平成 27 年度 修士論文概要 実機ロボティックスワームの群れ行動生成のためのシステム構成法 Design of a Physical Robotic Swarm for Collective Behavior Acquisition 機械システム工学専攻 生産システム A 研究室 M143413 安達 明俊 【背景と目的】 1m 0.5 m 75 75 50 50 Score Score 25 25 2 3 4 8 12 number of segmentations 24 0 0 0 25 Score 50 75 4m 1m 1m Swarm Robotics (SR) は比較的単純な多数の自律ロボットを用いて,局所的な相互作用を通し て集合的な振る舞いの創発を目的とした研究領域である.SR では群れとしてのシステムは,各個 体をシステムとして捉えると,多くのシステムから構成されると捉えることができる.本研究で は,群れとしての性能の向上の際に,個体のシステム構成としてセンシング能力と,全体のシス テム構成としてロボット台数がどのように影響するか議論する.実験はシミュレーションと実機 の両方で行う. 【実験設定】 6m 実験ではロボット台数と個体のセンシング能力を変化さ 0.5 m 0.5 m せることで調査を行う.その際,センシング能力の変化は, ロボットに搭載している全方位カメラの視野を円周方向に 分割し,その分割数により変更する.実験は協調荷押し問 題を取り扱う.Fig. 1 にロボットと荷物の初期位置を示す. 1 台では運べない荷物を環境右側のゴールに向かい運搬す Robot Object Goal line 3m 2.5 m ることを目的とする.運搬した距離を評価値として扱い,3 つの荷物の運べた距離の合計とする.各ロボットは制御器 Fig. 1: The experimental environment として Artificial Neural Networks を使用しており,その結 合荷重値をシミュレーション上での進化で獲得する. 【実験結果 · 考察】 シミュレーション上でロボット台数が (a)20 台 (b)50 台の時について,入力の分割数を変えた 時の結果を Fig 2. に示す.ロボット台数 20 台の時は,入力情報が 4 分割の時,最も高い評価値を 示し,それ以上の分割数での評価値の向上は見られなかった.このことから入力情報の増加が必 ずしも性能の向上につながるとは言えない.それに対して 50 台のときは入力情報の分割数による 評価値の差は大きくは見られなかった.このことから台数を多くすることで個々のセンシング能 力が低くても,群れとしての能力を発揮することが可能であると考えられる.Fig 3. に実環境で ロボット台数 20 台の時の結果と Fig 4. に振る舞いの様子を示す.実環境では,12 分割が最も高 い評価値となり,ロボットが荷物を運ぶ様子が確認できた.この結果より個体をシンプルなシス テムで構成することで群れとしてのシステムの性能が上がることが分かった.また,構成する台 数の増加により個体のロボットが利用する情報の節減が図れると考えられる. 2 3 4 8 12 24 number of segmentations (a) n=20 (b) n=50 Fig. 2: Moving distance of objects in simulation 2 3 4 8 12 24 number of segmentations Fig. 3: Moving distance of objects in real enviroment Fig. 4: Behavior snapshot (segmentations p = 12)
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