表16の
6例,女3例
一
膜 炎1例,
で い ずれ も重 篤 な疾 患 であ り,ま た,他 の2例
僻
のpilonidalsinusは
切 除 後 に 大 きな 組 織 欠 損 を 残 す も
の で,gentamicin使
用 前 に 種 々の 抗 生 物 質 が 使 用 さ れ
た 症 例 が 多 い。
使 用 法 はgentamicinの
水 溶 液 を局 所 に注 入,ま た は
CHEMOTHERAPY
VOL.15NO.4
表18検
検 出 菌
鋤
励
綴
367
出 菌 の 消 長
使副
表19筋 注症 例2胆
K.N.52オ
消失 減少 不変 交舘
石 症,肝 憂 腫
宇 術後創感染+胆道感藁
±2(1)2(1)釜(1)
P3θπ40甥o錫 σs9(7)7(5)2(2)1(1)
」Pγo診6鉱
ゴ5(3)2(1)1(1)2(1)1(1)
1¢〔
κ7r6ゐs`6Z∫4114(2)
白血輩数ls姶co
Co7'コ 評"2ゐσ``θγ11%伽31(1)1(1)
表20筋
翻
C諺70うσo`召
γ1(1)
E.60疏1(1)
白鰍103CO白
脇 翫隷灘 龍
24
稽後18日2022
()局
所使用
血疎醐0σ
26283i
38
37
mgを2回
行 な い,使 用 期 間 は3∼15目
120∼1,200mgで
菌 が7株,変
36
た は40
撒 布 した 。 使 用 量 は1日40∼80mgを1回,ま
間 で,総 量 は、
あつ た 。 全 例 に菌 を検 出 したが,緑 膿
形 菌 が3株 で,黄 色 ブ菌 は 僅 か に1株 で あ
つ た。Gentamicin使
用 後 は交 替菌 の 出現 を み た 症 例 が
表2蘭
これ らの局 所 使 用 例 で はhostの
㈱2K
.N.23」t♀
腸響
手術
衛覆4B61519
Kllll{ごP/s5.:IJflfili{thM'-tsw//7////Ae,M80ngXlW///////]KM
側,特 に 病 巣 そ の も
の に難 治 の原 因 を 有 して い る症 例 が 多 く,急 性 の 表 在 性
向 うとい うわ け に は い か な い の で,効 果 判 定 に は特 に菌
の 消 長 と感 染 創 の 改 善 に 考 慮 を は らつ た 。 そ の 結 果 は 有
5拓 十
鵬 蕗
計 崩
剛 慢
κ 鱒
㈹π や
鋸㏄ 齢
ね訓 +
昆 営
凧 粋
詳 千
樹 報
κ 階
㈹憩"
ε印 軽
銅 一
島 ÷
一.
感 染 の如 く抗 生 物 質 の 使 用 に よつ て直 ちに 寛 解,治 癒 に
効5例,無
離 感染
餐
誌
鐡
多 か つた(表17)。
効4例 で あ つ た。 副 作 用 は 全 く認 め られ な か
つ たo
カ ナ マ イ シ ンお よび ア ミノ サ イ ジ ソを使 用 して 平 熱 とな
以 上,全 身 性 使 用 お よび局 所 性 使 用 に お け るgenta-
り,良 好 な経 過 と思 わ れ た が,術 後20日
頃 か ら左腹 部
micinの 使 用 に よつ て 病 巣 か ら消長 す る もの は 緑 膿 菌 に
痛,腹 壁 緊 張,腫 瘤 様抵 抗 が 現わ れ 次第 に増 悪 して きた
多 くみ られ,消 長 しに くい もの は黄 色 ブ ドウ球 菌 と変 形
の で,腹 腔 内 膿 瘍(限 局 性 腹 膜 炎)を 考 え,gentamicin
菌 で あ つ た。 また,逆 に 交替 菌 と して現 わ れ て く る もの
1目40mgず
は肺 炎 桿 菌 と黄 色 ブ ドー球菌 が 多か つ た(表18)。
が著 し く軽 快 し48時
3)症
例
つ2回 筋注 を 行 なつ た と こ ろ,腹 部所 見
間 後 に は下 熱 した 著 効 例 で あ る。
局 所 使 用例2K.N,23才,女,腸
筋 注症 例2K.N、52才,女,胆
石 症,肝
嚢 腫,術
後 創感 染,胆 道 感 染(表19)
痩 切 除 後 創感 染
(肉芽 創)(表21)
50日 前 に腹 部 外 傷 で脾 臓捌 出 お よ び腸 縫 合 術 を うけ,
上 腹 部 腫 瘤 を 訴 え て来 院 し,諸 検 査 の結 果,胆 石 症 兼
術 後 腸痩 を形 成 し て手 術 創 移 開 し,大 き な 肉芽 創 の状 態
肝 嚢 腫 と診 断,糞 腫空 腸 吻 合 術 と胆 嚢 切 開 に よ り胆 石 別
で 来 院 した 。 入 院 後,腸 痩 は 次 第 に 縮少 し,痩 孔 切除 術
出術 を 行 な つ た。 術後 リ ン 諏マ イ シ ン,ク ロ ラム フ ェニ
に よつ て閉 鎖 した が,腹 壁 縫 合 は再 び 膨 開 して 一 部 に 複
認一 ル,テ
雑 な 皮 下痩 孔 をつ く り肉 芽 組織 も不 良 で あつ た 。 痩 孔切
トラサ イ ク リンな どを使 用 し てい た が,術 後
13日 目に 右上 腹 部 痛 が 増 強 し悪 感 を 伴 つ て39。4℃ の高
開 術 を 行 な い,ク
熱 を み た の で,吻 合 部 か らの逆 行性 胆 道 感 染 と診 断 して
を全 身 性 に使 用 した が 変 形 菌 が再 三 検 出 さ れ た の で,
gentamicin40mgず
gentamicin80mgを
