3-4-8 ミッキーマウシングから鳴り響きつつ動く形式へ: 映像

A4(縦長)、上下左右のマージンは 15mm
3-4-8 ミッキーマウシングから鳴り響きつつ動く形式へ:
映像作品の形式美
From Mickey Mousing to "tönend bewegten Formen":
a Perspective on Formalistic Beauty of Film Work
○栗原詩子(西南学院大学)
映像研究は、写真研究や文学研究を応用して発展してきた。しかしな
がら、映像は、空間上に視覚的に提示される対象であると共に、ある時
間内に聴覚的に展開する対象でもあるから、写真研究の方法論のみでは
限りがある。また、言語も物語を伴わない映像の場合、文学研究の方法
論のみでは限界がある。そこで、第三の道として、音楽学的視点の導入
を提案したい。
事例として、映像作家マクラレン(1914-1987)の《リズメティク
Rythmetic》
(1956)と《シンクロミーSynchromy》
(1970)を提示する。
マクラレンは、カナダ映画制作庁アニメーション部門を代表する作家で
ある。従来より、
「動画-音響」間の同期・反映が評価されてきた作家で
あることから、事例として選んだ。
Fig.1《リズメティク》にみられるリズム
Fig.2《シンクロミー》の色彩選択