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市長記者会見記録
日時:2003年8月5日(火)
午後2時
場所:市役所本庁舎2階会議室
議題:1「サントリー商品開発センターの新設」について
2市政一般
< 内 容>
司 会 :それでは、これから市長記者会見を開催させていただきます。
本 日 の 議 題 は 、「 サ ン ト リ ー 商 品 開 発 セ ン タ ー の 新 設 」 に つ い て で ご ざ い ま す 。 本
日はサントリーの皆様にご出席をいただいておりますので、私からご紹介をさせてい
ただきます。
記者の皆さんから向かって市長の右側になりますが、常務取締役で研究本部長の丸
山様でございます。
東京広報部課長の田村様でございます。
食品研究所長の辻村様でございます。
酒類研究所長の川崎様でございます。
商品開発部研究部長の橋本様でございます。
事務局側にお座りいただいておりますが、洋酒・焼酎生産部長で、多摩川工場長の
岩井様でございます。
東京広報部の森本様でございます。
本日の進め方ですが、初めに市長から、次にサントリー様から説明をいただき、そ
の後、質疑ということでお願いいたします。
なお、サントリー関係の記者会見終了後、市政一般の記者会見を予定しております
ので、あわせてお願いいたします。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いします。
記 者 :では、市長、よろしくお願いします。
《「 サ ン ト リ ー 商 品 開 発 セ ン タ ー の 新 設 」 に つ い て 》
市 長 :それでは、サントリー多摩川工場跡地の新事業について発表したいと思いま
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す。サントリー商品開発センターの新設ということでございます。
昨年の4月に多摩川工場が閉鎖をされまして、その後は一体どういうふうになるの
だろうかと各方面で心配の声が出ておりましたけれども、このたび、総合的な商品開
発センターとして、研究機能を集積されるということでございます。
川崎市を貫くJR南武線は、200を超える研究開発機関の集積がありまして、ハ
イテクラインと言う人も少なくないわけでございます。また、川崎市は、学術研究開
発機関に働く人の比率が日本一というところでございますけれども、今回、新たに研
究開発機能がもう一つ集積するということでございまして、産業の活性化につながる
と同時に、また、今回の研究センターは環境についても十分に配慮された施設という
ことでございますので、地域環境面からも大変喜ばしいものであると受けとめており
ます。
具体的な内容につきましては、先ほどご紹介申し上げましたサントリーの当事者の
方々から説明していただきますけれども、新しい商品を開発していく上で、国内最大
の消費地でもあり、マーケティング情報も集中するこの首都圏で、しかも大変交通の
便利のいい研究開発機関が集積しているここを拠点に、研究開発センターを置かれる
ということでございまして、会社としても企業戦略の上から適切であると判断された
ものと思っております。
サントリー多摩川工場の跡地につきまして、これまでサントリーを訪問いたしまし
て、研究開発の拠点としての活用をお願いしたいということを申し上げてまいったわ
けでございますので、大変感謝いたし
ております。将来に向けた首都圏の拠
点として大きな役割を担ってほしいと
期待しておりますと同時に、本市の新
たな産業発展の起爆剤となっていくこ
とを期待したいと思っているところで
ございます。
以上でございます。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 :ただ今、阿部市長から詳しくご説明がございま
したように、私どもの多摩川工場は、昭和33年の6月に設立をされた工場でありま
して、まだ「寿屋」という名前の会社でありました1958年ですから、年商もごく
小さいときに大変広い土地を武蔵小杉に確保して工場を、特に洋酒工場ですね、トリ
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スから始まって、レッド、オールドと、非常に首都圏という大消費地を背景に、大変
大きな稼動をしていたわけですけれども、やはり生産規模がちょっと中途半端になっ
たということもあって生産のその機能を集中するということで、栃木にある梓の森工
場という方に洋酒工場を集中しておりまして、昨年4月末で、多摩川工場の洋酒工場
としての生産機能は閉鎖をさせていただいたわけでございますけれども、その後すぐ
阿部市長がわざわざ東京の私どもの会社までお越しくださいまして、大変熱心にお話
しくださいました。それが、私どもがそこに研究開発センターを何とかつくろうでは
ないかといった引き金になったことはもちろんでございまして、今ご説明のあったと
おり、大変、東京を中心とした首都圏の代表地、東京、神奈川をバックにしていると
いうことと、私どものマーケティング機能が、宣伝も含めまして東京に集中していま