つ2回 筋 注 を 行 なつ た と こ ろ,24
ロ ラ ム フェ ニ 認一 ル,カ ナマ イ シ ソ
局 所 に 使 用 した と こ ろ,肉 芽組 織
時 間 後 に は 下熱 し,疹 痛 も著 し く軽快 した。Gentamicin
は著 し く改 善,分 泌 物 の減 少 を み た が陳 旧性 の た め に表
は 術 後17日
皮形 成 が不 良 で あ った 。Gentamicin使
目ま で4日 間使 用 した が,上 腹 部 痛 は 消 失
し,白 血 球 も正 常 に復 した。 著 効 例 で あ る。
筋 注 症例8H.H.25才,男,十
二 指 腸 潰 瘍 穿 孔,
胃 切 除 後 腹 腔 内膿 瘍(表20)
十 二 指 腸 潰 瘍 穿 孔12時
用後の菌検索で
は黄 色 ブ ドー球 菌 が 検 出 され た の で,術 中局 所 に カナ マ
イ シ ンを使 用 して 植 皮 術 を 行 な い治 癒 し た。 この症 例 も
局 所 々 見 の著 しい 改 善 と菌 の 交替 を み た の で有 効 例 と し
間 後 に 胃切 除 を 行 ない,術 後
たe
368
CHEMOTHERAPY
6・ 総
括
JULY
はinvitroで
Gentamicinsulfateを
使 用 す る機 会 を 得 た の で,若
よび40mg筋
注後
の 血 中 濃 度 は い ず れ も1時 間 後 に 最 高 に 達 し,平 均 値 は
そ れ ぞ れ10・2mc9/m1,7・4mc9/mlで6時
間 まで の 尿
中 排 泄 は そ れ ぞ れ28.7%,44.85%で,40mg筋
注 の
な お検 討 を要 す る点 で あ る。
使 用 量 は筋 注 例 で1日LO∼1・9mglkg,期
12日 間,総 量 は最 高960mgに
1)
達 す るが,血 中濃 度 よ りもや や 低 く,胆
汁 内 移 行 は あ ま り高 くは な い。
髄 液 内 移 行 を80mg筋
注 し て 測 定 した 。1時 時 後 に
最 高 濃 度 を示 した が 平 均1.35mcg/mlと
2)
低い値 で あつ
たo
マ ウス を使 つた40mglkg筋
ずれ の臓 器 も30分
mcg/9に
注 後 の臓 器 内濃 度 は,い
,脾 ・
の1.26mcg/9で,
腎 以外 の臓 器 内濃 度 は低 か つ た 。
病 巣 由来 黄 色 ブ ドウ球 菌85株
mc91mlに
93%が
3)
後 に 最 高 濃 度 に達 す る が,腎 の5.29
次 い で肺 の1.86mcg/9
4)
に 対 す るMICは0.8
ピー クを 示 し,o.8mcg/m「
以下 の 低濃度で
発 育 を阻 止 され,3.12mcg/m1以
上 の 耐性を示
5)
す もの は なか つ た 。
病 巣大 腸 菌23株
は0.8∼6.25mcg/mlの
て お り,SM,FM,KMよ
し,3.12mcglm1以
のが95.7%を
は0・2∼12・5mc91mlの
占 め て お り,SM,FM,KMに
間 に 分 布 して,3・15mc9/ml以
発 育 阻 止を うけ た 。 こ の よ う なinvitroの
gentamicinは
6)
間に分布
下 の低 濃 度 で発 育 阻 止 を うけ る も
に強 い抗 菌 力 を 示 し た 。 病 巣 変 形 菌20株
ppc9/mlの
間に分布 し
りも低 濃 度 で発 育 を 阻 止 さ れ
た。 病 巣緑 膿 菌44株
7)
比 しは るか
は0.8∼25
下 で85%が
成績では
8)
黄 色 ブ ドウ球 菌 お よ び グ ラ ム陰 性 桿 菌 に
対 して,従 来 の抗 生 物 質 に み られ ない 広 域 の 優 れ た 抗 菌
スペ ク トル を 示 した 。
臨 床 使 用 には9例
9)
に筋 肉 内注 射 に よ る全 身 性 使 用,9
例 に 局 所 使 用 を行 な つ た が,比 較 的 急 性 症 例 の 多 か つ た
筋 注 例 に著 効3例,有
効3例 で あ つ た 。 局 所 使 用 例 は慢
性 化 の傾 向 のあ る症 例 で あ るた め 著 効 例 は な か つ た が,
10)
肉芽 組 織 の 改 善,分 泌 物 の 減 少 な どが 著 し く,こ れ に よ
つ て 切 除 縫 合 術,植 皮 術 な どの2次 的処 置 の早 期 実 施 が
可 能 とな つ た よ うな 症 例 もあ り,有効 例 は5例 で あつ た。
11)
検 出 菌 の 消 長 か らみ る と,緑 膿 菌 に 消 失 す る ものが 多
く,変 形 菌,黄 色 ブ ドウ球 菌 に 消 失 しな い も のが 多か つ
た 。 また,交 替 菌 と して 現 わ れ る もの は肺 炎 桿 菌 が多 く
み られ た 。
12)
今 回 使 用 した 症 例 に は 急 性 症 例 が 少 か つ た の で,臨 床
効 果 は 有 効 率61・1%で
間 は3∼
作 用は全
Ref erenccs
注後 の胆 汁 内濃 度 は2時 間後 に最 高値(平 均
5・7mcg/m1)に
達 す るが,副
く認 め られ なか つた 。
ほ うが6時 間 まで の 回 収 率 は 高 か つた 。
40mg筋
示 され た 優 れ た諸 成 績 か ら考 え る と,そ
