暑い季節を快適に

第6学年
組
家庭科学習指導案
指 導 者
1
題材名
暑い季節を快適に
2 題材の目標
(1) 涼しい住まい方や日常着に関心をもち,快適な過ごし方を考えたり,必要な手入れをしたり
しようとする。
(家庭生活への関心・意欲・態度)
(2) 涼しい住まい方について課題を見付け,自分なりに快適な住まい方について考えたり,工夫
したりすることができる。
日常着を気持ちよく着るために,着方や手入れの仕方について考え,自分なりに工夫することが
できる。
(生活を創意工夫する能力)
(3) 日常着の手入れが必要であることを知り,衣服の洗濯や手入れができる。
(生活の技能)
(4) 季節の変化に合わせた生活の大切さが分かり,快適な住まい方について理解することができる。
衣服の働きや日常着の手入れの必要性と方法を理解することができる。
(家庭生活についての知識・理解)
3 題材と児童
(1)題材について
本題材は,学習指導要領の内容,(2)「衣服に関心をもって日常着を着たり,手入れをした
りすることができるようにする」を受けて構成されている。「C快適な衣服と住まい」の(1)
「衣服の着用と手入れ」のアと(2)「快適な住まい方」のイとの関連が図られ,夏を涼しく快
適に過ごすための衣服の着用と住まい方の工夫ができるようにしている。
また,衣服の働きを知り,日常着の手入れとして,衣服を大切に扱い,気持ちよく着るため
に簡単な洗濯ができるようになることがねらいとして挙げられている。
衣服の役割は,主に生活活動を支えることと,保健衛生を保つことがある。その衣服を長く
気持ちよく着るには,「手入れ」が必要であり,それは日常生活の中で常に行われていることで
ある。小学生に身に付けさせたい手入れの1つとして,ここでは洗濯について取り上げる。
衣服の様々な働きを知ることにより,場面によって適切な衣服を選んだり,児童があまり日
常していない手洗い洗濯の仕方を知り,実践したりすることによって,衣服を大切にしようと
する態度を育てることができる。さらに洗剤や水についても着目し,環境にも意識して行動す
る力を育てることができる題材である。
(2)児童について(省略)
(3)指導にあたって
本題材の洗濯学習では,洗濯実習を通して,洗濯の手順を理解させ,汚れに応じた手洗いの
仕方や環境に配慮した洗濯の仕方を捉えさせること,そして家庭での実践化をねらいとしてい
る。学校で学習したことを家庭で生かせるように,家庭科の授業では,以下3つのことを中心
に授業を進める。
・家庭での仕事に目を向けさせ,方法や工夫などを調べさせる。
・調べたことを友だちと交流し合うことで,考えや理解を深めさせる。
・実践的,体験的な活動を通して,言語活動を図りながら指導を進める。
最近の洗濯機は全自動が多く,さらに洗濯から乾燥までできるものが多く出回っている。こ
のようにくらしの中で洗濯の過程が見えなくなってきている。手洗いについて学習することに
よって,洗濯の過程を理解させ,汚れが落ちていくことの気持ちよさを味わわせたい。実物を
用意して実際の取り扱い表示等を見せたり,手入れの実習をさせたりすることで実生活の場で
生かせる力を付けるようにしたい。また,プロのこつということで,家族に洗濯するときのポ
イントをインタビューし,家族が汚れを落とすためにしている工夫を聞き取り調査することで,
家族の支えを感じ取らせるようにする。
本時では,汚れている靴下や軍手をきれいにすることを通して,どのように工夫すると,汚
れが一番落ちるのか考えさせ,グループで話合いをし,自分たちで考えたよりよい方法で汚れ
落とし実験を行うようにする。グループごとに行った実験の結果から,ひどい汚れでの手洗い
の有効性や洗剤の量や水の温度による汚れの落ち方の違いを調べることで実感を伴った理解を
させ,定着を図りたいと考える。
学び合う場の工夫としては,グループで考えた洗濯を実践した後,全体に結果を発表し,考
察する場を設定する。そしてその後の家庭での活動に結び付けるようにしたい。
4
題材の指導計画
時間
総時数9時間(本時
学習内容
一 1 ・家の中で涼しく過ごす
次
ための着方や住まい方
の工夫について話し合
う。
2 ・実験を通して,通風の
仕方や暑さへの対処の
仕方について分かった
ことをまとめる。
3 ・家庭で涼しく快適に過
ごすための工夫を考え
実践計画を立てる。
二 4 ・衣服の働きを調べ,い
次
ろいろな場面に応じた
衣服の選択をする。
