Application Note [AO-12] 香気成分・文献データベースを用

Application Note [AO-12]
Aroma
Research
Database
香気成分・文献データベースを用いた
柑橘精油の香気成分の同定(立体異性体の照合例)
はじめに
香気成分には、異性体、同族体の中に同じまたは極めて近いマススペクトルを示すものも少な
くありません。そのような場合はマススペクトルの照合による同定が困難になり煩雑化します。そ
こで重要になるのが GC 部から得られる保持指標です。
AromaOffice(アロマオフィス)には、国内外の著名な雑誌で報告された文献情報および保持指
標を 72,998 エントリー収録しています。
ここでは、柑橘製油中に含まれる“beta-phellandrene”と“ sabinene” について、保持指標の
実測値と AromaOffice の収録値を照合することによる化合物の同定事例を紹介いたします。
*データベースに収録されている雑誌、各種項目、および収録数等の詳細は【アプリケーショ
ンノート:AO-01】をご参照ください。
1. 検索条件および結果
“beta-phellandrene”と“ sabinene” に関して情報を調べる場合、AromaOffice のメイン画面の
検索条件に、CAS No=“555-10-2(beta-phellandrene)”または “3387-41-5(sabinene)”、そ
して Column=“DBWAX”を選択して検索することにより、Fig.1 および Fig.2 に示すように文献情
報が示され、それぞれ複数の文献から得られた保持指標の平均値、最小値および最大値を得る
こ と が で き ま す 。 AromaOffice か ら 得 ら れ た 各 化 合 物 の 保 持 指 標 ( 平 均 値 ) “ 1208
(beta-phellandrene)”と“1119(sabinene)”を、実際の測定より得られた保持指標“1211”と比較
することにより、この例では“beta-phellandrene”と同定するこができました。
*保持時間から保持指標を自動で算出する機能は、【アプリケーションノート:AO-01】をご参照く
ださい。
FIg.1 “beta-phellandrene”に関する保持指標情報
Application Note [AO-12]
MCR02-C12 Rev.Sep11
Aroma
香気成分に関する『化合物・文献情報データベース』の構築
Research
Database
FIg.2 “sabinene”に関する保持指標情報
まとめ
一般的に、異性体や類縁体の特定については、マススペクトルの照合による同定が困難にな
り煩雑化します。その場合は、GC 部から得られる保持指標をデータベースと照合することにより、
より確実な化合物の同定が可能となります。AromaOffice には、過去の文献にて報告された様々
な保持指標が収録されているため、数多くの事例と実測値を比較し、化合物を同定することが可
能となります。
佐藤 克久
西川計測株式会社
mail : [email protected]
お問い合わせ先
西川計測株式会社
東京都港区三田 3-13-16
Tel : 03-3453-1337
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