第4学年 理科学習指導案 指導者(T1) (T2) 1 単元名 2 単元の目標 電気の働き ・乾電池や光電池に豆電球やモーターをつないだときの明るさや回り方に興味・関心をもち,進ん で電気の働きを調べ,ものづくりをしようとしている。 ( 自然事象への関心・意欲・態度) ・乾電池や光電池に豆電球やモーターをつないだときの明るさや回り方を電流の強さや向きに関係 付けて予想し,考察して,自分の考えを表現している。 ( 科学的な思考・表現) ・簡易検流計などを適切に操作し乾電池と光電池の性質を調べたり,豆電球の明るさやモーターの 回り方の変化を調べたりして,その過程や結果を記録している。 (観察・実験の技能) ・乾電池の数やつなぎ方を変えると,豆電球の明るさやモーターの回り方が変わることや,光電池 を使ってモーターを回すことなどができることを理解している。 ( 自然事象についての知識・理解) 3 単元と児童 (1)児童について(省略) (2)単元について 本単元は,電気の働きについて興味・関心をもって追究する活動を通して,乾電池のつなぎ方や 光電池に当てる光の強さと回路を流れる電流の強さとを関係付ける能力を育てるとともに,それら についての理解を図り,電気の働きについての見方や考え方をもつことができるようにすることを ねらいとしている。 また,本校では屋上で太陽光発電をしていることから,光電池を利用したものの一つとして紹介 し,エネルギー消費や環境問題へも興味や関心をもてるようにしたい。 本単元の内容は,第3学年「A(5)電気の通り道」の学習を踏まえて「エネルギーの変換と保 存」にかかわるものであり,第5学年「A(3)電流の働き」につながるものである。 (3)指導について 電気を使った製品は,児童にとってとても身近なものであり,欠かすことのできない存在となっ ている。しかし,身近であるが故に電気の働きについては意識されることは少ない。そこで,実際 に乾電池やモーター,スイッチを導線でつないで回路をつくることを通して,乾電池の数やつなぎ 方を変えるとプロペラが回る向きが違うことやプロペラの飛び方が違うことなどの電気の働きを児 童に実感させていきたい。 単元の導入である本時は,児童が問いをもつことができるように,モーターに付けたプロペラを 扇風機のように回す活動を自由に試行させる。風が前方に吹く児童と後方に吹く児童とに分かれる ことから,自分と友達との結果の違いに気付き,自然と学び合いが行われていくと思われる。続い て乾電池ボックスを隠した実験装置を使って,よく飛ぶプロペラとそうではないプロペラを教師が 演示する。児童は,この二つの実験から得た疑問を,内容ごとに色分けした付箋紙に書いて表現す ることで学習の見通しをもつことができ,単元を通して学習の意欲を持ち続けることができると考 える。 本校では,校舎内に太陽光発電の状況が分かる発電量モニターが取り付けられており,天気と発 電量の関係についても見通しをもてる状況にあることから,光の当て方と光電池の働きについても 太陽光パネルや既存の発電データ等を活用しながら,学習を広げていけるよう進めていきたい。 4 指導計画 小単元 ー 乾 電 池 と モ ー タ 時間 1/11) 学 習 活 動 主な評価規準と評価方法 思 3 (1)モーターにプロペラをつないで回す □プロペラの回り方や飛び方の違いに気 本時 活動から,回り方や飛び方の違いにつ 付き,自分の疑問を表現している。 1/11 いての疑問をもち表現する。 (付箋紙・発言) 思 (2)疑問から問題をつくり,予想をもと □乾電池の向きとプロペラの回る向きに に実験の計画を立てる。 関心をもち,進んで計画を立てようと している。 ( 行動観察・ノート記録) 問題 プロペラの風の向きが違うのはどうしてだろうか。 の 回 り 方 技 (3)実験をして,乾電池の向きと回路を □簡易検流計などを適切に操作し,観察 流れる電流の向きの関係についてまと している。 ( 行動観察・ノート記録) める。 見方や考え方 電流には向きがあり,乾電池の向きが変わるとモーターの回る向きが変わる。 3 乾 電 池 の つ な ぎ 方 関 (4)乾電池2個を使い,高くプロペラを □乾電池の数やつなぎ方に興味・関心を 飛ばす活動から問題について話し合う。 もち,調べようとしている。 (行動観察・発言) 問題 2個の乾電池をどのようにつなぐとプロペラは高く飛ぶのだろうか。 