大人が変われば未来が変わる

こどもミュージアムプロジェクト
特別対談
「大人が変われば未来が変わる」
辻 由起子氏
子供の貧困対策や親学、男女共同参
画など様々な自治体で親と子供を取
宮田 博文
株式会社宮 田 運 輸
代表取締役社長
×辻
り巻く環境改善に向けて取り組まれ
由起子
ています。
大阪府子ども家庭サポーター
こどもミュージアムプロジェクト
〇心の持ち方・考え方
宮田:先日の辻さんの御講演をお聞きし、本日はご縁をいただきました。 宜しくお願いします。
辻:ありがとうございます。こどもミュージアムプロジェクト(以下プ ロジェクト)の放送も拝見しました。
宮田:ありがとうございます。以前、辻さんは倉庫会社でもお勤めされて
いたとお聴きしました。
辻:そうなんですよ。約6年在籍していました!リーチリフトの操作に は自信があります(笑)
宮田:元夫の薬物中毒や倉庫での仕事など色んな経験をされていて、今の
ご活躍があるんですね。
辻:10代でこれでもかという地獄を見て、経験して、今となってはそ
れが財産になっていますね。海外では内戦やテロなどの混乱があり
ますが、インフラの整ったここ日本ではまだそれ以上のケースには
宮田:失われた尊い命はもう取返しがつかないですが、まだ活かされた命
あっていません。
があるじゃないかと考え直しまして、この命を活かしあうという視
宮田:辻さんの心の持ち方、考え方が素晴らしいですよね。
点に立って考えてみると、トラックを活かす方法がまだあるんじゃ
辻:それぞれが自分の命を留守にせずに、自分の命ときちんと向き合う ないのかというのが、このプロジェクトのきっかけとなりました。
ことが大事だと思います。命を保つために経済活動があるというね。 決して逆ではないですよね。みんながかけがえのない命を持ってい
るわけですからね。そうなれば世界中から奪い合いなんて無くなる
と思います。
宮田:同感します。私も親父の背中を見て育ち、小さい頃からトラックが
好きでしゃにむに働いてきましたが、このトラックが人の命を奪っ
てしまうという現実を目の当たりにしました。自分の好きな仕事が
人の命の奪うなら、この世界にトラックなんて無いほうがいいので
はないかとも考え目標を失っていた時期がありました。
辻:そういう時期があったんですね。
〇管理・監視ではなく人の心を育んでいく
辻:倉庫会社時代に上司から、物流は経済活動でいえば血液だと叩き込
まれました。この血液が止まると活動が止まるから魂を込めて仕事
しろ!と教えられたことを思いだします。
宮田:まさにその通りなんですが、物流の現状は、納期短縮、無事故、ミ
ス0などは当たり前という要望の中、車内ドライブレコーダーの設
置や長時間労働、運転士達と会社側で監視する・されるの歪な構図
が出来てきています。現場で頑張る社員達からどんどん笑顔が消え、 こどもミュージアムプロジェクト
また事故が起きるという負の連鎖で、疲弊していくような社会はも
ピング車を見ると心が温かくなると思います。
う限界だと感じています。
宮田:世界 140 万台のトラックすべてがこのラッピング車になったら、優
辻:そうですね。
しい気持ち、思いやる気持ちが出て、事故はもちろん、争いもなく
宮田:行き過ぎた監視、管理ではなく、人の心を育むような、事故を無く なり、世界が平和に一歩近づくのではないでしょうか。いち中小企
す取り組みにしていかないといけないと思って、このプロジェクト
業ですが、これを世界に発信していきたいと考えています。
を行っています。これは人の良心を育んで、発露していくことで周
辻:なるほど。いつも思うのが思わず笑ってしまうようなラッピングも
りを明るくしていくものだと確信しています。
あっていいですよね。
辻:すごく素敵な取り組みですよね。私も放送を拝見しまして、まちに
温もりを与えてくれる取り組みをありがとうございます!と思って 拝見していました。
宮田:ラッピング車を見たお婆さんが手を合わせて拝んでいたということ
もありました。
辻:拝みたくなりますよね!私も車を運転しますが、渋滞時など周りの
ドライバーがピリピリしているのがわかります。そんな時、このラッ
〇「想い」が伝わると働き方も変わる
