株式会社アイシン精機 「内燃機関用吸気装置」 (特許4683296) ① 応募発明等の概要 気持ちの良い走りを実現するために、内燃機関への空気取り入れには低回転時は長い吸気管、 高回転時には短い吸気管が必要とされました。これを実現するために以前はアルミ合金の素材の 内部にバルブを設けた複雑な構造で、重く、生産コストも高いという欠点があり、それを打破す るためにアルミ合金の素材を樹脂化して軽量化し、かつ生産コストの低減も実現。またロータリ ーバルブにより通気抵抗を低減し、大量の空気をスムーズに取り込めるためエンジン出力も向上 させることができるようになりました。 しかし、空気供給路のロータリーバルブの供給切換え口が閉じた状態において、空気供給路に 発生する 吸気脈動などにより、ロータリバルブに振動が発生することで出る衝突音や、ロータ リーバルブとインテーマニホールド本体との間に隙間が発生しシール性が悪化してしまうことに よる低中速トルク低下の問題を解決する構 造を考案することで、静寂性と高トルクを兼ね備えた可変吸気インテークマニホールドが実現 できました。 ② 従来発明等の課題と開発ニーズ 従来のローターリーバルブでは、 バルブが閉じている時にエンジン吸気脈動によりロータリーバルブが振 動すると現象に起因して、ロータリーバルブとボアが接触することによる「衝突音」が発生します。また バルブが大きく変位することで弾性シールがボアから離れてしまう 「シール性の悪化」 の課題がありました。 ③ 応募発明等の特徴 1つ目の課題である「衝突音」の解決方法は、従来構成では、バルブがボアに接触して大きな衝撃音を発 生していましたが、C(バルブとボアのクリアランス)よりも、A(バルブと弾性シールのクリアランス) を小さくすることによって、ロータリーバルブがボアに当たる前に弾性シールに当たる構造に変更し、衝突 音を軽減しました。また2つ目の課題である「シール性」の解決方法は、従来構成では、バルブ変位の片振 幅は「バルブとボア間隔:C」であったため、 「第2シール間隔:B」が「バルブ変位:=C」を吸収でき ず、バルブに押されシールがボアから離れシール性が悪化していました。そこで、まず衝突音対策で「シー ル間隔:A」を「バルブとボア間隔:C」よりも小さくしたことにより「バルブ変位」を「=A」とした上 で、 「シール間隔:A」よりも「第2シール間隔:B」を大きく設定することで、シールがボアから離れな い構成としました。
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