5 ・衣服の汚れについて調
べたり,衣服を気持ち
よく着るための手入れ
の仕方を話し合ったり
する。
三 6 ・自分のハンカチを洗濯
次 ・
して手順を知る。
7 ・インタビューしてきた
ことを基に,洗濯のプ
ロになる方法を考え,実
験計画を立てる。
8/10)
評価の観点と規準
努力を要する児童への
関 創 技 知
支援
・涼しく過ごすための快適 ○ ○
・快適に過ごすための工
な着方や住まい方につい
夫について具体的な場
て関心をもっている。
面を想定させ,温度や
・自分の生活を振り返り,
空気の流れなど考える
住まい方や着方について
よう助言する。
考えている。
・夏を涼しく快適に過ごす
○ ・教室での風通し,日ざ
ための暑さへの対処の仕
しの調整,室温の3つ
方や通風の仕方について
を視点として実験を設
理解している。
定することで,
「涼しい」
「気持ちいい」を実感
できるようにする。
・住まい方について課題を
○
・今までの学習から涼し
見付け自分なりに夏を涼
く快適に過ごすための
しく快適に過ごすための
ポイントを記入し,家
住まい方について考えた
庭での実践に結び付け
り,工夫したりしている。
るようにする。
・衣服の保健衛生上,活動
○ ・いろいろな活動,季節
上の役割について理解し
で着る衣服の実物を提
ている。
示して考えがもてるよ
うにする。
・汚れの種類について調べ
○ ・汚れに関するグラフを
衣服の手入れや洗濯の必
分かりやすく提示する
要性について理解してい
ことで洗濯の必要性に
る。
ついて理解できるよう
にする。
・洗濯に関心をもち,プロ ○ ○
・洗濯の手順を知ること
のこつについて調べ,ポ
により,自分なりの方
イントを絞った条件を考
法を考えることができ
え実験計画を立てている
るようにする。
8 ・自分たちで考えた,汚 ・自分たちの計画に従って
本
れが落ちる方法を実践
実験し,よりよい洗濯の
時
する。
方法を考えている。
9 ・プロのこつを生かした ・学習した全てのこつを生
・
洗濯にチャレンジする
かした洗濯ができる。
10
※うちでもチャレンジしよう。(課外1時間)
○
○
・前時までの学習の成果
を分かりやすく掲示し
たり,アドバイスした
りする。
・基本的な手順に従って,
手洗いの仕方が身に付
くよう板書や掲示物を
整える。
5 本時の計画(8/10)
(1)ねらい
洗浄実験を通して,衣服の汚れに応じた洗濯の仕方や環境に配慮した洗濯のこつを考え,ま
とめることができる。
(生活を創意工夫する能力)
(2)学習過程
過程
つ
か
む
3
分
学習活動(形態)
予想される児童の反応
1
自分たちのグループのおためし実 ・学習の見通しをもたせるために,1時間の学習
験の方法を発表し,学習の見通しを
の流れを示す。
もつ。
(一斉) ・洗濯の手順をを振り返ることができるように手
順を書いた用紙を掲示する。
2
本時のめあてを確認する。(一斉)
自分の軍手をきれいにするための,洗濯のこつを見付け,まとめよう。
追
究
す
る
30
分
3
深
め
る
4
9
分
ま
と
る
3
分
指導の手立てと評価
自分たちで考えた汚れを落とす方
法で実験をする。
(グループ)
・水だけと洗剤を入れたもの
・水とお湯
・洗剤の量を多くする。
・洗濯機と手洗い
・グループごとにたらいや必要なものを準備する
・実験の方法を見ることができるよう,ぬれない
ように工夫したプリントを準備する。
グループごとに結果を発表し合い ・おためし実験の結果や他のグループの結果から
洗濯のこつを考える。
考えたことを書くことができるシートを準備す
(一斉)
る。
・水よりもお湯の方が汚れが落ちた。
・洗剤の量は多くても汚れは落ちない。
・汚れがひどいときは,手洗いの方が
グループごとに汚れを落とす方法で実験を
落ちる。
し,その結果から汚れが落ちる方法を考え,シ
ートにまとめている。
(観察,学習シート,発表)
△おためし実験の方法や結果が分かるように
シートを準備し,まとめる。
5
本時の学習を振り返り,次時への
見通しをもつ。
(個)
・初めて知ったこと,学んだことが自分の生活に
生かせることなどの視点でふり返りをし,家庭
での実践化につなげる。
・今日のがんばりを称揚し,次時は,今日の実験
で分かったこつをもとに,洗濯することを知ら
せる。
(3)評価の観点
・グループの発表を基に,全体で共通理解する場を設定したことは,実感を伴った学
習につながったか。