宮田:はい、トラックを危ない、環境に悪いという物として捉えるのでは
なく、親しみや温もりを感じられる物になれば、それを運転する
運転士も働きがいが出てくるんですよ。
辻:ですよね、単純に物を運ぶだけで捉えると物質的な繋がりだけですが、
そこに様々な「想い」があるんだと伝わってくると働き方自体が変
化しますよね。
先日、離婚をされた男性の方の話しを聞きまして、それはクリス
マスに離れ離れになった子どもにプレゼントを届けたいというお話
しでした。送っても受取拒否をされるかもしれないという状況なの
ですが、そこでその男性が大手運送会社の営業所へ行き事情を話し
たところ、配達員の方の対応が、「事情はわかりました。先方には受
け取ってもらえないかもしれませんが、依頼者のお気持ちを届けさ
せていただきます」と涙を流しておっしゃってくれて、その男性の
方もまた涙を流して喜んでいたのです。結果は受け取ってもらえな かったのですが、もしこの男性や配達員の想いの詰まったプレゼン
トが子どもに届けば、子どもの人生がひょっとしたら変化していた
のかもしれないですよね。
宮田:ああ、本当に素晴らしいですよね。配達員の方も心の部分で仕事の
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いた絵でもいいわけです。先日も岐阜県瀬戸市での出発式に参列し
てきたのですが、その絵は各小学校から募集した絵でした。瀬戸市
長や警察署長まで来られていて、このプロジェクトは地域の繋がり
も育むものだなと実感致しました。人はみんな元々どこかで繋がっ
ているわけですから、この繋がりを実感できる良心の輪をもっと拡
げていけたらなと思います。
辻:安全標語だけでは事故撲滅は難しいですしね。
〇永続的発展で考える
宮田:はい、2020 年迄には世界中のトラックの半分はラッピング車にし
たいですね。
辻:経済資本主義ではもう限界がきています。これからはもっと公益性
をもった経済活動が必要で、昔の「三方善し」の考え方です。こう
本来の使命を感じての行動だったのでしょうね。ですから、私達の
いう活動を行う親、大人の背中を子ども達にきちんと見せていくと
仕事は、物をただ届けるというのではなく、人と人を繋ぐ仕事をし
いうのがまた重要だと思いますね。
ているんだということをもっと意識し、感じることで働き方も変わっ
宮田:はい、会社の永続的発展を考えていくと、社会のことも考えて行動
てきますよね。いま、ドイツやフランスではトラックがテロの凶器
しないといけません。自社だけ、業界だけ儲ければ良いというので
として使われています。非常に悲しい出来事で心を痛めています。
はなく、みんなが発展していくことが大事ですよね。
そういう使い方ではなく、このプロジェクトを通して世界を幸せに
辻:大変共感します。先日の食品メーカーでの新春講演から良いご縁を
し、テロをも無くしていけるようにしたいですね。
頂きました。(笑)
辻:人と人は合わせ鏡ですから、怒りや憎しみを持ったまま相手にぶつ
辻:私も物流の仕事を経験していたのでわかりますが、朝は早くて、夜
けるとそのまま自分に返ってきますし、自分がしんどいです。その
は遅いし、暑い、寒いししんどい仕事ですよね。ただ働いていただ
ベクトルの向きを変えるきっかけとして、ラッピングの絵やメッセー
けだときついしか残らないのですが。当時の上司が熱い素晴らしい
ジをふと目にすることで、あたたかい温もりが感じられますし、ラッ
方でした。振り返って考えてみると、あの上司で良かったな思いま
ピング車がたくさん増えればいいなと思います。
すね。だから、社員の方や周りへの発信力を高めていくことも大事
宮田:トラックに限らず、このプロジェクトは社員の家族をも巻き込んで
ですよね。
のものなんです。例えば子どもがいなくても、他部署の子どもの描
宮田:はい、仕事の意味や働きがいを持って仕事をするという部分の、価
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値観を共有していくのも経営者の仕事だと捉えています。
ないですね。
辻:事故はもちろんだと思いますが、変わるきっかけが何かあったんで
