書き起こしPDFのダウンロードはこちら

三井:こんにちは、三井智映子です。さあ、今日は株価が全体的に下がっていても、利益
が取れるというお話を伺っていきたいと思います。
やはり投資家の皆さんは、この銘柄、上がるのではないかなと思って買って、上がって、
その売買益、キャピタルゲインを得るというイメージがあると思うのですけれども、相場
先生は下がっている方がむしろ……。
相場:そうですね。上がっても下がってもいい。
三井:上がっても下がってもいい。どちらでもいい?
相場:どちらでも結構ですね。
三井:何か懐が広いというか。
相場:そうですね。うねり取りの場合は、前回も申し上げましたが、どのチャートを見て
も、株価は上がったり下がったりを繰り返しています。もう一度、ちょっと確認してみて
ください。そうすると、大体上げ半分、下げ半分。上げ下げ、上げ下げを繰り返している
わけなのですけれども、ということは全体の半分が上げで、全体の半分が下げだとしたら、
上げも取れて、下げも取れれば良くありません?
ひだひだを全部取っていきます。伸ば
すとこう結構。
三井:確かに、今までは多分、この上げ下げの。
相場:上げ、上げ、上げしか取っていない。
三井:そうですね。利益を取れる距離が短かったのが伸びる?
相場:はい。そういうことになりますね。上げ下げを取ると、実際は上げだけを取ったと
きの 10 倍から 20 倍取れる計算になるのです。
三井:すごいですね。ただ、ニュースで、例えば株価が上がっているというと、何か喜ん
でいる人が多くて、下がっていると「ああ、下がっちゃった」というイメージがどうして
もあります。
相場:プロは下がって喜ぶ人がいっぱいいるのですよ。だって、下げているときなんて、
ヘッドファンドなんか売りを入れているわけですから。
三井:そうですね。
相場:よく塩漬け株というのを聞いたことがあると思うのですが。
三井:はい。最近、バブルとかリーマンショックの後、下がってしまった株が売るに売れ
なくて、塩漬け状態のような話を聞いています。
相場:そういうことですよね。ということは、仮に 3,000 円の株が 800 円になってしまっ
て、上がるまで持っている。
三井:3,000 円が 800 円になったら、心理的に売れないですよ。
相場:心理的に売れないでしょう?
では、もし下がって利益が出るのだったら、塩漬け
株は全部利益ではないですか。
三井:確かに、例えば今までは、800 円が 3,000 円になったら、すごく利益が出たと思いま
すけれども、3,000 円が 800 円になったら、ここもプラスになる?
相場:実は利益になります。これは空売りという方法です。空売りというのは、下がると
利益が出ます。通常の買いは、上がると利益が出ます。
空売りというのは、30 年前は証券会社に 2,000 万円以上入れている人がやらせてもらっ
たのです。
三井:ハードルが高い。もう一部の人しかできないですよね。
相場:できなかったです。ところが、今は 30 万円入っていれば、どの証券会社でも空売り
ができます。
三井:何か割と一般的なレベルに。
相場:そうですよ。結構やっている人は多いです。先ほど出たヘッジファンドだって、基
本的に下げで取ります。それから、山崎種二さんという大相場師も「売りのヤマタネ」と
いわれていて、売りで取りました。つまり下がって利益を出しました。実は私の全財産の
65%も下げで取ったのです。
三井:では、上げで取っている利益よりも、下げで取っている利益の方が多いのですか。
相場:はい、多いです。上がっても買えばいいから取れます。上がった後は必ず下がるの
です。私は 4 回、バブルを経験していますが、全部、暴騰した後は暴落ではないですか。
あれは上げも取って、下げも取ります。そうするとものすごく利益が出ます。プロのほと
んどは買いも売りもやっている人たちなのですね。
三井:なるほど。では、売りの重要性というのは分かったのですけれども、やはりどのタ
イミングで買ったらいいか、売ったらいいかということもうねり取りで練習していくとい
うことなのでしょうか。
相場:そういうことになりますね。
三井:なるほど。では、実際にどういう銘柄を選んで、チャートを見ていけばいいのです
か。
相場:一般の正統派の株式投資というのは、これから成長しそうな会社の株を買って、そ
して 5 年も 10 年も応援していって、どんどん株価が上がっていって利益になるということ
ですけれども。
三井:何か青田買いに近いイメージがあります。
相場:そうですね。10 年 20 年お付き合いするとか。ウォーレンバフェットなどはそうです
ね。コカコーラを 25 セントで買って、ずっと 1 兆円ぐらい利益になったと言っていますけ
れども、なかなか一般投資家がそれをするには、そういう時間もないし、見る目もありま
せん。
三井:実際に 20 年待って、1 兆円になるか分からないですからね。
相場:分からないです。ウォーレンバフェットのような目をなかなか持てません。正統な
株式投資というのはそうなのですけれども、われわれのうねり取りというのはそういう見
方をしないで、チャートに全てが現れていると前回お話ししました。ですから、ニュース
は見ません。
三井:ニュースを見ない?