す。そういったところと商品開発に携わる研究開発者とが密接に連動できるという、
非常に機能が有効に発揮できるというところも大変魅力でございまして、土地も、研
究開発、商品開発をしていくには十分過ぎるほど広いわけですけれども、きょうお手
元にお届けしてありますニュース・リリースにも書かせていただきましたけれど、今
回はその土地の約半分を使いまして、現在は京都の山崎工場の奥に研究開発機能があ
るわけですけれども、そこにある食品研究所、きょう二人来ていますけれども、酒類
研究所で商品開発しています。その商品開発機能を全部、ちょうど来年の秋の完成と
同時にこちらに集中をして、それこそ川崎の武蔵小杉発で、私どもの食品、酒類が、
すべて川崎の武蔵小杉から出てくるようになるということでございますので、どうぞ
皆様のご支援をお願いしたいと思います。
なお、新しい商品開発センターをつくるに当たりましては、ニュース・リリースに
も書かせていただきましたけれども、今までにない新しい考え方を取り入れました。
すなわち、私どもの内部的な事情ですけれども、フロアが変わってしまうと非常にコ
ミュニケーションが悪くなってしまうようなことがありますので、非常に付加価値の
高い土地にはぜいたくかもしれませんけれども、2フロアで、研究者が試作品などを
つくるのは全部1階に集中させてしまいます。2階は、その研究者が上がってきて、
マーケティング部門の人間、あるいは宣伝とか、そういう連中と年中ミーティングが
できるということで、ワンフロアに全部まとめました。天井高は約4メートル強で、
非常に天井の高さがありますので、発想はどうも天井が高い方が豊かになるというこ
ともありまして、そういうぜいたくな空間をつくることにいたしました。特に2階の、
みんながわいわいがやがやとミーティングをする場所は、全く仕切りをつくらず、横
幅20メートルで、縦100メートルという、小さい子どもが運動会の練習ができる
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ぐらいの広さをワンフロアでつくりまして、全く新しい、今まではどちらかというと
大学の研究所のような小部屋方式で、研究者が小さな部屋で一生懸命自分の研究をし
ていくというのが山崎の郊外の方にあります。それはそれで機能として残すのですけ
れども、武蔵小杉の方に新しくつくらせていただくのは、そういうこれまでにない研
究開発センター、画期的なものをつくることができて、間違いなくヒット商品が出て
くるのではないかと期待をしております。
私 ど も の テ ー マ は 、「 新 鮮 ・ 驚 き ・ 感 動 」、 お 客 様 に 新 鮮 で 、 驚 き が あ っ て 、 感 動 が
ある。お客様に買っていただいて、本当によかったという商品をつくっていくことを
モットーにしているわけですけれども、この間も山崎の研究所にいる我々の社員に説
明 し た と き に は 、 今 度 の 新 し い 研 究 開 発 セ ン タ ー は 、「 新 鮮 ・ 驚 き ・ 感 動 ・ 創 造 劇
場」だというようなことで、やはり今までの研究所というようなイメージをしっかり
壊して、創造的な破壊をして、新しい商品をどんどんつくっていこうではないかとい
うようなことを論じてきた次第であります。
川崎市さんには大変お世話になっています。申し上げたとおり、昭和33年に多摩
川工場ができて以来、あの近辺に私どもの社宅も多くて、私どもの宣伝部の社員の先
輩で山口瞳という作家がいるのですけれども、ちょうど彼が宣伝部のころに、あそこ
で「江分利満氏の優雅な生活」という本を書きまして、昭和38年の第48回ですか、
直木賞を受賞して、ちょうど木月大町の社宅に住んでいまして、狭いところだったの
ですけれども、その社宅で直木賞取ったと、驚いてしまいまして、その5年くらい前
に、同じように社員の開高健が芥川賞をとって、開高さんはその後茅ヶ崎に住むこと
になるわけですけれども、山口瞳さんの方は小さな社宅だったので、もうお祝いなん
かいろいろ来てしまうのだけれども、やはり社宅のみんなとお祝いをするために、近
所のすし屋さんから出前をとって大喜びしたなどというエピソードもあるくらいで、
そういうような、非常に我々もソフトのところを重視していますので、おもしろい商
品があの近辺から出てくると先輩にも喜ばれるのではないかなと、こんなふうにも思
っています。もちろん川崎市長を初め、川崎市民の方にも喜んでいただける商品をつ
くっていきたいと思っています。
以上でございます。ありがとうございました。
《質疑》
記 者 :では質問に移らせていただきたいと思います。山崎の方にも研究施設を残す
という話ですけれども、山崎の方の研究施設と武蔵小杉の役割分担みたいなのはどの
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ようにお考えになっていますか。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 :山崎の方は、やはり基礎研究、基盤研究とか、