〇夢が失われつつある社会
すか。
宮田:いま辻さんの活動拠点は茨木市ですか。
頭では理解できていても、腹落ちしていなかったんですね。あの事故 辻:拠点は茨木市ですが、活動は全国で行っています。昨日は国会で、
今朝は茨木市役所で会議でした。
辻:いま将来に希望が持てない子どもがたくさんいます。なぜかという
と親がそもそも夢や希望も持っていないんですね。それを見て育つ
子どもはどうせ人生なんてと思って、夢や希望を持たなくなるんで
すよ。
宮田:わかります。
辻:自分は子どもがいないから関係ないとかではなく、地域や学校、ま
ち全体で子どもをわが子と思って育てていく、それが周り回って自 分にも返ってきますからね。
宮田:企業経営でも夢を語らない昨今、いま、夢をおもいっきり語ろうと思っ
ています。
辻:元気な人の周りにいると自然とエネルギーが沸いてきますよね。
宮田:4年前の死亡事故が起きた時、不安でしょうがなかったんです。で
もある時、不安で生きるより、夢や希望を語っていくほうがいいよ
なと思いまして、それからは夢や理想ばかり語っています(笑)
辻:楽しいことを考えているときがエネルギー高まりますし、成果もで
ますよね。仕事を楽しく出来れば最高ですよね。
〇大人が変われば未来が変わる
宮田:それまでは経営とはこうだという考え方や、過去の常識、習慣に囚 われていた自分が辛かったのですが、今は仕事が楽しくてしょうが
宮田:経営者の稲盛和夫さんの「利他の心」などを学んでいました。ですが、
が起きてから本質的な自分と徹底的に向き合うことで腹に落ちてきま した。それで心がクリアにされたというか、その部分が大きかったで すね。
辻:なるほど
宮田:売上、利益優先の経済活動の今のままで本当にいいのか。もっと命
を輝かし合う、活かしあう活動をしていくべきじゃないかとなりま
した。それで、毎月の会議も以前は数字ばかりでしたが、名称も「み
らい会議」と変更し、午前は数字を扱い、午後は心の部分を育むも
のにしました。参加者も管理職だけでなく、自由参加にしました。
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これが興味を持たれまして、今でははるばる北海道の帯広からオブ
ザーバーで来られる方もいます。
辻:素晴らしいですね。小学生などが参加しても面白いですよね。
宮田:そうですね。この会議にして良かったのは毎回感動があるんですよね。
人生観や夢を語り合い一緒にヨガをしますから。そこでお互いを知っ
て理解していくんです。
辻:成果の出ない職場で共通しているのは、お互いのことを知らないん
ですよね。ある自治体の政策に携わらせていただいていますが、あ
イ ク ボ ス と は 、職 場 で 共 に 働 く 部 下 の 仕 事 と 生 活 の 調 和( ワ ー ク・ラ イ フ・バ ラ ン ス )を 応 援 し な が ら 、
組織の業績も結果を出しつつ、自らも仕事と生活を充実させている上司(経営者・管理職)のこと
る自治体では首長がイクボス宣言をしまして、首長は外出も多いで
すので、副首長が各部署で職員と一緒にランチをするんです。毎回
テーマがあって例えば、「朝起きてから役所へ出勤するまで出来事の
話」です。ある子ども3人もつ職員は子どもがなかなか起きず、保
育園に送って行き、身支度を整えて出勤したらギリギリでした。や、
ある独身職員は出勤時間ギリギリまで寝ていました。など色々あり
ました。これが良いのは、お互いの事情が分かり合えて寛容の気持
ちが出るところです。今まで、子どもが熱出して早く帰っていた職
員がいて、その分仕事が他の職員に回ってきますよね。そこで不平
不満が出てきてしまう。でもランチ会を通じて事情を共有している
ので、そういうケースがあっても不平不満にならない。だから部署
の成果が上がってくると。職場の関係だけではなく、プライベート
も含めて人生なんですよね。ミスがあるときに多いのはプライベー
トで何か問題が起きているんですよ。子育て、介護、彼女に振られ
たなどね。仕事の決まり事やマニュアルで解決するのではなく、プ
ライベートの事情をお互いに配慮しあったり、寛容になることで人