の割 合 に は臨 床 効果 の劇 的 で な い ものが 多 か つ た 。 これ
は対 象 疾 患 の性 状 も関 係す る こ とで あ る と思 うが,今 後
干 の 基 礎 的 検 討 を 行 な つ た 後,臨 床 的 に 使用 した。
Gentamicinsulfateを80mgお
1967
あ つ た が,現 在 まで の経 験 か ら
BULGER,R. J., SIDELL, S. & KIRBY, W. M. M.:
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CLINICOLABORATORY
STUDY
ON GENTAMICIN
S. ISHIYAMA,
U. TAKAHASHI,
N. NISHIOKA,
Third
T. SAKABE,
T. KASAGI,
I. NAKAYAMA,
Department
of Surgery,
S. USHIO, M. FURUHASHI
S. NAGASAKI,
S. OSHIMA,
I. KAWAKAMI
S. IWAI & H. IWAMOTO
Nihon University,
School of Medicine
Gentamicin is a new broadspectrum
antibiotic, • which seems to be unique in special effectiveness
against pseudomonas, proteus and other bacilli of low virulence. The present paper concerns to clinicolaboratory and clinical study on gentamicin sulfate.
The highest serum concentrations of gentamicin were 10.2 mcg/ml and 7.4 mcg/ml on average after
intramuscular,
single administration of respectively 80 mg and 40 mg in sound adults. 6 hours urinary
recoveries of the drug, in the same time, were respectively 28. 7 % and 44. 9 %.
The concentration in bile was 5. 7 mcg/ml and the highest on average 2 hours after intramuscular
administration of 40 mg gentamicin.
It was 1. 35 mcg/ml as average in the cerebrospinal fluid 1 hour
after 80 mg of intramuscular
gentamicin in adults.
It was found that, 5.29 meg g in kidney, 1. 86 mcg/g in lung, 1.26 mcg/g in spleen and less than
these in other organs were the tissue concentrations 30 minutes after 40 mg/kg gentamicin in mice.
Gentamicin MIC to 85 strains of staphylococci aureus,
23 of E. coli, 44 of pseudomonas and 20 of
proteus in surgical field was tested. Growth of 93% of staphylococci was inhibited in concentration of
less than 0.8 mcg/ml and none of them resisted to more than 3.12 mcg/ml.
MIC of E. coil distributed
from 0. 8,-6. 25 mcg/ml, of pseudomonas from 0. 2-12. 5 mcgjml (95. 7% of them less than 3. 12 mcg/ml)
and of proteus from 1. 8--25. 0 mcg/ml (85. 0% of them less than 3. 15 mcg/ml) respectively.
Gentamicin treatment was tried intramuscularly
in 9 surgical infections and topically in other 9
cases.
Intramuscular
gentamicin succeeded in 6 cases and 3 of them were excellent. It was observed
that pseudomonas apts to go out of the field more rapidly than proteus or staphylococcus after use of
the drug.