それから原料酒開発ですね。それと動物実験とか、そういうようなものの伴う研究は
あちらに残します。こちらの方は、それこそ一般のお客様に直に接していただく商品
開発ということに集中していくという機能分担をはっきりといたします。
記 者 :今まで私の記憶では、大阪とか関西の方に研究機能を集約されていたと思う
のですけれど、首都圏にこのような施設を出すのは初めになるわけでしょうか。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 :初めてです。
記 者 :全く初めてですか。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 :全く初めてです。
記 者 :川崎の移転が本格的にというか、初めてやろうというふうに始まったのは、
市長がサントリーの方にお越しになった、昨年の4月以降ということでよろしいです
か。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 :そうですね。もともとやはり商品開発機能とい
うのを首都圏につくらなければというのはずっとあったのでございますけれども、多
摩川工場がこういう状態になったときに、ああ、絶好の場所だなという期待は我々に
はあったのです。ただ、社内でいろいろな活用アイデアがあったのですけれども、市
長がわざわざ私どもの東京、赤坂の社まで来られて、特に研究開発なんていうのはい
いのではないですかというふうなサジェスチョンをちょうだいして、それが引き金に
なったことは間違いありません。
記 者 :山崎の研究所の用地は島本町の中に入っているのではと思いますが、山崎は
基本的にどんなふうに考えていますか。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 :先ほど市長からもご質問があったのですけれど
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も、山崎の駅というのは難しくて、京都府と大阪府にまたがっているのです。
記 者 :大山(京都府大山崎町)の土地というわけではないのですか。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 :電話番号は、市外局番は京都なのです。
記 者 : 電 話 番 号と か 大 山 の と か 、 島 本 町 っ て 全 然 わ か り ま せ ん ね 。 山 崎 工 場 の あ る
場所のことですか。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 :山崎工場奥ですとか、島本町といっても、全然
イメージがわかないと思うのですね。山崎の土地は山崎工場があったり、あるいは山
崎の合戦があったりで有名ですので、山崎郊外とでもおっしゃっていただければいい
と思いますね。
記 者 :レンガづくりの蒸留所があるところですね。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 : そ う で す 。 そ こ か ら車 で 5 分 く ら い な の で す け
どね。
記 者 :隣接しているような場所ですか。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 :隣接といえば隣接ですけれど。
記 者 :大阪なのか、京都なのか、どちらでしょう。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 :今の場所ですか。
記 者 :はい、単純に山崎という表記になりますか、京都山崎でやられますか。
サ ン ト リ ー 東 京 広 報 部 課 長 :京都郊外のという言い方を使わせていただくことが多
いのですけれども、まさしく天王山のふもとの方で、府境にあるのですが、住所は大
阪なのですけれども、大阪に行くよりは京都に圧倒的に近いという意味で、京都郊外
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という言い方をさせていただくことが多いです。
記 者 :今回、山崎があそこを出て、あそこはサントリーさんの土地なのですけれど
も、多少の基本的には残していっても、商品開発センターというのはかなり有名なセ
クションだと思うのですけれども、それが首都圏に移すかというのは、やはり首都圏
のマーケットが、これはやはり無視できないなという、そういう意味合いがあるので
しょうか。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 :おっしゃるとおりですね。無視できないという
よりも、積極的に研究者、今の場所というのが、ちょっと山の中というのですか、研
究で静かにしているのには非常に適している場所なのですけれど、むしろ一般のお客
様の生活実態をよく見よう、スーパーマーケットに出てみよう、コンビニエンススト
アに出てみよう、あるいは夜の盛り場に出てみようというのには不適切な場所なので
すね。
