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2016年8月18日
Goldm an Sachs Asset M anagem ent
米国リート市場見通し
情報提供資料
米国リート市場の動向について(Q&A)
Q1:年初来、米国リート市場が堅調に推移している背景を教えてください
①米国長期金利の低下と利上げ観測後退により、利回り資産としてのリートの投資魅力度が増大したこと 、
②グローバルで不確実性が上昇する環境下、相対的に堅調な米国の資産に対する投資魅力度が増大したこと、
が米国リート市場の追い風となったと考えられます。
2016年初来 米国リート市場の推移
年初来の米国リート市場の動向
8 月 17 日 時 点 、 米 国 リ ー ト の 年 初 来 リ ター ン は
+14.4%と、他資産/他地域を上回る良好なパフォー
マンスを創出しています。
米国商業用不動産を取り巻くファンダメンタルズが
引き続き堅調であることに加え、中国経済の減速、
Brexit(英国のEU(欧州連合)離脱)決定などグローバ
ルで不確実性が上昇するなか、米国長期金利の低
下と相対的に堅調な米国経済があらためて見直され
たことが米国リートの上昇を演出したと思われます。
長期金利の低下
不透明なグローバルのマクロ環境を受け、2015年
12月に政策金利が引き上げられた後も、米国長期金
利は低下傾向で推移しています。FRB(米連邦準備
制度理事会)による利上げ観測は年初から後退して
おり、債券先物市場が織り込む今後の10年国債利
回りの水準も下方修正されています。
今後も長期金利が歴史的な低水準に留まるとの見
方は、低水準の資金調達コストの継続と利回り資産
としての相対的な魅力度上昇を意味しており、米国
リートの明確な支援材料となると考えられます。
120
3.0%
米国リート(左軸)
110
2.5%
100
2.0%
90
1.5%
米国株式(左軸)
米国10年債利回り(右軸)
80
1.0%
2015/12
2016/2
2016/4
2016/6
(年/月)
出所:ブルームバーグ、GSAM、期間:2015年12月末~2016年8月17日
米国リート:NAREITオール・エクイティ・リート指数、米国株式:S&P500指数
(ともに米ドルベース、配当込み、2015年末を100として指数化)
先物市場が織り込む米国10年債利回りの水準
4%
2015年末時点
3%
2%
実績値
2016年8月17日時点
1%
0%
2009/12
2011/12
2013/12
2015/12
2017/12 (年/月)
出所:ブルームバーグ、GSAM、期間:2009年12月末~2018年12月末
今後の水準は、各時点の先物レートを基に算出
米国の投資魅力度の増大
米国のマクロ経済が相対的に安定していることなど
から、グローバルの不動産投資の中でも米国の魅力
度が高まっています。
各主要国/地域における年初来のリート市場リター
ンを見ると、Brexit震源地である英国および欧州がマ
イナスとなっています。Brexitにより、金融街シティを
中心にロンドンのオフィスや住宅など不動産需要が
急減するとの懸念が高まったためです。欧州も、南
欧を中心に不良債権問題がクローズアップされるな
か、世界で最も安全な不動産市場として米国があら
ためて見直された形です。
2016年初来 各主要国/地域リートのリターン
20%
15%
14.4%
10%
6.9%
5%
0%
-5%
-10%
-7.5%
米国
日本
英国
-7.6%
欧州
出所:ブルームバーグ、2016年8月17日時点
米国:NAREITオール・エクイティ・リート指数、日本:東証REIT指数、
欧州:FTSE/NAREIT欧州リート指数、英国: FTSE/NAREIT英国リート指数
(全て現地通貨ベース、配当込み)
本資料は、情報提供を目的としてゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社(以下「弊社」といいます。)が作成した資料であり、特定の金融
商品の推奨(有価証券の取得の勧誘)を目的とするものではありません。本資料は、弊社が信頼できると判断した情報等に基づいて作成されています
が、弊社がその正確性・完全性を保証するものではありません。上記は経済や市場等の過去のデータおよび一時点における予測値であり、将来の動
向を示唆あるいは保証するものではありません。経済、市場等に関する予測は資料作成時点のものであり、情報提供を目的とするものです。予測値
の達成を保証するものではありません。本資料に記載された見解は情報提供を目的とするものであり、いかなる投資助言を提供するものではなく、ま
た個別銘柄の購入・売却・保有等を推奨するものでもありません。記載された見解は資料作成時点のものであり、将来予告なしに変更する場合があり
ます。本資料の一部または全部を、弊社の書面による事前承諾なく(I)複写、写真複写、あるいはその他いかなる手段において複製すること、あるいは
(Ⅱ)再配布することを禁じます。 © 2016 Goldman Sachs. All rights reserved. <62116-OTU-344205>
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2016年8月18日
Goldm an Sachs Asset M anagem ent
米国リート市場見通し
情報提供資料
米国リート市場の動向について(Q&A)
Q2:米国リートは高値ではないでしょうか?