思 (5)直列つなぎと並列つなぎについて知 □乾電池の数やつなぎ方で電気の働きが り,予想をもとに実験の計画を立てる。 どのように違うのか,自分の考えを表 現している。 (発言・ノート記録) 知 (6)実験をして,つなぎ方と電気の働き □乾電池の数やつなぎ方を変えると,モ についてまとめる。 ーターの回り方が変わることを理解し ている。 (行動観察・ノート記録) 見方や考え方 直列につなぐと回路に流れる電流が強くなり電気の働きが大きくなる。並列に つなぐと乾電池1個の時と電流の強さは変わらない。 5 光 電 池 へ の 光 の 当 て 方 (本時 知 (7)光電池が利用されている身近な製品 □光電池を使った身近な製品について理 について分かることを話し合う。 解している。 (発言・ノート記録) 問題 光電池に当てる光の強さを変えると,電気の強さは変わるだろうか。 思 (8)光電池への日光の当て方と電気の強 □光電池に当てる光の強さによって電流 さについて調べる計画を立てる。 の強さがどのように違うのか,自分の 考えを表現している。 (発言・ノート記録) 技 (9)実験をして,光電池の働きについて □簡易検流計などを適切に操作し,光電 まとめる。 池の性質を調べる実験をしている。 (行動観察・ノート記録) 見方や考え方 光電池に当たる光が強くなると,回路に流れる電流も強くなる。 (10)(11) 関 光電池や乾電池を使ったおもちゃづ □電気の働きを使って,ものづくりをし くりをする。 ようとしている。 (行動観察) 5 本時の実際 (1)ねらい プロペラをつけたモーターを乾電池につないだときの風向きの違いに気付き,疑問 に感じたことを表現することができる。 (2)学習過程(本時 段階 つ か む 学習活動 1/11) ・児童の反応 (T1) 教師の支援と評価 (T2) 1 前年度の学習の振り返りとして ・3年生での「電気の通り ・正しいつなぎ方ができて 乾電池に豆電球をつないで,回路 道」の学習が想起できる いるか確かめ,戸惑って について確かめる。 ように,一人に一つの実 いる児童には声をかけ 験器具を用意する。 る。 7分 2 めあてを確かめる。 ・初めてモーターに触れる モーターにつけたプロペラが回 児童もいることから,モ るときの様子で,ぎ問に思ったこ ーターの特徴について説 とを出し合いまとめよう。 明をする。 ・モーターを使った学習はなんだか 楽しそうだな。 調 べ る 3 教師の演示実験をもとに,プロ ・風を受けたことが視覚的 ペラを扇風機のように回して,空 に捉えやすくするため 気を前に送る回路づくりに取り組 に,人形にひもを付けた む。 もの用意しておく。 25分 ・どうしてぼくの人形の髪はなびか ・1~3班を担当し,迷っ ・4~6班を担当し,迷っ ないのかな。おかしいな。 ている児童がいたら助言 ている児童がいたら助言 ・きちんとつないでいるか,もう一 する。 する。 度確かめてみたら。 4 プロペラをヘリコプターのよう ・ 多 用 な 疑 問 が 出 る よ う ・手元を隠しながら,プロ に回して飛び上がる2つの演示実 に,手元を隠しながら, ペラが高く飛び上がるよ 験をもとに,飛び方の違いについ プロペラがあまり飛び上 うに演示する。 て考える。 がらないように演示す ・村上先生のプロペラはどうしてあ る。 んなに高く飛び上がったのかな。 考 察 す る 5 実験を通して浮かんできた疑問 ・扇風機やヘリコプター, ・困っている児童には,ど を,付箋紙に言葉や絵で書く。 その他に色分けした付箋 のように書けばよいかを ・乾電池を2個つないでいるから, 紙を配布して,疑問を整 助言する。 あんなに高く飛んだのかな。 理しやすいようにする。 ・モーターが違うから,私のは後ろ 13分 に風が吹いたのだろうか。 思:プロペラの回り方や飛び方の違いに気付き,自 分の疑問を表現している。 (付箋紙・発言) 6 自分の疑問を発表し合い,色で 分けた付箋紙を学習課題シートに ・頑張りが見えた児童を紹 貼っていく。 介し,次時への意欲付け をする。 7 振り返りをし,次時への見通し ・次時は,今日出し合った をもつ。 疑問から学習問題をつく っていくことを話す。
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