そこへいくと、武蔵小杉のあの場所というのは南武線もあって、川崎にも出やすい
ですし、東横線もクロスしていますので、渋谷だとか、あるいは横浜にも出やすいで
すから、非常にそういう意味では、研究開発者というのは商品を開発するわけですけ
れども、その前にお客様の生活というか、お客様の心理状態というのもやはり開発し
ていって、お客様の満足を、喜んでいただく商品が初めて商品開発になりますので、
そういう意味では、今のお客様の実態を知るデータで、データを通して知るというよ
りも直接知ろうではないかという運動をずっとしていますので、そういう意味では、
やはりあの場所が本当に結果としていい場所になったなという気がしていますけれど
ね。
記 者 :いいところなんですが、中原の社宅に開高さんとか山口さんがいらっしゃっ
たのですか。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 : 開 高 さ ん は 、 社 宅 はこ ち ら に 住 ん で い な い の で
す。山口さんは、木月大町、今は建物が変わってしまったのですけれど、私も近くの
社宅に住んだことがあるのですが、木月大町の社宅というのは、昭和30年代にして
みたら、当時の言葉で言うとものすごいハイカラな、テラス式な社宅だったのです。
それが「江分利満氏」にも出てくるのですけれど、山口さんというのは、開高さんが
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芥 川 賞 を と っ て し ま っ て 、 社 業 が 忙 し く な っ た の で 、「 洋 酒 天 国 」 と い う 編 集 人 を 一
人募集しなければいけないというので、山口さんが入ってくることになるのですけれ
ど。それであの人はいろいろな出版社にいて、つぶれたり何かにして、寿屋に入って、
物すごいハッピーだったから、その小説がそうなったと思うのですけれど、社宅住ま
いをすごく喜んでいたようですね。
記 者 :市長、シティセールスが巧を奏したということになるのだと思うのですが、
簡単に言って、先もちょっとおっしゃいましたけれども、今回のことで、市長はどう
いう感想を持っていらっしゃいますか。
市 長 :研究開発機関が200以上を立地する一連の流れの一つとして、プラスに、
新しい方向の発展が見えているということで、磨きがかかるといって、大変すばらし
い こ と だ と 思っ て い ま す 。 主 と し て 工 業 製 品 、 機 械 類 や 何 か の 研 究 開 発 機 関 が 多 い 中
で、食品、飲み物というような新しい分野ですから、こちらには味の素があるのです
けれど、文化関係、文化とか、生活とか、そういうことに関する研究開発機関ができ
るというのが全く新しい方向で、すばらしいと思っています。
ご存じのとおり、西口の文化ホールで東京交響楽団が演奏をする、フランチャイズ
することになりましたけれども、サントリーホールを中心にして今活動している楽団
でありますし、それから、恐らく今度は食品とか種類についても、入れ物の課題もあ
るのだろうと思うのですが、近くに東京ガラス工芸研究所という、日本中にガラス工
芸作家を生み出している学校があるわけですよね。ですから、そういったいろいろな
ものの結びつきが新しく考えられるし、何といっても大消費地、文字通り、東京、横
浜、どちらにも便利ないいところでございますので、そういった意味で、いろいろな
可能性がこれから出てくるのではないかなと期待しているところです。
記 者 :環境への配慮をした施設であるというのは、もうちょっと具体的に何かご説
明いただければと思うのですが。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 :そうですね 、二つほどなのですけれど、一つは
緑地の、川崎市さんは特に緑地についてきちっと設けなさいというご指示があるわけ
ですけれども、今でもそうなのですけれども、そのご指示以上の緑地をきちっとつく
りますということが一つ。もう一つは、例えばこの照明の問題とか、省エネのところ
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がポイントになっているかなというふうに思います。照明もさっき申し上げたように、
4メートルの天高ですから、従来どおりの照明にしますと相当明るくしなければいけ
ません。それだと電気の消費量が多くなってしまいますので、その分、照明は今まで
よりも明るくない照度なのですけれど、各テーブルごとに近くで電気が操作できるよ
うに、必要な人だけが明るくできるようにというふうなことの配慮をしております。
空調なども、省エネタイプの空調を取り入れるのは当然であります。大体その2点で
すね。
記 者 :多摩川工場の地階面積、あと総面積というのは、これよりも大きいのですか。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 :敷地全部で8,800坪あるので、2万
9,000平米です。
