子どものとき、マラソンが大嫌いだった。 今ならわかる。なぜ走るのが

平成 27 年度坂井市立三国西小学校
学校だより
2015.5.15
no,1
書いた人 校長 八十嶋章雄
子どものとき、マラソンが大嫌いだった。
小学生の時は肥満児でした。体重=身長―100+5ぐらいだったと思います。とに
かく、走ることは短距離も遅かったし、長距離はクラスで一番おそかったような気がし
ます。だからとうぜんマラソンは大きらいだった。というかなやみの種だった。それで、
学校でマラソンがあるととても落ち込みました。トラウマだった。だから、ネガティブ
さがしでマラソンが出ていたのは当然だと思ったし、そのままでは、嫌いな児童が幸せ
にならないと思い、学校だよりに書くことにしました。
今ならわかる。なぜ走るのが遅かったか?
子どもの時はわからなかったけれど、大人になってなぜ子どものときうまくいかなか
ったのかわかるということがけっこうあります。ひとつには、自分が教師になったから
という事情もあります
よく健康診断で体つきのわりに「なんでこんなに体重があるの?」と言われました。
そのわけは、骨密度(こつみつど)が異常に高かったのでした。つまり骨が重い体質だ
ったのです。子どものとき骨密度なんて計らないし、そんなことわかるわけありません。
それに、体がいじょうに柔らかい体質だったのです。それでどうも、足に筋力はあって
も、うまく力が地面に伝わらない走り方だったようです。大人になって、人間ドックな
どで骨密度をはかってなぞがとけました。大人になって、垂直跳び(その場で上にジャ
ンプする。)をはかると80cmぐらいありました。かなり高い数字です。なのに走る
のはおそい。(これも思い込みで、記録を思い出すと結構上の方だった。)ただ、力がう
まく地面に伝わってない感覚はありました。なぜ気がついたかというと、自分の息子が
同じ体質だったからです。運動能力はあるのに走らせるとあんまり速くない。走ってい
るフォームをみると、いじょうに体が弓なりにそってしまう。普通の人はやろうと思っ
てもそんな姿勢はとれないぐらい曲がる。これではスピードがつかないと理解できまし
た。走るのがおそいと、小学校では自信がつきません。そんなに重大に受け取らなくて
もよい能力なんですが、小学校では競走があるのでどうしてもそうなります。それで、
だいぶん、そんをしたと思います。自信が持てなかった。自己尊厳感(じこそんげんか
ん・セルフエスティーム→自分に値打ちがあると思う気持ち)が低かった。ひっこみじ
あんでした。今なら、教えることができます。体が柔らかすぎる体質でも、どこをかた
くすると、うまく力が伝わるか?走り方は、教師になってだいぶん研究しました。それ
は自分が走るのが苦手だったからです。
マラソンの走り方、教えられます。
今は、マラソンとか山登りとか自転車は生活の一部です。特にマラソンは、健康でい
るためには、必要なことです。
そこで、小学生のみなさんにもマラソンを好きになってほしいです。それは、人生で
健康を保つために必要だと思うからです。
まずはじめに言いたいことは、好きじゃない人、得意じゃない人は、他の人と競走し
ないこと。競走するなら、きのうの自分と競走する。つまり自分の最高記録が出るよう
にがんばる、ということです。そして、走るのが苦手な人は、歌うこととか絵を描くこ
ととか、ほかのことでがんばって、バランスをとってください。
走るのが苦手な人でも、ゆっくり走るのは好きだというふうになってほしい。ゆっく
り走るのが好きになって、走ることが多くなると、やせます。これがいいよね。ちょう
どよいペースで走ると、気持ちよく走れるし、長い時間走っていられます。そうすると
やせます。やせれば、体が軽くなるので、走るのもちょっと速くなります。
技術的には、大事なのは①けんこう骨を動かして、ひじを後ろに引いて腕ふりをする
こと(へその前でたいこをたたく感じ)②丹田(へその下5cm)に意識を置いて、腕
ふりに合わせてこつばんを足の一部として動かすこと。そして、足首より先の動きは、
ブレーキがかからないように、一回前に振り出した足先を引きもどしながら、体の真下
で着地する。かかとより少し前の足裏で地面につきます。③走る速さは1km7~8 分
ぐらい。話しながら走られるていど。④これを一週間に 3 回、30 分ぐらい。これでやせ
ます。多分。30 分がむずかしい人は 5 分でもいいです。それなりにやせます。本当に走
りたくなったら、時間を長くしていけばいいと思います。
チャンスがあったら私といっしょに走りましょう。ゆっくり長く走ると、走り終わっ
た後でとても気持ちがいいです。足のつき方や、腕ふりの仕方、体のしせいなど、教え
ることができると思います。
なんでもそうだけど、大事なのは好きになること
人生で一番大きな課題(かだい)は何だと思いますか?言い方はいろいろあると思い
ますが、私は、「自分の好きなことを仕事にできるかどうか?」だと思います。その前
に、自分はどんな仕事が好きか、なかなかわからないということがあります。だから、
小学校ではいろんな体験をしますし、自分からいろいろ体験してみるのが大事です。自
分の好きなことが決まっている人は、そこにまっしぐらでいいと思いますが、それでお
金がかせげるかという問題があります。そこで、好きじゃないけど、生活するために仕
事を選ぶということもあります。そのあたりが「人生の勝負」だと思います。何が好き
かわからないときは、周りの人に聞いてみるのもいいでしょう。案外自分でわからなく
ても、いつも様子を見ている人が教えてくれることがあります。
好きなことを人間は選びます。好きなことをして時間を過ごします。でも、なんでも
かんでも好きになれるとは限りません。ネガティブをポジティブに変えてみることをや
りましたが、大きらいなマラソンでも、ゆっくり走ったりすると、楽しいことを発見で
きるのではないでしょうか?他人と競走することはやめて、マイペースで気持ちよく走
れば、レースでメダルがあたらなくても満足できると思います。
マラソンが苦手でも自転車とか水泳なら得意という人もいます。そういう手もありま
す。これでも健康になれます。でも、小学校にはマラソン大会がありますから、そこは
変えられないので、ネガポジでのりこえるしかないかも?