2016年2月29日 投資情報室 金融市場NOW 原油価格の動向と今後の見通し 資源安等を背景に、世界経済の成長率見通しを下方修正 原油価格(WTI先物価格)の動向 原油価格は足元、2014年半ばから約7割下落した水準でもみ合っています【図表1】。原油価格急落の主な要 因として、新興国の景気減速による需要減、シェール革命(米国)に伴う供給増等が挙げられます【図表2】。 図表1:WTI先物価格 図表2:主要原油生産国の生産量比較 (1995年1月~2016年2月 2月は25日時点 月次) 160 (米ドル/ バレル) 140 (2004年と2014年比較) 14 (百万バレル/日) WTI先物価格 4 40 2 20 0 0 98/1 01/1 04/1 07/1 10/1 13/1 16/1 イラン 60 UAE 6 中国 80 カナダ 8 ロシア 100 2014年 サウジ アラビア 10 アメリカ 120 95/1 2004年 12 (年/月) 出所:ブルームバーグデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成 出所:BP社資料を基にニッセイアセットマネジメントが作成 今後の見通し 足元の原油価格は本格的な上昇期に入る前の2005年以前の水準まで下落しており【図表1】、価格面での調 整はかなり進んだものと考えます。今後更なる下落が生じる場合は、協調減産に向けた動きが活発化する可 能性もあります。米国のリグ(石油掘削装置)稼働数減少【図表3】は供給調整につながりそうです。一方、米国 における原油在庫は同価格が急落した2015年を1億バレル程度上回る水準で推移しており【図表4】、原油価 格反発の重荷になりそうです。 当面の原油価格は、1バレル30米ドル近辺を中心に、協調減産に関する思惑等に左右され、値動きの激しい 展開が続くものと考えます。 尚、IEA(国際エネルギー機関)は、2017年は需給(供給には在庫分含まず)がほぼ釣り合うものの、積み上 がった在庫の影響等により、価格低迷は長期にわたるとの見通しを示しています【図表5】。 図表3:米国リグ稼働数 2,500 (2014年6月6日~2016年2月19日 週次) (基) 図表5:IEA原油需給見通し 図表4:米国原油在庫 (2016年は1月~2月、他は1月~6月 週次) 5.5 リグ稼働数 2,000 5.0 1,500 4.5 1,000 4.0 (2016年~2019年 年次) 100 (億 バレル) (百万 バレル/日) 需要 供給 98 96 500 2016年 2015年 2014年 2013年 3.5 0 14/6 14/10 15/2 15/6 15/10 16/2 (年/月) 94 3.0 1 2 3 4 5 6 (月) 16 出所:図表3~4はブルームバーグデータ、図表5はIEAデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成 ●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価 証券等の勧誘を目的とするものではありません。 ●当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しております が、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将 来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投 資成果を示すものではありません。●当資料のいかなる内容も将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。 17 18 19 (年) 01/01 (審査確認番号H27-TB204)
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