記 者 :2万9,000平米が、要するに工場全体の敷地面積ですよね。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 : 工 場 敷 地 で す ね 。 そ れ で今 度 の 研 究 開 発 セ ン タ
ーが、7,200平米です。
記 者 :今、緑地を多くということですけれども、半分使ったらどうなるということ
なんですね。大きいのでいいますとどのあたりですか。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 :その道に対して南北に縦に流れております。そ
れを半分に分けて、その西側に今度研究開発センターをつくろうとしています。
記 者 :中原寄りですか。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 :中原寄り
です。
記 者 :残り半分はどのようにするのですか。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 :残り半分
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は、市長が私どものラグビーのファンだというお話で、中野島に私どもラグビーの独
身者が住んでいて、それで市長が応援してくださるわけですね。ぜひ、ラグビー場に
しろというのも、どうもご指示はないのだけど、心で思っていらっしゃるので、ラグ
ビー場のトライもしてみたのですけれど、公式戦をするには、残りの分ではだめなの
ですよ。ですから先ほども市長に、ラグビー場はできませんと謝っておいたのですけ
れども、何か社内施設で、やはりサントリーが全国に発信できるような、そういうト
レーニングできるような場所ができるといいなというのが、今のところ白紙の状態で
すけれど、そんな方向で、いずれにしても社内施設で使おうと思っています。
記 者 :運動広場みたいなところにするのですか。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 :大体体育会系が多いのですけれど、運動は別の
ところでトレーニングしてもらって、頭のトレーニングをするようなところがいいの
ではないかと思っているのですけれどね。
記 者 :残り半分は未定なのですか。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 :未定です。
記 者 :今ある建物は壊してしまうわけですか。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 : 今 は 完 全 に 壊 し て い ま し て 、 全 く 更 地に な っ て
います。一つだけ、分析センターというのが残っていまして、その分析センターも、
今度の商品開発センターの中にでき上がったら含めまして、入れてしまいますので、
それをなくして、また東側は本当にまっさらな状態になります。
記 者 :マーケティング部門というのも移転してくるのですか。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 :マーケティング部門は今赤坂にあるわけですね。
2005年の正月からお台場の方にできて、新しいビルの方に移っていくわけですけ
れども、マーケティング部門の中の新商品担当者というのは、本籍は赤坂やお台場で、
現住所は武蔵小杉にしろというような感じで、ですから出張者という、みんなが寄り
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やすいようなオープンなオフィスにしようと思っているのですけれど、やはりその中
でいつも一緒にチームが動いていると、やはり何となく活気が出てきて、いいものが
できてくるというふうに思っています。デザイナーなどもそうなのですけれど、デザ
イン側の作業部屋もつくってやろうと思っています。
記 者 :開発されるという新商品のことなのですけれども、今、ナショナルブランド
でどんというのはなかなか難しいのですよね。例えばセブンイレブンさんだけとか、
ローソンさんだけとか、そういうような見方とか、商品開発、特に企業イメージとか
やっていますよね。だからサントリーさんも、要するにどういうふうに新商品なのか、
それともコンビニとか量販店とか、特化した新商品なのか。どこをどの辺をターゲッ
トにした開発を担当されておられるのか。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 :私どもはやはりコンシューマ・オリエンテッド
( 消 費 者 本 位 )、 や は り お 客 さ ん を 喜 ば せ よ う 、 お 客 さ ん に ご 満 足 い た だ こ う と い う
のは、一般消費者をいつもイメージしていますから、その間に、おっしゃるように、
セブンイレブンさん、ローソンさん、コンビニエンスストアさんというのは、非常に
今、お客様にとって使い勝手がいい。だから、そこから発信するということも十分に
視野に入れていますけれど、いつもやはり最終消費者、お客さんをターゲットにして、
