より快適 より快適に 快適に暮らすために( らすために(気圧、 気圧、自律神経と 自律神経と精油) 精油) JAA主任講師 楢林 佳津美 生気象学(気象現象が人間をはじめとした生物に与える影響を研究する学問)というものがあ りますが、今回は、特に低気圧の時は不調を感じやすいので、そのときにどう精油を使うか考え てみます。 例えば、梅雨や台風、秋の長雨など低気圧が近づいたとき体はどのようになっているのでしょ うか?気圧が低いとは、体全体を圧迫している圧力が弱いということです。例えば、登山すると きにポテトチップスの袋を山頂までもっていくと、袋がパンパンに膨れますが、そういったこと が程度の差こそあれ、体で起きています。細胞 1 つを取ってみても、細胞は外から押されてい たのに、その圧が弱くなるので、細胞の中の水が細胞外へ出ます。つまり、気圧が低いとむくみ やすくなります。気道の細胞でこの浮腫みが起きれば、気道が細くなるので、喘息発作を起こし やすくなります。また、脳全体を圧迫していた圧が小さくなるので、脳の容積が大きくなる傾向 がありますが、頭蓋骨で脳は囲まれているので、膨らんだ脳は圧迫されて、頭痛を引き起こすこ ともあります。 また、血管を圧迫する力も減るので、血管は膨張傾向になり、血液が流れやすくなります。こ れにより、心拍数が減ったり、血圧が下がり気味になったりします。低気圧の時は天気が悪いの で、光が少なく、また、気流は上昇しているので、酸素も薄く、体はセーブモードになり、副交 感神経が優位になります。これにより、血糖値が低下したり、意欲が低下したり、疲労感も増し ます。 更に、低気圧の時は炎症やアレルギー、痛みに関係するヒスタミンが分泌されることが分って います。ヒスタミンは、交感神経を刺激するので、痛みの閾値が下がり、痛みを感じやすくなり ます。また、気圧が低いので副交感神経優位になりがちな体をヒスタミンは交感神経優位にさせ ようとするので、人によっては自律神経失調のような状態になることもあります。 さて、こんな低気圧のときにおこる不調を精油でどう対処したらよいでしょうか? 低気圧の事例ではないのですが、自律神経に関係する事例を1つお話ししましょう。 昨年の春からトリートメントをさせていただいている 85 歳の女性です。彼女は左乳房乳がん の腫瘍切除、放射線治療後、2cm のがんが右肺に見つかりました。 私と会ったとき、咳で困っているということでしたが、医師は放射線の後遺症だから仕方がな いと言ったそうです。私がいつ咳が出やすいのですか?と伺うとお風呂に入った時、就寝するた めにベッドに入った時にひどく咳をするということでした。これを伺ったとき、副交感神経が優 位になる時にせきが出やすいのだなと思いました。 そこで、交感神経をアップさせる精油が入った咽スプレー(40 度のウォッカ20mlにペパ ーミント5滴、レモン5滴、ユーカリ・ラジアタ4滴、ティーツリー3滴、ラヴィンサラ3滴) を渡し、咳の時に口の中にスプレーするように指示しました。すると、2日後咳が出なくなった と喜びのお電話を頂きました。 こういったタイプの方は気圧が下がった時も交感神経アップの精油を使うと良いことが想像 できます。また、小さいときに小児ぜんそくだったなどアレルギーが心配な方もこの事例の女性 と同じように交感神経アップの精油を用いると体調が良くなると思います。図は、グレープフル 日本アロマコーディネーター協会 ーツとラベンダーの芳香で交感神経と迷走神経(副交感神経)の活性度を表すものです。10分 の芳香でもその後も随分とそれぞれの神経に影響を与えることがわかります。 低気圧の時は抗ヒスタミン作用のあると言われるティーツリーの使用もお勧めです。 日本アロマコーディネーター協会
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