米利上げに向けて、円安ドル高継続の見通し (1/2)

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2015年6月11日
米利上げに向けて、円安ドル高継続の見通し (1/2)
情報提供資料
引き続き円安ドル高を期待: 昨日、黒田日銀総裁が「ここからさらに円安はありそうにない」と言及したことで、
為替市場は一時円高方向に振れました。この発言は国会答弁におけるものであり、日銀による口先介入とは見ら
れていませんが、短期的に為替市場に影響を与えました。市場は足元の為替動向に不透明感を抱いていますが、
弊社では中長期的に円安ドル高トレンドが復活すると期待しています。その背景として、①米政策金利の引き上げ
観測(ドル高要因)、②円売り需要(円安要因)、の2つが挙げられます。今後の注目イベントは、来週17日の
FOMC(米連邦公開市場委員会)および19日の日銀政策決定会合であり、それぞれの会合後の会見において、両
中央銀行のスタンスがより明らかになると予想されます。
米ドル円為替レート
(円/ドル)
130
2007年6月22日
高値: 123.95
120
2015年6月5日
直近高値: 125.52
2008年8月15日
リーマン破綻前高値: 110.45
110
100
90
80
2011年10月28日
底値: 75.74
70
60
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2015 (年)
2014
出所:ブルームバーグ 期間:2007年1月1日~2015年6月10日 (終値ベース)
①ドル高が期待できる理由: 米政策金利の引き上げ観測
 6月5日に発表された5月米雇用統計が予想以上に強い結果となるなど、足元の米経済指標が改善してきていること
で年内の利上げ観測が高まっています。
 年初の米国成長は予想ほどではありませんでしたが、この1-3月期の景気減速については、西海岸港湾のストライキ
や冬の厳しい寒波などの一時的要因によるものだったという認識が一般的です。4-6月期以降は、足元の良好な米
経済指標が示しているように、米国の景気は回復していくと考えられます。
政策金利見通し
米国の主要経済指標
(万戸)
4%
住宅着工件数 (左軸)
160
失業率 (右軸)
140
3%
12%
住宅着工件数は
回復傾向
10%
(+3.0%)
2%
120
100
(+1.75%)
8%
80
1%
6%
60
(+0.5%)
失業率は低下傾向
0%
2015年3月
2015年末
2016年末
2017年末
出所:ブルームバーグ(括弧内の数字は、2015年3月時点と比較した上昇幅)
時点:2015年3月18日
40
2007
4%
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
出所:ブルームバーグ 期間:2007年1月末~2015年4月末
2015
(年)
本資料は、情報提供を目的としてゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社(以下「弊社」といいます。)が作成した資料であり、特定の金融商品の
推奨(有価証券の取得の勧誘)を目的とするものではありません。上記は経済や市場等の過去のデータおよび一時点における予測値であり、将来の動向を
示唆あるいは保証するものではありません。本資料は、弊社が信頼できると判断した情報等に基づいて作成されていますが、弊社がその正確性・完全性を
保証するものではありません。本資料に記載された市況や見通し等は、本資料作成時点での弊社の見解であり、将来の動向や結果を示唆あるいは保証す
るものではありません。また、将来予告なしに変更する場合もあります。本資料の一部または全部を、(I)複写、写真複写、あるいはその他いかなる手段にお
いて複製すること、(Ⅱ)弊社の書面による許可なく再配布することを禁じます。
© 2015 Goldman Sachs. All rights reserved. <7115-OTU-32507>
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2015年6月11日
米利上げに向けて、円安ドル高継続の見通し (2/2)
情報提供資料
②円安が期待できる理由: 円売り需要
 需給面では、年金基金が円売り、外貨買いを進めています。特にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、昨
年10月末に基本ポートフォリオの変更を発表し、国内資産から外国資産へシフトさせている動きが目立っています。
GPIFのアセット・アロケーション推移
2014年10月までの
基本ポートフォリオ
30.1兆円
新しい基本ポートフォリオ
2014年12月
44.9兆円
54.8兆円
(推計*)
23.0%
32.8%
国内資産
40.0%
外国資産
60.0%
67.2%
77.0%
出所:年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF) HP
2014年10月末時点の運用資産額は130兆8,846億円、2014年12月末時点の運用資産額は137兆358億円となっています。
*新しいポートフォリオにおける外貨資産の運用資産額は、2014年12月末時点の運用資産額を用いて推計しています。
外国人投資家は「日本株買い・円売り」の流れ
 ここ3年ほどで、外国人投資家による日本株買いが急増しています。しかし米国の投資家は、円安ドル高が進んだ際
に、ドルで買った日本株の価値が目減りしてしまうことを嫌がり、為替ヘッジされた日本株を購入する動きが広がってい
ます。この為替ヘッジが、ドルを買って円を売るという行為に繋がっており、足元の円安ドル高に拍車をかけています。
日本株ETF(為替ヘッジ)*の純資産総額
(億ドル)
(ドル)
200
180
65
外国人投資家による日本株ETF
(為替ヘッジ)買いが急増
55
140
50
120
45
純資産総額は、直近1年間で、
約80億ドル(約1兆円)増加
40
80
35
60
30
40
25
20
0
2007
価格が上昇傾向
60
160
100
日本株ETF(為替ヘッジ)*のパフォーマンス
2009
2011
2013
20
2015 (年) 2007
2009
2011
2013
2015 (年)
出所:ブルームバーグ 期間:(左図)2007年1月末~2015年5月末、(右図)2007年1月1日~2015年6月5日
*Wisdom Tree Japan Hedged Equity Fund (代表的な米ドルヘッジの日本株ETF)
本資料は、情報提供を目的としてゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社(以下「弊社」といいます。)が作成した資料であり、特定の金融商品の
推奨(有価証券の取得の勧誘)を目的とするものではありません。上記は経済や市場等の過去のデータおよび一時点における予測値であり、将来の動向を
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