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「これからの建設業を生き抜く
これからの建設業を生き抜く」
を生き抜く」資料
友人の会計事務所の冊子から引用
激動の建設業界をテーマに、その現状と生き残りの選択肢を考えます。分かりやすくするた
め受注の減少に悩む土木業の経営者・田中社長と税理担当者との会話形式で物語を進めて
います。さて、田中さんはどうしたでしょう。
5 日前
田中「とても真剣に悩みましたが、やっと田中建設の生き残りの選択肢を
決めました。経審で地域トップ3になる力はありませんから、
下請に徹する施工サービスで経営をしていくことにしました。
担当 「そうですか。経審は捨てるということですね。よく決断しましたね。
でもこれからが勝負です。勝ち残らないと。」
田中「もちろんです。でも施工サービスに徹すると決めたものの次は何をし
たら良いのか聞きたくて来たのですが。」
担当「なるほど。ほかならぬ田中社長ですから、特別にお教えしましょう。
とにかく、はじめにすることは『利益の出せる仕組みを作る』こと
ですね。
その為には通常の損益計算書を変動損益計算書に組み替えるところ
から始めるのです。」
田中「変動損益計算書?それは何ですか?」
担当 「今までのように公共工事の元請を重視している場合は、あまり縁のな
いものだけど、下請に徹していく以上は必ず必要になります。
では、変動損益計算書を簡単に説明します。」
変動損益計算書
通常の損益計算書は商法などの規定に従って作成されているものですが
変動損益計算書とは通常の損益計算書の製造原価、販売費及び一般管理費
などの経費を、売上に比例して増減する費用(変動費)と、売上の増減と
は関係なく一定に発生する費用(固定費)とに分け、経営者の意思決定を
支援するために、経営上の採算点や数値を容易に捉えることができるよう
に組換えたものです。下記が簡単に図にしたものです。
<通常の損益計算書>
売
上
高
<変動損益計算書>
売
上
高
△製
造
原
価
→
△変
動
費
-------------
売 上 総 利 益
-------------
△販売費及び一般管理費
----------
限 界 利 益
----------
△固 定 費
-------------
当 期 利 益
----------
当 期 利 益
田中「変動損益計算書なんて、今まで作成したことはないですね。建設業
で考えると、変動費は材料費や外注費ということですか?」
担当「それだけではなく。外注労務費、重機リース料、ガードマン費用や
現場が稼動している場合だけに発生する現場経費などがあります。」
田中「なるほど。でも、変動損益計算書で何をするのですか?」
担当 「まず、利益の出る仕組みを作るには、変動損益計算書の限界利益を
中心にした考え方が大事になり。今までのような完成工事中心で、
公共工事さえ取れればなんとかなるという考えは捨て、限界利益中心
の限界利益志向に経営方針を切り替えていくんです。」
田中「限界利益志向ですか。なるほど、売上から変動費をマイナスしたもの
が限界利益ということは、要するに現場管理が重要ということになり
ますね。それでいくらの限界利益があればいいのですか?」
担当 「単純に固定費以上の限界利益があれば黒字にはなりますね。でも限界
利益志向というのは、限界利益がいくらという前に、自社の限界利益
率も把握する必要があるんだ。限界利益÷売上高が限界利益率だけど
限界利益率は公共土木で良いところは45%、ひどいところは25%
なんてこともあるし、それ以外の土木工事(宅地造成、基礎・外構
工事)はある所の資料からだと35%前後。建築工事業で25%前後
だよ。社長の会社は何%ですか?」
田中「最近は受注金額の低価格化が進む中、採算を無視したタタキ受注もあ
るので、10%台じゃないですかね。工事によっては限界損失かもしれ
ないです。」
担当 「なるほど。それでは、どのように限界利益率をアップさせて、限界利
益を増加させることができると思う?」
田中「変動費の内容をきちんと把握して、無駄を無くすしかないですね。」
担当 「その通り!じゃあ、その方法を次回具体的に説明します。それと社長
の会社の変動損益計算書を作成してきてください。」
田中「わかりました。いつも現場ばかりでしたから、数字となるとなんだか
大変そうですね・・・。会社に帰り作ってみます。」
3日後