(社員)を守っていくというね。ですから、みらい会議で社員同士が
語り合える企業風土になられていこうとしているのが素晴らしいと
思います。
〇周りを支えていく
宮田:社会や企業でもそうですが、いま何か問題が起こるとみんなで責め
立てる風潮があります。そうではなく、何か困ったことがあるとみ
んなで大騒ぎしてことに当たるようにしていきたいです。例えば、
子育てで問題があれば、別の社員の家族が見ても代わりに面倒を見
るとかですね。そうしていくことで社員、家族みんなを知り、思い
やりが育まれていきますよね。
辻:いいですよね。仕事が楽しくないと人生半分損したようなものです
もんね。
宮田:はい、みらい会議の参加者で58歳になる転籍した社員がいますが、
日曜の夜が1番楽しいと泣きながら言いましてですね。日曜の夜に
作業服を用意しながらこの1週間どんな事が起きるんだろうと、次
の日仕事に行くのが楽しみでしょうがないと。この場にいた他の人
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達はそこで何かを感じますよね。この方も仕事への関わり方が今ま
してコーヒーを入れるんです。まずリーダーが良心を発揮させて取
でと違うと仰るんですね。だから日曜の夜が楽しみになるんです。
り組んでいくと社員もよし今日も安全運転でいこうとなるんですよ。
人生の大半が仕事なわけですから、そこをもっと良くしていって幸
辻:素晴らしい取り組みですよね。
せを感じられるようにしていかないといけませんね。
辻:怒り恨みをもつとそれが連鎖していきますが、温もりを持って関わっ
ていけばその温もりが循環していきます。これが少しずつでも拡がっ
ていけばきっとまちも明るくなりますよね。
辻:次のアイデアはおありなんですか。
宮田:次というわけではないですが、以前からの取り組みで朝の点呼の時
間を「メリータイム」と名付けまして、点呼者が出勤してきた社員
に挽きたてのコーヒーを入れるんです。そのコーヒーを入れるタン
ブラーをサプライズで社員の子どもがそれぞれデザインしてくれま
してね。これも単に法律で決まっているから点呼をやるんではなく
て、せっかくのその機会を活かして、社長はじめ各リーダーが率先
〇「愛」で経営はできる
宮田:いま、これらの活動は自分が子どもの時にイメージしていたものと
一致しているんです。それまでは小さい時のイメージと会社経営と
が少し乖離していたのですが、今は「愛で経営出来るやん!」とい
う思いにいたっていまして、楽しくてしょうがないですね。(笑)
辻:逆に愛がなければ経営は出来ないですよね。
宮田:はい、管理とかではなくまずリーダーが愛や良心を最大限発揮させて、
取り組んでいくことが重要なんですよ。
辻:出し惜しみなくね。
宮田:はい、出し惜しみなく発揮していく。だからそういう場をどんどん
設けていまして、いまは創立50周年の社歌を作成しています。こ
れも社員の子ども達に協力してもらって今取り組んでいるところで
す。この社歌は頑張るお父さん達へのメッセージにもなっていて、
運転中に CD で聞いたりもできます。ここでも、小さい子ども達の
中に1人だけ専門学校の子がいましてね。普通そんな小さい子の中
に入ってこないと思うのですが、なぜ来てくれるのか聞いてみたん
です。そしたら、「自分はお父さんと二人で住んでいて、小さい時か
ら野球の練習時に毎朝お弁当を作ってくれたと。だからお父さんが
働く会社の社歌作りに自分が来たらお父さん喜んでくれるかなと
思って」と言うんですね。
辻:優しい子ですね。
宮田:はい。この社歌作成には子ども達や当然お母さん達も来てくれます
ので、家族と会社が一体となって取り組めるんですよね。
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またこれらを時代が求めていると思います。
辻:そうですね。やっぱり愛のある所にユーザーもお願いしたくなりま
すよね。老人の孤独死、孤立した子育ての問題もありますが、配送
が唯一の繋がりになっている事例もあり、そこで命が救われるかも
しれないですよね。
宮田:はい。ですからやることはまだまだあります。
辻:宮田社長のすごいところは、コーヒーの事例もそうですが、もう出
