MRI Daily Economic Points

米国:小売売上高(2016年12月)
MRI Daily Economic Points
-消費は拡大基調がやや加速-
January 16, 2017
評価ポイント
図表1 小売売上高 項目別 寄与度
2.0
(前月比、寄与度、%)
今回の結果
自動車関連総合
1.5
建材・造園
0.5

内訳をみると、小売売上高の約2割を占める自動車関連(同+2.4%)
が大幅に増加し、全体を大きく押し上げた。また、ノンストア(同+
1.3%)が高い伸びを続けているほか、価格上昇を背景に、ガソリン(同
+2.0%)も増加した。一方、外食(同▲0.8%)や、家電(同▲0.5%)、
食品飲料(同▲0.3%)は減少となった。

全米小売業協会(NRF)は、1/13日に年末商戦での売上高(自動車、ガ
ソリン、外食を除く小売売上高)を公表。16年は前年比+4.0%と、事前
予想(同+3.6%)および15年(同+3.2%)を上回った。
ガソリン
0.0
大型量販店
-0.5
食品・外食
-1.0
ノンストア
その他
-1.5
1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11
2014
2015
総合
2016
基調判断と今後の流れ
資料:米国商務省
図表2 消費者マインド
(指数、1985年=100)
4.5
総合指数
現況指数
4.0
120
期待指数
3.5
110
3.0
100
2.5
90
2.0
80
1.5
70
1.0
15

消費は拡大基調を維持している。16年10-12月期の小売売上高は、前
期比+1.6%と前期(同+0.9%)から伸びが高まった。

背景には、①良好な雇用環境や、②消費者マインドの改善、③株高に
よる資産効果、などがある。特に、トランプ新政権の経済政策に対する
期待を主因に、消費者マインドのうち将来に対する期待が大幅に高
まっている(図表2)。

先行きも、消費の拡大基調が続くと見込む。トランプ新政権が公約どお
り所得税減税を行えば、短期的には消費の拡大ペースが加速するだろ
う。ニューヨーク連邦準備銀行による消費者の先行き期待に対する調
査では、すでに消費者は減税を織り込みつつある(図表3)。

下振れ要因は、①トランプ新政権の経済政策が期待したほど進展せず、
消費者マインドが後退することや、②拡張的な財政政策による財政悪
化の懸念から長期金利が急激に上昇した場合、株安による消費の下
押しや、耐久財消費の抑制を招くこと、などが挙げられる。
図表3 消費者の先行き期待
130
14
16年12月の米小売売上高(1/13日公表)は、前月比+0.6%と前月(同
+0.2%)から伸びが加速(図表1)。
家具・家電
1.0
140

(%)
16
資料:コンファレンス・ボード
Copyright (c) Mitsubishi Research Institute, Inc.
1年先税金の変化
14
15
16
資料: ニューヨーク連邦準備銀行
担当: 政策・経済研究センター 田中康就
TEL 03-6705-6087