「得」よりも「徳」

「得」よりも「徳」
校 長 峯 岸 洋 行
「得」:「得」の右のつくりは貝と又を組み合わせた文字です。貝とは、貴重な子安貝の
ことで貨幣とされていました。そこから、「得」とは自分のために手に入れ、利
益を得る、の意味が生まれました。
「徳」:「徳」の右のつくりは「悳」と書き、「直心(じきしん)」と読みます。「直心」
とは、人間が生まれながらにして持っている優しい心で、「徳」とは、その優し
い心を人のために役立てて行動する、実践するという意味になります。
私が幼い頃は、祖父や近所のおじさんに「徳を積みなさい。」とか「悪いことをすれ
ばお天道様が見ているぞ。」とか言われ、人に親切にすること、物を大事にすること、
弱い者いじめはしないことなどを学びました。
しかし、最近の風潮は、「徳」よりも「得」に意識が変化してきているようにも感じ
ます。いかに要領よく損をせずに得をし、得をするためのテクニックやスキルを身につ
け世を渡っていくかは大人社会では必要な側面もありますが、子どもたちには物事を判
断する基準が「得」ではなく、「徳」であってほしいと願うものです。
さて、今年も6年生が小学校生活の思い出や
学んだこと、考えていることなどを卒業文集という
形で表現しました。私は、この卒業文集を見て、子
どもたちが一人前の人となるためにいろいろなこと
を学び、「徳」を積んできたかと嬉しく思いました。
ここで、そのいくつかを紹介します。
今の気持ちをずっと持っていてほしいです。
(さくらんぼ集会に向けて 1 年生と準備する6年生)
●私は、小学校生活の6年間で成長したことが大きく1つだけあります。それは「心」
です。6年間でたくさんの行事や人と関わりがありました。心を合わせること、心で
考えること、そして心で感じることを大切にしています。
●環境委員会で、人のために学校をきれいにしたりしています。そして、今まで支えて
くれた人、助けてくれた人のために恩返しができたらなと思います。
●この体験から、大人になっても大事な「あきらめないことの大切さ」を知ることがで
きました。大人になっても、何事もあきらめずにやりぬきたいです。
●ぼくは、この夢をもってから、どんな小さな出来事にも「ありがとう」という感謝の
気持ちを伝えるように心がけてきた。それは、感謝の気持ちを伝えることでお互いが
温かい気持ちになれるからだ。
●人に支えられているから、良い環境の中で力をつけることができています。そんなお
父さん、お母さん、コーチに対して感謝の気持ちでいっぱいです。
●私は、この試合のおかげでサッカーが好きになったし、何かをみんなでやり遂げる楽
しさ、友だちの大切さを改めて学ぶことができました。
●この「あんとれすくーる」では、辛いことや喧嘩になったことがありましたが、それ
を乗り越えた先には、素晴らしい達成感が生まれることを学びました。大人になって
もあきらめず頑張りたいです。
あと一か月で今年度が終了しますが、子どもの成長がしっかりと感じられました。保
護者の皆様、地域の皆様には、この一年間、本校への深いご協力と力強いご支援を賜り、
職員一同心より感謝申し上げます。新年度も引き続き、ご支援ご協力を賜りますようお
願いいたします。