2015年後半の米国株式市場の見通し

2015年6月22日
米国株式の投資環境
情報提供資料
2015年後半の米国株式市場の見通し (1/2)
2015年後半の米国株式市場
政策金利引上げ
米ドル高
 FRB(米連邦準備理事会)によ
る利上げが2015年後半に想
定されている点に注目
原油相場
 米ドル高が米国株式市場に与
える影響に注目
年内にも想定されている政策金利の引き上げ
 米国経済はリーマンショックをきっかけとする景気後
退から回復期に入り、約6年が経過しようとしていま
す。足元、雇用の堅調な拡大や、企業業績の伸びな
ど、米国経済は着実に回復から拡大の局面へ移行し
つつあり、一段階進んだ経済拡大局面として、政策
金利の引上げの時期を検討する段階に至っていま
す。
 2014年後半に大きく下落した
原油相場が米国株式市場に
与える影響に注目
図① 過去の政策金利上昇局面における米国株式市場の推移
利上げ時期
米国政策金利(右軸)
S&P500(左軸)
800
8%
700
7%
600
6%
500
5%
 米国株式市場は、金利引き上げの背景にある景気
拡大を受けた企業の業績拡大に沿う形で、上昇する
と考えています。実際に、過去の利上げ局面におい
て、米国株式市場は堅調に推移しました(図①、②)。
400
4%
300
3%
200
2%
 バリュエーション面でも、リーマンショック前の水準ま
で回復してきています。今後、バリュエーションの一
段の切り上げは予想していないため、利益成長が株
価の最大の決定要因になると考えられます。つまり、
金融相場から業績相場への移行が鮮明化するにつ
れ、銘柄の選択が重要となってきます(図③)。
100
1%
0
1993/6
利上開始直後1年間
2001/6
2005/6
2009/6
図③ 米国株式市場のバリュエーション推移
(倍)
予想PER
長期平均
28
25.0%
+21.2%
26
20.0%
24
+16.8%
2015年5月末
17.8倍
22
15.0%
10.0%
2013/6
出所: ブルームバーグ、パフォーマンスは米ドルベース
期間:1993年7月~2015年5月末(1993年6月末を100として指数化)
図② 利上げ直前・直後1年間における米国株式のリターン
利上開始直前1年間
0%
1997/6
20
18
+7.6%
+7.3%
+7.1%
+4.8%
5.0%
16
14
長期平均
16.6倍
12
0.0%
1994年2月前後
1999年6月前後
2004年6月前後
出所:ブルームバーグ、S&P500指数トータル・リターン
時点:1994年2月4日・1999年6月30日・2004年6月30日
(各利上げ開始の前後52週間のパフォーマンス)
10
1990年
1995年
2000年
2005年
2010年
2015年
出所: ブルームバーグ S&P500指数の予想PER
期間:1990年1月~2015年5月
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有等を推奨するものでもありません。記載された見解は資料作成時点のものであり、将来予告なしに変更する場合があります。個別企業あるいは個別
銘柄についての言及は、当該個別銘柄の売却、購入または継続保有の推奨を目的とするものではありません。本資料において言及された証券につい
て、将来の投資判断が必ずしも利益をもたらすとは限らず、また言及された証券のパフォーマンスと同様の投資成果を示唆あるいは保証するものでも
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2015年6月22日
米国株式の投資環境
情報提供資料
2015年後半の米国株式市場の見通し (2/2)
米ドル高の影響
図④ S&P500指数構成企業の地域別売上比率
 米ドル高はインフレ低下圧力や購買力向上を促すた
め、マクロ面では個人消費にポジティブな影響を与え
ると考えられます。
南米
2%
その他
北米(除く米国)
6%
5%
 企業業績の面では、米国主要500社の売上高の約1/
3は米国外であるため、特に、海外売上比率の高い
グローバル企業にとって米ドル高は、短期的に為替
換算による業績へのマイナス影響をもたらしますが、
為替ヘッジを行っている企業ではある程度相殺され
るため、企業によってその影響度は異なると考えられ
ます(図④)。むしろ、長期的な観点で、企業の競争
優位性に影響を与えるかどうかが、株価リターンに大
きく影響を与えるため、銘柄間の格差が広がる可能
性があります。
アジア
8%
欧州・中東・
アフリカ
12%
米国
67%
出所:GSグローバル・インベストメント・リサーチに基づきGSAM作成
2013年時点
原油相場の影響
図⑤ ガソリン価格・消費者のガソリンへの支出の推移
 2014年後半から大幅な下落局面を迎えた原油相場
は、足元、WTI原油先物価格で1バレル当たり60ドル
近辺で推移しています。
 原油相場の下落は、エネルギーの開発事業者にとっ
てはネガティブ材料となりますが、米国経済全体には
プラスに働くと考えます。エネルギー価格の下落がガ
ソリン価格の下落をもたらすことによって、家庭にお
ける可処分所得を増やすこととなります。その結果、
余剰資金が更なる消費行動へつながると考えます
(図⑤)。米国のGDPの7割は個人消費が占めている
ため、原油安がもたらす個人消費の拡大は米国経済
全体にとってプラスであると言えます。
(米ドル/ガロン)
(10億米ドル)
ガソリン価格(左軸)
ガソリンへの支出(右軸)
430
4.5
4.0
380
3.5
330
3.0
280
2.5
230
2.0
1.5
180
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
出所:ブルームバーグ、キャピタル・エコノミクス
期間:2008年1月~2015年4月13日
!個別企業の選別がより重要に!
 マクロ要因としては、政策金利の引き上げや、米ドル高、原油相場などが注目されます。
 しかしながら、今後はバリュエーションの切り上がりは限定的な環境下では、個別企業の利益
成長が株価の主要なドライバーとなります。
 たとえば、米ドル高の影響については、ITセクターといった海外売上比率の高いセクターであっ
ても、個別企業ベースではグローバルでの製品競争力が高ければ、米ドル高のマイナス・イン
パクトを相殺し株価は良好に推移する傾向があります。
 したがって、今後の市場環境においては、個別企業の格差が広がるため、銘柄選択がより重
要になると考えられます。
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