Business Partner 2016 年 office 3 月号 NEWS 法律相談Q&A - 査定に基づく賞与の減額は減給制裁? 法改正ニュース ― Q: 当社では、懲戒処分を受けた社員については査 定によりその賞与を減額していますが、最近「懲 戒処分を理由に賞与を減額するのは減給制裁に なるのではないか」という指摘を受けました。賞 与査定の結果による減額は減給制裁にあたるの ですか? A: 賞与も労働基準法上は賃金にあたりますが、毎 月の賃金(給与)と異なり、算定期間中の社員個々 の勤怠状況や営業成績・貢献度等を考課・査定し て支給の有無・額等を決定するのが一般的で、そ の対象や評価については合理的な範囲内で事業 主の裁量権が認められています。 従って、賞与の査定において懲戒処分に対し評 価が低くなることの結果として支給額が低くな ることがありますが、これは査定制度の範囲内と して認められるもので減給制裁にはあたらない 注 賞与で減給制裁を行うには賃 と考えられます(○ 金と同じく就業規則の定めが必要です) 。 但し、この「懲戒処分にかかるマイナス査定を 反映」した賞与から同処分に基づき更に減額する ことは、実質的な減給制裁(あるいは二重処分) となるので注意が必要です。 また、懲戒処分をもって一律に賞与を全額不支 給とすることも、算定期間中の実績を全て否定し ていることになり裁量権の範囲を逸脱している とみなされるおそれがあります。 減給制裁や二重処分という誤解を避けるため にも、賞与の支給にあたっては考課にかかる各要 素について適正・合理的な支給基準を設け、適切 に評価して額を決定していくことが大切でしょ う。 - 健康保険法等の改正 - (平成 28 年 4 月 1 日~) ①標準報酬月額・標準賞与額の上限引き上げ *標準報酬月額 47 等級(上限 121 万円) ⇒50 等級(上限 139 万円) …上位に 3 等級区分(127 万円・133 万 円・139 万円)が追加 *標準賞与額(年度における累計額の上限) 540 万円⇒573 万円 ②傷病手当金、出産手当金の支給額見直し 「標準報酬日額」の 3 分の 2 ⇒「支給開始日の属する月以前の直近の継続した 12 ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額 の 30 分の 1 に相当する額」の 3 分の 2 平成 28 年度の年金額は据え置きです 平成 28 年度の年金額は、法律の規定により、物価、 賃金によるスライドは行われず、平成 27 年度から据 え置きとなります。ただし、被用者年金一元化法によ り端数処理が変更になったため、平成 28 年 4 月分 の改定から、月額で数円の増減が生じます。 最近のニュースから マイナンバー 自治体窓口での代行記入を認める 厚生労働省などが、マイナンバー制度における窓 口での運用にかかる通知を昨年末までに相次いで 全国の自治体に出していたことがわかった。国民健 康保険などの手続きにおいて、申請者がマイナンバ ーを把握しておらず提示がない場合に、窓口の職員 らが住民基本台帳ネットワークで番号を調べて書 類への記入を代行することなどを認める内容。生活 保護、介護保険などに関しても同様の措置を認める。 ~ 日本法令 社労士情報サイト より~
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