田中「こんにちは。うちの変動損益計算書を作ってみました。限界利益率
は18%と悲惨な状況でした。しかも固定費以上の限界利益を確保す
るのには300万円ぐらい足りない状況です。」
担当 「なるほど。ずさんな現場管理だったのかな?では、どのように限界
利益を増加させるか説明してみます。前回説明したように一番重要な
ことは変動費の内容を確認することです。まずは材料費と外注費の管
理がポイントです。」
変動費の管理
1.資材購入の仕組みを確認する
材料費の場合には単価の高い材料を仕入れていないかを確認することで
す。相見積もりを3社以上取ることは当然です。また、日頃から同業他社
や資材業者と情報交換をし1円でも安い材料を仕入れる努力をすること。
2.下請外注の仕組みを確認する
外注費には材料込みと手間請けの2種類があります。材料込みの場合は
管理が楽というメリットがある反面、下請に材料管理を任せすぎると自社
で数量が読めなくなり、下請の材料仕入れが過剰になったり、ロスを生じ
させたり、故意的に横流しをされる等のデメリットもあります。
その為材料込みであっても、大まかな数量管理は自社で行う必要があります。
手間請けの場合は日数管理だけが注意点になります。また、外注費は原則とし
て下請との契約に基づいて注文書を発行して行うので予算時との差異は生
じませんが、長年の付き合いから契約をせずに「なあなあ」になってしま
い、予算額以上の外注費を支払っている例も見受けられます。このような
ことがないように事前に下請業者と契約を取り交わす必要があります。
田中「へえー、納得です。わかっていてもなかなか行動に移せていません。」
担当 「そこが、建設業経営者の弱点かもしれないです。でもやろうと思えば
必ずできる事ですね。」
田中「そうですね。社長である私自身が変わらなければ駄目ですね。」
担当 「はい(^-^)/。そうですね、今説明した材料費・外注費の管理以外にも、
工期の短縮化でガードマン費用を削減することも考えられるし、重機の作業効率
を上げ稼働率を上げれば、リース費用なども削減できるよね。そして現場経費の
中身をきちんと把握することも必要ですよ。」
田中「現場経費?うちは受注額の5%~10%で実行予算を立てます。」
担当 「それが問題ですね。なぜ受注額の5%~10%の現場経費が必要な
のかの根拠がないよね。」
田中「確かに大体このぐらいかかるという感じですね。そう考える
と現場経費も細かく把握して実行予算を組まなければ完璧な現場管理
はできないですね。」
担当 「そうです。そして変動費の管理ができたら次に固定費の見直しです。
固定費は人件費・地代家賃・減価償却費・支払利息等売上があっても
なくても発生する経費だよね。まずは無駄なものがないかを調べまし
ょう。必ず、削減できるものがあると思います。
それに固定費は社長の判断ひとつで削減できますから。」
田中「最近固定費の中身は見ていません。再確認してみます。」
担当「特に固定費の中では重機のチェックが重要です。少し説明します。」
重機の管理
重機の管理
◎最初に無駄な重機がないかを「重機稼働率」を調べて、年間の稼働率が
5 割を切っているような重機は処分を検討するか稼働率を上げる必要が
あります。処分の方法は売れる重機はまず売ります。しかし、古くなっ
て売れないような重機は、持っているだけで保険料や修繕費等の費用が
かかりますので、例えば下請さんにプレゼントすることなどを検討して
も良いかもしれません。
田中「重機稼働率ですねえ、今まで考えたこともありませんでした。確かに
たまにしか使わないのに維持費がすごく掛かる重機がありますね。」
担当「冷静に考えれば、重機自体の作業効率が向上することや稼働率を上げ
るための方策を考えて行くことがこれからは重要な課題になると思いま
すが、いかがでしょうか?」
担当 「重機をチェックしていくことで管理のコストや修繕費負
からも逃れられることになるからね。それに下請さんに無料貸出
してあげれば感謝されると思いますよ。」
田中「わかりました。急いで重機稼動率を調査します。」
生き残りをかけた方向転換には経営者
生き残りをかけた方向転換には経営者の
経営者の考え方を変えてひと工夫する時間と実践が必要だと
思いますが
ますが。
思い
ますが
。貴社はどうしますか?
IG会計事務所 抜粋
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