商品開発は進めています。ですから、あまり合わせにいくというよりも、我々の考え
方がこうだというので、振り抜いた商品をつくろうではないかという、そういうスロ
ーガンも掲げているのですけれど、やはり我々がいつも描いているのはマス型商品で
す。
記 者 :大事な話ではあるのですけれども、例えば、本社とか各所に散ら ばっている
マーケティングとかデザインとか宣伝とかの川崎分室みたいな感じになっていくわけ
でしょうか、イメージ的には。
サ ン ト リ ー 常 務 取 締 役 研 究 本 部 長 :そうですね。これを言うとマーケティング部門
の責任者が怒るかもしれませんが、こちらの方が居心地がいいというふうにできたら
なと思っているのですね。余りプレッシャーをかけてストレスがたまると、いいアイ
デアが出ませんから、天井高を4メートル以上にしたというのもそんな考え方もあり
まして、なかなかここにくるといいなという、そんなふうにしたいと思っているので
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すね。アクセスがいいのが非常に魅力的ですよ。また、社員もこの近辺に住んでいる
のが多いですから、非常に来やすいのではないかなと思っています。
司 会 :それでは以上をもちまして、サントリー関係の記者会見を終了させていただ
きます。
サントリーの皆様には、ご退席をお願いします。
(サントリー
退出)
≪市政一般≫
司 会 :続きまして、市政について、質問をお願いします。
(危機管理セミナーについて)
記 者 :では市長にお聞きしたいのですが、先週木曜日、東京で危機管理セミナーと
いうのを出席されたようですけれども、これ、私などが、市長が何か講演するのでは
ないかと思っていたのですが、受講されたという。そのときの感想をお願いします。
市 長 :全国から市町村長が随分参加していました。何人集まっていたかな、市町村
長だけで100人超えていたのではないかと思うのです。新潟県の知事なども来てい
ましたし、横須賀の市長なども本人が参加していましたし。あと全体では何人いたか
な、四、五百人いたのではないですか。大変な盛況でした。
消防庁長官が最初にあいさつをして、東大の何という先生だったか、危機管理の情
報管理関係の専門の先生が講演をして、それから特に防衛関係の小川和久さん(軍事
アナリスト)の危機管理についての説明を聞きまして、大変参考になりました。
具体的なことについては、専門的にいろいろやっていかないといけないと思ってい
るのですけれども、基本的な考え方だとか対応の仕方とか、そういったことについて
のヒントが得られたと思っておりますので、これだけ大きな問題ですから、少しでも
多く新しい情報を取り入れながらやっていきたいと思っていますので、そういった意
味で大変参考になりました。
(水源環境税について)
記 者 :話が変わりますけれども、水源環境税の問題ですが、再三、水道局長お三方
(横浜・川崎・横須賀市水道事業管理者)で反対の申し出がかかっていますけれども、
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専門部会で改めて、やはり水道料金に上乗せした方が一番よろしいのではないかとい
うのを出しましたけれども、一応市長のご意見というのはよく伺っているのですが、
改めてお願いします。
市 長 :水源の受益者というのは水道だけではないとか、これまでに出尽くしている
ような点があるわけですけれども、一たん水道事業者が特別徴収義務者になるのでし
ょうけれども、水道事業者が税金を納めて、それを市民に転嫁するという課税の仕方
だ と 、 水 道 料金 の 値 上 げ と の 関 係 だ と か 、 い ろ い ろ な こ と で ま た 問 題 が 起 こ り ま す し 、
ちゃんとした料金がとれないのに税金だけ納めないといけないということになると経
営を圧迫するということになったり、もちろんこういった時期で、水が余っている状
態で設備過剰の状態になっていますので、ある程度は節水も大事なのですけれど、あ
る程度水を使っていただかないと仕事が成り立たないという苦しい事情があるもので
すから、そういったことから考えると、県の条例で、ストレートに条件をみんな決め
て、ストレートに取っていただきたいと、そういうことなのですね。水道事業者に第
一義的な納税とか徴収の責任を負わせてほしくないというのが本音なのです。
記 者 :松沢県知事が専門部会の意向を最大限に尊重して云々とおっしゃっています
けれども、これについてはいろいろな場でお話し合いなさるのでしょうけれども、今、
どういうご感想を持っていらっしゃいますか。
市 長 :直接その話を私はお伺いしていないのですけれども、そういう報告書が出て、
そういった報告書を尊重をしてというお話は聞いておりますが、具体的にそれでやっ
たらどうかという打診は受けておりません。今後いろいろな議論が行われる中で、ど
ういうのがいいのか。固まっていくのではないかと思っております。
直接お会いして、話しする機会があれば、率直に水道料金上乗せは困りますよとい
