Chapter 20 Linearity of Expectation 1. トーナメントグラフ 2. Sum-free sets 3. 支配集合 4. 独立数 5. 低次数の多項式 6. 最大充足可能性 7. Hashing functions 8. Submodular complexity measures 9. Discrepancy 20. 期待値の線形性 確率変数 X c1 X 1 c2 X 2 cn X n 期待値 EX c1EX 1 c2 EX 2 cn EX n 20. 期待値の線形性 Pigeonhole Property 確率変数 X のとりうる値で X E X か となる場合が存在 X E X 20.1 トーナメントグラフのハミルトン路 1 n人で 1 vs 1 総当たり戦 コイントスとか 勝者 2 敗者 勝敗表→隣接行列 1 1 2 3 4 5 5 ○ ○ × × 2 3 4 × × ○ ○ ○ × × × ○ ○ × × 5 ○ × ○ ○ 3 4 20.1 トーナメントグラフのハミルトン路 1 ハミルトン路が何個あるか? 2 5 3 少なくとも1つ (ex 20.5) できるだけたくさんあるグラフ? 4 20.1 トーナメントグラフのハミルトン路 1 ハミルトン路が何個あるか? 2 5 3 少なくとも1つ (ex 20.5) できるだけたくさんあるグラフ? 4 20.1 トーナメントグラフのハミルトン路 1 ハミルトン路が何個あるか? 2 5 3 少なくとも1つ (ex 20.5) できるだけたくさんあるグラフ? 4 定理20.1 n! 個以上のハミルトン路を持つ 2 n 1 トーナメントグラフが存在する 1 •ランダムなトーナメントグラフ •頂点をランダムに並べる 5 2 3 4 2 5 1 •これがハミルトン路の確率 1 1 1 1 2 2 2 2 •並べ方は全部で n 1 3 n!通り n! •期待値は n 1 。で、pigeonhole property。 2 4 20.2 Sum-free sets 整数の集合(要素の和が含まれない) x, y B x y B 例 Sum-free Sum-free × × { 1, 3, 7 } { 5, 6, 7, 8, 9 } { 2, 3, 5 } (∵ 2 + 3 = 5) { 1, 3, 6 } (∵ 3 + 3 = 6) 20.2 Sum-free sets 問題 整数の集合 A からSum-freeな集合 B を作る 例 A { 1, 2, 5, 7, 8, 10} B { 2, 5, 8 } Sum-free できるだけ多く数字を選びたい 定理20.2 1 N 個以上選んで、sum-freeな集合B 3 をつくることができる (N:Aの要素数) •十分大きい素数 p = 3k + 2 を探す •{1, 2, …, k, k+1, … , 2k+1, … , p-1 } S •Sはpの剰余類としても sum-free 定理20.2 1 N 個以上選んで、sum-freeな集合B 3 をつくることができる (N:Aの要素数) • A { 1, 3, …… } •{1, 2, …, k, k+1, … , 2k+1, … , p-1 } S •ランダムに t を選ぶ •Aの要素aに対して a t (mod p ) 定理20.2 1 N 個以上選んで、sum-freeな集合B 3 をつくることができる (N:Aの要素数) • A { 1, 3, …… } •{1, 2, …, k, k+1, … , 2k+1, … , p-1 } S 1 • N 個くらいはSに入ると期待できる 3 •集合B{…} がつくれる(Sum-free) a, b B (a b)t at bt S a b B 20.3 支配集合 支配集合とは 頂点集合とその隣接頂点だけで すべての頂点を覆う できるだけ少ない数で支配し たい 2個で支配できる例 20.3 支配集合 支配集合とは 頂点集合とその隣接頂点だけで すべての頂点を覆う できるだけ少ない数で支配し たい 2個で支配できる例 20.3 支配集合 支配集合とは 頂点集合とその隣接頂点だけで すべての頂点を覆う できるだけ少ない数で支配し たい 2個で支配できる例 定理20.3 n 1 ln d 1 個以下で支配できる (d:最小次数) d 1 •ランダムな頂点集合Sをつくる ln d 1 •各頂点は確率 p : でSに含まれ d 1 るようにする •SとSの隣接に含まれない頂点の集合をT とする •SとTをあわせれば支配集合 定理20.3 n 1 ln d 1 個以下で支配できる (d:最小次数) d 1 •ランダムな頂点集合Sをつくる ln d 1 •各頂点は確率 p : でSに含まれ d 1 るようにする •SとSの隣接に含まれない頂点の集合をT とする •SとTをあわせれば支配集合 S 定理20.3 n 1 ln d 1 個以下で支配できる (d:最小次数) d 1 •ランダムな頂点集合Sをつくる ln d 1 •各頂点は確率 p : でSに含まれ d 1 るようにする •SとSの隣接に含まれない頂点の集合をT とする •SとTをあわせれば支配集合 S 定理20.3 n 1 ln d 1 個以下で支配できる (d:最小次数) d 1 •ランダムな頂点集合Sをつくる ln d 1 •各頂点は確率 p : でSに含まれ d 1 るようにする •SとSの隣接に含まれない頂点の集合をT とする •SとTをあわせれば支配集合 T S 定理20.3 n 1 ln d 1 個以下で支配できる (d:最小次数) d 1 •Sの頂点数の期待値は T n×(ある頂点がSに含まれる確率) = n p S •Tの頂点数の期待値は n×(ある頂点がTに含まれる確率) = n×(ある頂点とその隣接頂点がSに含まれない確率) d 1 n ( 1 p ) 定理20.3 n 1 