相場:それから、雑誌も見ません。三井さんが推奨しているものだけを見ます。
三井:ありがとうございます。
相場:それも見ません。評論家の推奨銘柄も買いません。
例えば評論家は自分でもうかっている人はいません。多分、本を書いて、印税でもうか
っています。講演をして、講演料でもうかっています。それから、例えば証券マンから「こ
の銘柄、いいですよ」と連絡が来ますけれども、証券マンも、みんな立派に、一生懸命、
勉強して、顧客のためにやっているのは分かるのですけれども、株で利益を出して、億万
長者になった結果、証券会社に採用されて営業マンになっているわけではないのですよ。
彼らも何十万かの給料をもらってやっているわけです。従って、ピアノを弾いたことのな
い先生にピアノを教わっているようなものですね。
一方、うねり取りは、全てチャートに現れるということですから、ほぼチャートだけで
す。銘柄選びを具体的にいきますと、実は「うねる」というのは、仕手株みたいなものは
駄目なのです。
三井:仕手株はアップダウンが激しくて、うねっているイメージがあるのですけれども。
相場:違いますね。人為的に動かされる銘柄ではなくて、人為的に動かせない銘柄。例え
ば三井さんが買って、そして上がっていきました。そうすると、おばあちゃんになるまで
持っていないではないですか。上がったらお金に換えて、ビジネスクラスでハワイに行こ
うとか、指輪を買おうとか、美容院に行こうとか。つまり買った株はやがて上がっていく
けれども、買った人が利益確定をするから下がります。利益確定をする人がいる一方、下
がってきて割安だなと思って買う人がいるから上がるのです。そして、買う人と売る人で
売る人が増えれば下がるし、買う人が増えれば上がる。それをずっと繰り返してうねって
いく。
三井:需給バランスですよね。
相場:はい、そうです。だから、うねり取りというのです。そうなると、うねらなければ
いけないので、うねるためにはある特定の人に動かされるのではうねらないから、いろい
ろな人に参加して、いろいろな人の思惑で結果的に標準化されて、上へ下へと動いていく
のです。
三井:いろいろな人が興味を持っている大型といわれる銘柄の方がいいということですか。
相場:そういうことです。ですから、プロの相場師や安定的に利益を出している人たちは、
東証一部、あるいは JPX400 に入っている銘柄をやります。それからもう一つが、出来高
が 1 日 100 万株以上あるような銘柄です。
三井:要はたくさんの方が需給バランスに参加している方が取りやすいということですか。
相場:ちゃんと動くのです。私が以前、仕手株をやっていたときは、出来高が 20 万株ぐら
いだったら、例えば 20 万株のうちの 8 万株ぐらいを私が最初に買ってしまうわけです。そ
うすると、世の中に出ている株が減るから、あと残り、ちょっと買うとすぐ上がります。
ちょっと売るとバンと下がります。そういう銘柄だとうねりません。ですから、東証一部、
JPX400、出来高が 1 日 100 万株以上あるような銘柄。それと空売りができる銘柄をうねり
取りのプロは選んでいます。
三井:やはり自然な需要と供給のバランスができる銘柄を探すということなのですね。
相場:いい表現、そのとおり。そういうことですね。何でもいいのですよ。東芝でもいい
し、トヨタ自動車でもいいし、要するに有名な大きな銘柄だったら、大体、うねり取りが
できます。
三井:なるほど。では、練習というと、そういう銘柄をまず探して、見ていくということ
が大事なのですか。
相場:基本的には、一つはリーディングといって、チャートの流れを読むという練習があ
ります。それをやっただけで「何、これ。今まで自分が損していた銘柄、こういう見方を
したら、何か取れるじゃん」と思うものがあります。
もう一つは、ちゃんと建玉の操作といって、売りと買いを上手に買っていったり、売っ
ていったり、そういう練習もあります。練習方法は、うねり取りをやりたい人には私がこ
れから教えます。
三井:では、そういうちゃんと自然な需要と供給のバランスがある銘柄を探して、うねり
取りをマスターすれば、上げでも下げでも取れるようになるということなのですね。
相場:はい。あとは囲碁、将棋をやるように、指して、抜いて、指して、取らせて、取る。
そして、最後に王手。
三井:では、次回は具体的にどういうふうにトレードをやっているのかを見せていただけ
るという。
相場:いいですね。プロの相場師、プロのトレーダー、本物はこうやって利益を出してい
るというのを生で見ていただきたいですね。
三井:私もすごく楽しみです。
相場:多分、ご覧になった方は「なるほど」。もう目からうろこが落ちてしまっているから、
今度は何が落ちるか分かりませんけれども。
三井:では、楽しみにしたいと思います。次回もぜひご覧ください。