う話をしようかと思っています。
(川崎西武の閉店について)
記 者 :市長、川崎西武ですけれども、もう四、五日で閉店だと思われるのですけれ
ども、その後、何か3フロアぐらいはこのまま使うという回答のお話もあったのです
けれども、何かそれ以外に聞いていらっしゃいますか。
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市 長 :私もあそこについては詳しい情報は聞いていないのですけれども、非常に残
念な話です。正確な話かどうかわかりませんが、量販店みたいなものが入るのではな
いかとか、いろいろなうわさとしては聞いておりますけれども、どういう形になって
いくのかは非常に重要な課題だと思っております。
( 羽 田 空 港 再 拡 張 に つ い て)
記 者 :それとあと羽田の拡張の件で、川崎は300億円ですか、国から無利子で貸
し付けてほしいとのことですが。
市 長 :それは県と横浜市、川崎市で300億円ぐらいに計算上はなるのではないか
という話ではなかったですか。どう割り振りするかは全然わかりませんけれども。
記 者 :単純に考えれば100億ですか。
市 長 :どうなるのかわかりませんけれども。
記 者 :無利子貸付をしてほしいとのことですが、無利子貸付についてはどうなので
すか。
市 長 :ですから、第一、仮に無利子貸付をこちらが行おうとした場合に、その財源
が一体どこから出てくるのか、いずれ返ってくるとはいっても一時的に資金が凍結さ
れるわけですから、お金がなければできない話であります。その財源をどう調達する
のかという問題とですね。
それから、こうこうこういう理由だから負担しろというのと違って、貸付というの
は返してもらうわけですから、そうすると、事業主体が果たしてどういう計算に基づ
いてそういう金額が出てくるのか。それから、返す方の懐具合というのはどういう計
算になっているのか、それは全く不明の状態なのです。普通、金を貸すのに相手の計
算がどうなっているのかを聞かなければ貸せないでしょう、常識的に言って。それが
わからないでぽんと出てくるというのは、ちょっと困ったことだなと思っているので
すが。
記 者 :意地悪な言い方をすれば、要するに国に貸しますけれども、本当に返しても
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らえるかどうか。国の交付税特別会計の借金を相殺していくとか、そういうようなこ
とも考えられなくはないと思うのですが、要するに今の状況では貸せるのですか。
市 長 :どういう理屈なのかよくわからないのですが、羽田空港の場合は利用率も非
常に高いし、恐らくいろいろな計算をすればそのぐらいの資金は民間からも調達でき
るし、返すだけの力は十分にあるだろうと思うので、そういう中で、そういうスキー
ム(計画・枠組み)がどうして出てくるかなというところがよくわからないのですけ
れどね。
記 者 :市 長 と し て は 、 今 も 国 の 責 任 で と い う 、 こ れ ま で の 立 場 に 変 わ り は な い で す か 。
市 長 :そうですね。借り入れをして返すのであれば、幾らでも資金調達をするとこ
ろはあるだろうと思いますので、ですから、どういう計算で、どういう理屈になって
いるのかなということで、勝手にいろいろ想像してみたりはするのですけれども、よ
くわからない。理解ができないという状態ですね。
(市立病院の経営健全化について)
記 者 :市立病院についてですけれども、先ほど懇話会の方で提言が出ましたけれど
も、市長は非常に慎重な言い回しで、全部適用(地方公営企業法の)についてはおっ
しゃっていませんけれども。
市 長 :全部適用する方向です。実際には条例でやらないといけませんから、今の段
階ではっきりとどうだこうだというのではなくて、それは3病院、あわせて全部適用
する公営企業にしようかという考え方のもとに、ああいう報告をいただいているわけ
です。
記 者 :18年に北部医療施設を開業するときには、既に全部適用に移行しているの
でしょうか。
市 長 :そうですね。そのぐらいになるのではないでしょうか。
記 者 :そのとき病院事業局みたいなものができるということですね。
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市 長 :そういうことになりますね。公営企業になると、水道局とか交通局と同じよ
うな形になっていくと思います。
記 者 :16年度の予算には間に合わないのですか。
市 長 :16年度は、そうですね。まだ詰めていくことが少し残っているのではない
かと思います。
記 者 :では17年度ぐらい。
市 長 :それはできるだけ早く、あの体制のころだと思いますけれども、16年度は
ひょっとしたら無理かもしれませんね。17年度の当初からということもあり得ると
思うのですが、まだ具体的に決めているわけではないので、その辺はちょっとまだあ
いまいですけれど。
記 者 :その場合の事業管理者に対する打診はまだしないと思いますけれども、どう
いった人たちが適任かという人探しというのはいかがですか。
