授業参観レポート 1 6月 3日(水) 教材名・授業者 第5学年「生き物は円柱形」 2 平成27年 授業者【 】 授業の概要 「生き物は円柱形」について、昨日の続きの授業を参観しました。昨日は段落わけで終わっている ので、今日は文章構成を全文にわたって考えてから、本格的な読み取りを始めました。 活動1 第10段落が「中」に含めるか「まとめ」に含まれるかを考える。 活動2 第6~第10及び第11段落を要約する。 3 参観を通して考えたこと 昨日問題になった、第10段落を「中」に含めるか「まとめ」に含めるかという点が、授業の最初 にありました。第10段落は「中」に含まれるという考えの子たちからは、「第10段落には、全体の まとめが書いていない」と主張しています。 第10段落(全文) 円柱形は強い。円柱形は速い。だからこそ、生き物の体の基本になっているといってよいだろう。 前半の「円柱形は強い。円柱形は速い。」は、第2~第9段落に書いてあったことがまとめられて います。一方、「・・・・基本になっているといってよいだろう。」は、筆者の考えとも読めます。実際に この点から、第10段落の位置付けが「中」か「まとめ」か迷っている子がいました。 そこで、あらためてこの子に、第11段落を読み直してもらいました。第11段落の最初には、「生 き物は実に多様である・・・・」とあり、その後「多様さを知ることは面白い」「多様さの中にも共通性を 見出すことは実に面白い」と、「円柱形が生き物の体の基本」ということよりもさらに桁が上の主張が 書かれています。しかし、このようなレベルで第10段落の位置付けけを読み取った子はいませんで した。「前の段落とは違うことが書いてある」と読み取れたことを、非常に高度な読みの力を持ってい たからできたことだと考えるべきです。 ちなみにこの子は、第6~第10段落の大事な語として「理由」という言葉を挙げています。特に 第7段落には、体が円柱形である理由について詳しく書いてある、といいます。第10段落には、体 が円柱形になっている「理由」が書かれているのだ。だから第10段落は、あくまでも「中」の内容 だ。これが、この子の主張です。 この子は、最後の第11段落の大事な語として「多様」と「共通性」を挙げています。この「共通 性」という言葉は第1段落にもあり、生き物が円柱形という共通性で成り立っていることの具体例や 説明が第2~第10段落に書かれていることにも気付いているように見えました。そして、第11段 落を、「生き物は多様である。多様なもののなかから共通性をみつけることが面白い」とまとめていま す。「生き物は多様だが、円柱形という共通性がある。」という筆者の主張を、的確に読み取っていま した。 この「共通性」という言葉は、第11段落に1回 しか出てきません。しかし、全文を通して最も重要 なキーワードの一つです。繰り返されない言葉の中 にも重要な語があるという典型例でしょう。本時に 見られた子どもたちの読みから、「筆者が、どの言葉 に強く意味を込めているのか」を読み取らせていく のも、重要な児童の一つだと考えました。
© Copyright 2024 ExpyDoc