122KB

20150804
毎日新聞「日々の色」8/7 締切、8/21 掲載(改訂版)
CEL 当麻
昨年結婚した下の娘が、今年の 2 月に男の子を出産しました。私にとっては、
初めての孫です。娘は近くに住んでおり、良く孫を連れて帰ってきます。名前
りょう じ
は 凌 志といい、家内は凌ちゃん、凌ちゃんと嬉しそうにミルクを与え、5 ヶ月
になってからは、実家のお米で作った離乳食を食べさせています。私も孫が帰
ってきたと連絡を受けると早々に仕事を切り上げ帰宅します。昔「孫」という
歌が流行り、その中で「孫という名の宝物」という歌詞がありましたが、まさ
に「孫は我が家の宝物」です。
娘の出産は、それだけで「でかした!」という快挙ですが、我が国が抱える
次の二つの社会問題の観点からも褒めてあげたいと思います。
一つ目は人口問題の観点です。国の研究機関が発表した日本の将来人口の推
計では、2010 年に約 1 億 3000 万人だった人口が、2060 年には 1 億人を割る中
で、65 歳以上の高齢化率はほぼ倍増し、逆に 14 歳以下の子供の比率は大きく
減少します。まさに人口減少・少子高齢化時代となります。そういう意味では、
二人目、三人目と生んで欲しいものです。
二つ目は高齢者の生きがいの観点です。仕事人間が定年後、生きがいを見つ
けられず、寂しい人生を送っている人が少なくないと思います。孫と一緒に遊
び語ることに、生きがいを感じることもできるのではないでしょうか。
私は昨年定年を迎え、現在も縁あって同じ職場で働いていますが、4 年後には
完全にリタイアします。そのころには4歳になっている孫に、私は、今家庭か
ら消え去ろうとしている日本のすばらしい伝統文化や季節の行事を教え伝えた
いと思います。それらは食と密接な関係にありますので、実家の田んぼの一角
を孫用に借り、苗代、田植え、稲刈り等の農業体験もさせ、離乳食で食べたお
米はこうして作ったのだと教えたいと思います。孫にそう言い伝えることを生
きがいの一つとして、これからも、まだまだ元気に第二の人生を歩みたいと思
います。