ln d 1 個以下で支配できる (d:最小次数) d 1 •SとTをあわせたものの期待値 E ( S T ) np n(1 p ) d 1 np ne p ( d 1) 1 ln( d 1) n d 1 ∵ (2行目) (1 p) d 1 e p ( d 1) また、 p ln d 1 d 1 T S 20.4 独立数 独立集合とは 互いに非隣接な頂点の集合 独立数 もっとも大きい独立集合(最大独立 集合)の要素の数 独立数4の例 20.4 独立数 独立集合とは 互いに非隣接な頂点の集合 独立数 もっとも大きい独立集合(最大独立 集合)の要素の数 独立数4の例 n 定理20.4 1 個以上の独立集合が存在する i 1 d i 1 ( d i : i 番目の頂点の次数) •ランダムに頂点を並べる i •条件A 「自分のすべての隣接頂点より前に並ぶ」 •Aを満たす頂点の集合は独立集合 隣接な頂点どうしが同時にAをみたすこ とはありえない (どちらかが前でどちらかが後ろ) i n 定理20.4 1 個以上の独立集合が存在する i 1 d i 1 ( d i : i 番目の頂点の次数) •ランダムに頂点を並べる i •頂点 i が条件Aを満たす確率 1 di 1 •Aを満たす頂点の数の期待値 n 1 i 1 d i 1 i 20.5 低次数の多項式 {0,1}上の次数がd 以下の多項式 例(次数3以下) f1 1 x1 x2 x2 x3 x4 x1 x4 f 2 x1 x3 x4 x5 x6 注 11 0 0 1 1 m個の多項式の積は次数はdm 以下 f x1 , xn f1 f 2 f m f に近い多項式で次数の小さいものがつくれる 補題20.5 f x1 , xn f1 f 2 f m において、任意の r で、 間違いが 2nr 以下で、次数 dr 以下の多項式 g がつくれる •整数1~mを用いてランダムな整数集合を r 個つくる S1 , S2 ,, Sr •そこで多項式 g を以下で定義する g h1 h2 hr h j 1 (1 f i ) iS j •多項式 g は次数 dr 以下である 補題20.5 f x1 , xn f1 f 2 f m において、任意の r で、 間違いが 2nr 以下で、次数 dr 以下の多項式 g がつくれる h j 1 (1 f i ) g h1 h2 hr iS j • 例 S1 1,3,5, h1 1 1 f1 1 f 3 1 f 5 f1 … f3 … f5 … h1 … hj … f g 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 1 0 1 0 1 0 1 1 0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 1 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 補題20.5 f x1 , xn f1 f 2 f m において、任意の r で、 間違いが 2nr 以下で、次数 dr 以下の多項式 g がつくれる g h1 h2 hr h j 1 (1 f i ) iS j • f 1 のとき • f1 , , f m がすべて1で、 g 1 • f 0 のとき • f1 , , f m の中に0のものがある 1 h 1 • j となる確率は 以下 2 r 1 • g 1 となる確率は 以下 2 補題20.5 f x1 , xn f1 f 2 f m において、任意の r で、 間違いが 2nr 以下で、次数 dr 以下の多項式 g がつくれる g h1 h2 hr h j 1 (1 f i ) iS j •つまり f g の確率が 1 2 r 以下 • n 個の x の入力のパターン 2 n 通り •間違い入力の期待値 2nr 20.6 最大充足可能性 充足可能性 CNF(和積標準形)を真にする入力の存在性 例 F x1 x3 x1 x2 x3 x2 x1 x2 x1 , x2 , x3 1,0,0 で充足 k-充足可能 任意のk個のor節を充足可能 定理20.6 Fが3-充足可能ならば、Fのor節のうち 2 は 3 同時に充足可能 •ランダムな入力列 •つくり方 Prxi 1 x1 ,, xn をつくる 2 3 1 3 Fが ( xi ) 節を含む場合 1 2 それ以外 Fが ( xi ) 節を含む場合 •Fは ( xi ) と ( xi ) を同時に含まない (Fは3-充足可能だから) 定理20.6 Fが3-充足可能ならば、Fのor節のうち 2 は 3 同時に充足可能 •ランダムな入力列 •逆に Prxi 0 •各リテラル x1 ,, xn をつくる 1 3 2 3 Fが ( xi ) 節を含む場合 1 2 それ以外 Fが ( xi ) 節を含む場合 x1 や x1 が0になる確率は 2 以下 3 定理20.6 Fが3-充足可能ならば、Fのor節のうち 2 は 3 同時に充足可能 2 •Fの各節が 3 以上の確率で充足されることを言えばよい 1. ( xi ) 節もしくは ( xi ) 節の形の場合 •入力のつくり方より明らか 2. リテラル3つ以上含む節の場合 •充足確率 = 1 - (すべてのリテラルが0の確率) • 1 2 3 2 3 3 定理20.6 Fが3-充足可能ならば、Fのor節のうち 2 は 3 同時に充足可能 2 •Fの各節が 3 以上の確率で充足されることを言えばよい 3. リテラルが2つの節の場合 x1 x2 • たとえば • 充足確率は • とすると 1 Prx1 0 Prx2 0 1 x1 x2 x1 x2 2 1 2 3 2 3 は3-充足可能に矛盾 •Fで充足する節の期待値は、その 2 以上 3
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