東海の絹 文化と産業遺産 Ⅰ 日本の養蚕業・製糸業の歴史(4) 豊 田 市 近 代 の 産 業 と く ら し 発 見 館 (旧 愛 知 県 蚕 業 取 締 所 ) 「 豊 田 市 近 代 の 産 業 と く ら し 発 見 館 」 は 、 大 正 10年 (1921)に 建 て ら れ た 旧 愛 知 県 蚕 業 取 締 所 の 建 物 を 利 用 し て 、 平 成 17年 に 設 置 さ れ た 。 蚕 業 取 締 所 は 、 明 治 3 0年 (1897)公 布 の 蚕 種 検 査 法 に 基 づ い て 設 立 さ れ た 蚕 種 検 査 所 (の ち の 蚕 病 予 防 事 務 所 )を も と に 設 置 さ れ、蚕糸業発展の一躍を 担った公的機関だった。 蚕種製造業務の取締、生 建設当時の愛知県蚕業取締所第九支所 大正 12 年度の蚕業取締所一覧 名 称 場 所 愛知県蚕業取締所 愛知県庁内 同 名古屋支所 名古屋市東区西二葉町 同 豊橋支所 豊橋市大字花田 同 安城支所 碧海郡安城町 同 足助支所 東加茂郡足助町(※) 同 田口支所 北設楽郡田口町 同 一宮支所 一宮市大字一宮 同 西尾支所 幡豆郡西尾町 同 岡崎支所 岡崎市大字明大寺町 同 挙母支所 西加茂郡挙母町(※) 同 古知野支所 丹羽郡古知野町 同 東郷(新城)支所 南設楽郡東郷村 同 福江支所 渥美郡福江村 同 武豊支所 知多郡武豊町 ※は豊田市に現存 『愛知県蚕糸業史』より 繭取扱の取締、桑苗売買 の取締などを行ったが、 最も重要な業務は微粒子 病防除のための蚕種検査 だった。当初は7支所とこ れを取り締まる本所を愛知 県庁内においたが、蚕種製 造 業 の 発 達 に 伴 い 、 大 正 12 年 に は 県 内 に 13の 支 所 が 設 け ら れ た 。 豊 田 市 内 に は 、 蚕 業 取 締 所 第 四 支 所 (足 助 郷 土 資 料 館 )と 第 九 支 所 (現 在 の 発 見 館 )の 建 物が現存し、養蚕で栄えた 歴史を今に伝えている。 当時の顕微鏡 (豊田市近代の産業とくらし発見館蔵)
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