尽くしたアイデアの隙間を突いてどんどん実践されているところで
すね。
宮田:不平不満、愚痴はたくさんあるんですが、基本はみんな 1 つになり
たいと思っています。人を動かそうと思って操るのではなくて、人
が自然と動きたくなるような取り組みやそういった場をこれからも
どんどん作っていきたいですね。
辻:表面的にポジティブになろうと作ってもぎこちないものになります。
辻:これらのお話しだけを聞く方や、読まれる方は綺麗ごとばかりに聞
宮田社長のように本当の悲しみを経験していないと心の底からポジ
こえてきて否定的な意見を持つ方がいらっしゃるかもしれません。
ティブになれないと思います。
でも宮田社長の取り組みと私の活動は根っこの部分で共通している
宮田:社歌製作で感じるのですが、子育てと経営は一緒だなぁと思いますね。
のでとても共感できます。子どもの貧困対策などの活動を通して実
辻:私も一緒だと思います。先日の講演後にいくつかメールをいただき
感しているのは、家族のぬくもりを知らずに育った方には、親が与
ました。それは、最初は子育てと仕事がどう結びつくのかと思って
えることが出来なかった愛情を、会社や地域など、社会がこれでも
聞いていたけど、通じる部分がたくさんあって参考になりましたと。
かといいうぐらい愛情を注ぐべきなんですよ。愛情は家族でなくて
も注ぐことができます。
宮田:わかります。
辻:その愛情を受けた子ども達はきちんと愛情を持った人に育ち、新し
い家族を築いていきます。
宮田:はい、分断された世の中になっていますが、困難や苦楽をみんなで
支え、一緒に助け合いながら進んでいくというところが非常に重要
で、別の会社だからとか、人の子だからというのではないですよね。
〇幸せを分かち合う
宮田:はい。先ほども申し上げましたが子どもの時に描いていた夢と、今
のビジョンを使いわけることなく、愛で経営ができるんだというところで
すね。弊社の理念も「幸せを分かち合い」と成文化はしていますが、
「幸せ」
とは苦楽を一緒に分かち合うことが重要なんですよ。
辻:愛憎というものは表裏一体ですから、クレーマーなんかも本来はそ
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の会社を愛していますしね。
宮田:そうですね。世界を経済的に発展というよりかは、もっと優しい気
持ちが拡がる世界にしたいですね。
辻:はい。
宮田:先日、事故の被害者のご家族からお手紙を頂きました。このプロジェ
クトを始めるにあたって私が一番気にしていたところでした。内容
としては、「我が家では今も亡くなったお父さんが生きているように
楽しく食卓で話題にのぼり楽しく家族で話しをしています」と。
辻:はい。
宮田:「事故された方にも2人のお子さんがいたと聞いておりますがどうお
過ごしですか。また、この取り組みを知って私の中でひとつ区切り
になりました。今後もこのプロジェクトを応援しています」と書か
れてありました。
辻:ああ、そこまで気持ちの整理をつけられたんですね。人を赦すとい
うのが人間一番難しいところだと思うのですが。
宮田:はい、このお手紙をいただきましてね、これは生かされた命を存分
に活かしあっていくことが大事だなと思いました。だからここをお
もいっきり取り組もうと思います。
辻:世の中にはそこの意味がわからないという方達もいると思うんです。
自分の身体を自分が傷つけて何が悪い、人をだまして何が悪いのと
いうね。そうじゃないんですよね。今はまだ見えてないかもしれな
いし、出会えてないかもしれないけど、そんなあなた達を見守る私
らが付いているよと。そういう温かい空気をトラック1台からまち
に届けて下さるこのプロジェクトが今後ますます楽しみです。
【辻 由起子 さん の活動内容】
https://www.facebook.com/yukiko.tsuji.12
宮田:必ずみんな良心をもっていますから、思う存分にそれを発揮し合っ
ていきたいと思います。
【こどもミュージアムプロジェクト】
https://www.facebook.com/kodomomuseum.jp/?hc_ref=SEARCH