市 長 :いろいろな候補者について、今、情報を集めている最中です。
記 者 :全部適用に移行するというご判断、一番の原因というのですか、踏み切る理
由というのは何でしょうか。
市 長 :一つはやはり経営管理体制をきちっとすることですね。今だと病院の体系と
人事についても、市長部局で全部やるような形になっているわけですから、病院の中
で完結できるような仕組みにもっていった方が効率的にできるだろうということで、
経営がやりやすくなるだろうということもあります。それから3病院体制で規模が大
きくなりますので、その辺の責任体制やら何やらきちんとしないといけないと思いま
す。
(マイコンシティについて)
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記 者 :マイコンシティなのですけれど、昨年度、結局ゼロになったというのでかな
り苦戦しているみたいで、検討委員会ではそろそろ更新かと思うのですけれども、主
としてリースのような考えはありますか。
市 長 :そういう方法でもいいですから早く利用してもらうようにしたいと思って、
担当には検討してもらっています。
記 者 :あくまでも分譲にはこだわらないということですか。
市 長 :そうですね。分譲が第一ですけれども、金額の問題や何かで分譲がうまくい
か な い と い うこ と で あ れ ば 、 リ ー ス と い う の は 非 常 に 有 力 な 手 法 だ と 思 い ま す 。 特 に
値段が下がってきて、低い値段で売却するというときに、今まで買った人たちとのバ
ランスの問題が出てきたり、いろいろなことがあり得るので、そういう矛盾がないよ
うにできるだけしていきたいと思っています。
記 者 :リースの場合は、市は全部分譲で事業から手を引くというのが最終形なので
すけれども、リースの場合はずっとかかわっている。かかわらざるを得ないような、
泥沼みたいな感じになる可能性があるのですけれども。
市 長 :それは手法の問題で、結局、土地が利用されて、あそこで生産活動が行われ
るということが大事ですから、ですからこちらの経営管理の仕方云々はこだわらない
で、あくまでもあそこの団地の有効活用という観点から考えてきたいと思っているの
です。
(夏休みについて)
記 者 :話は変わりますけれども、夏休みはどのようにお過ごしですか。
市 長 :夏休みは1週間ほどとるのですけれども、前半、8日から3日間ぐらいは女
房のつき合いで、京都の鞍馬山の近くに行こうかと思っているのですけれども、後半
は、自宅のおふろが大分汚くなっていたので、おふろのユニットの入れかえをやろう
かと思って、一応発注済みです。
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記 者 :去年は行革の勉強でしたね。
市 長 :そうですね。休みではなかったようでしたね。
記 者 :就任以来、夏休みらしい夏休みは今年が初めてではないですか。
市 長 :初めてですね。
記 者 :これまではおふろ場を直されていたのですか。
市 長 :そうですね。前はよくカビが生えるので、カビ落としを私がやっていたので
すけれども、ことしは土曜、日曜や何かで出ることが多くてゆっくりできないので、
カビも大分ふえてしまいまして、ですからことしは一挙に入れかえ、ユニットに入れ
か え て し ま お う か と 思 っ て 。( 笑 )
(タマちゃんについて)
記 者 :また全然違う話なのですけれども、昨年、川崎市の重大ニュースでトップに
なりましたアザラシのタマちゃんが出没して、あさってで1周年を迎えるんです。
市 長 :あさってでちょうど1年になりま
すか。
記 者 :はい。今はもうどこにいるかもわ
からないのですけれども、改めてやはり
川崎で戻ってきてほしいのですが、そう
いったような要望があれば、ぜひお聞か
せください。
市 長 :あくまでもここは本籍地なものですから、本籍地としての扱いは多少まだ残
っておりますので、例えばバスのラッピングでタマちゃんをやったら非常に評判がい
いとか、よそに行って川崎市を紹介するときに、多摩川に沿って細長くということで、
例のタマちゃんが出現した多摩川ですと話をするとか。やっぱり本籍地扱いですよ、
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今でも。いや、ハマちゃんにならなくてよかったと思っていますよ。タマちゃんでよ
か っ た と 思 っ て い ま す 。( 笑 )
記 者 :では、川崎市としては、いつでも戻っておいでというような体制を努めてお
くということですか。
市 長 :そうですね。戻ってきたら、里帰りしたら、いつでも歓迎したいと思ってい
ます。
司 会 :それでは以上をもちまして終了いたします。
(以上)
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えで掲載しています。
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℡044(200)2355