米国リートは、実物不動産との比較で割高感のない適正な価格水準だと考えられます。
また、米国リートのバランスシートは健全であり、その観点からも過度な過熱感は見受けられません。
実物不動産に対し適正な価格水準にある米国リート
米国の実物不動産に対する需要は依然として強く、
不動産価格は持続的な上昇を続けています。米国リー
トの価格は、史上最高値を更新し推移していますが、実
物不動産に対しては適正な価格水準だと考えられます。
リートの時価総額とリートの保有不動産の評価額から
計算した純資産価値を比較する指標(NAVプレミアム/
ディスカウント)は7月末時点で+2%の状態で、長期平
均(+3.7%)との比較では、割高感のない適正な価格水
準だと考えられます。
米国リート NAVプレミアム/ディスカウントの推移
40%
過去平均:+3.8%
20%
0%
-20%
7月末:+2%
-40%
NAVプレミアム/ディスカウント
リート時価総額
不動産
純資産価値(NAV)*
NAVプレミアム/
ディスカウント
*不動産純資産価値(NAV):
リートが保有するすべての不動産の評価額から負債を控除した正味価値
-60%
2000
2002
2004
2006
2008
2010
2012
2014 (年)
出所:グリーン・ストリート・アドバイザーズ
期間:2000年12月末~2016年7月末
米国リートの負債比率
健全なバランスシート
70%
金融危機以降、米国リートの経営陣は、バランスシー
トの強化を目指し、レバレッジ(債務)の削減を進めてき
ました。結果、米国リートの負債比率はピークの約65%
から30%台にまで低下しており、現在のバランスシート
の健全性は、金融危機前の状況と全く異なると考えら
れます。
また、負債への依存度を低下させたことにより、米国
リートは金利上昇への耐性を強めています。今後長期
金利が上昇した場合でも、そのマイナスインパクトは過
去と比べて限定的であると考えられます。
60%
50%
40%
30%
20%
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
出所:NAREIT、GSAM 期間:2008年12月末~2016年3月末
2015
(年)
本資料は、情報提供を目的としてゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社(以下「弊社」といいます。)が作成した資料であり、特定の金融
商品の推奨(有価証券の取得の勧誘)を目的とするものではありません。本資料は、弊社が信頼できると判断した情報等に基づいて作成されています
が、弊社がその正確性・完全性を保証するものではありません。上記は経済や市場等の過去のデータおよび一時点における予測値であり、将来の動
向を示唆あるいは保証するものではありません。経済、市場等に関する予測は資料作成時点のものであり、情報提供を目的とするものです。予測値
の達成を保証するものではありません。本資料に記載された見解は情報提供を目的とするものであり、いかなる投資助言を提供するものではなく、ま
た個別銘柄の購入・売却・保有等を推奨するものでもありません。記載された見解は資料作成時点のものであり、将来予告なしに変更する場合があり
ます。本資料の一部または全部を、弊社の書面による事前承諾なく(I)複写、写真複写、あるいはその他いかなる手段において複製すること、あるいは
(Ⅱ)再配布することを禁じます。 © 2016 Goldman Sachs. All rights reserved. <62116-OTU-344205>
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2016年8月18日
Goldm an Sachs Asset M anagem ent
米国リート市場見通し
情報提供資料
米国リート市場の動向について(Q&A)
Q3:米国の商業用不動産価格の動向を教えてください
米国商業用不動産価格は金融危機前のピークを上回って推移していますが、地域・セクターにより大きな格差が存
在しています。今後、割高感の強い一部の地域・セクターで調整が生じる可能性はありますが、全体としては不動
産価格の緩やかな上昇傾向が続くと考えられます。
米国商業用不動産価格の推移(地域別)
地域・セクター間で大きな格差が存在
米国商業用不動産価格は、全米ベースで金融危機
前のピークを約19%上回る水準にありますが、主要
6都市(ボストン、シカゴ、ロサンゼルス サンフランシ
スコ、ニューヨーク、ワシントンD.C.)と郊外で大きな
格差が広がっています。また、セクター間の格差も拡
大しており、住宅および都心部のオフィス価格は前
回ピークを大きく上回るものの、小売・商業施設や郊
外オフィス価格は未だ前回ピークを下回る水準にあ
ります。
今後、新規物件の供給加速が見込まれる住宅セク
ターや割高感の強い一部の地域・セクターでは不動
産価格の調整が生じる可能性はあります。しかし、全
体としては、緩やかな米国経済の成長を背景に、不
動産価格は賃料上昇を反映する形で緩やかな上昇
傾向が続くと見られます。
300
主要6都市
250
200
全米
150
非主要都市
100
50
2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 (年)
出所:ブルームバーグ、リアル・キャピタル・アナリティックス、GSAM
期間:2000年12月末~2016年6月末
米国商業用不動産価格の推移(セクター別)
住宅セクター
300
住宅セクターの不動産価格は、改善を続ける雇用
環境や世帯形成数の増加に加え、戸建て住宅から
賃貸住宅への需要シフトを背景に、金融危機以降大
きく上昇してきました。旺盛な需要に呼応する形で、
新規物件の供給ペースは今後加速する見込みであ
り、価格上昇ペースは緩やかになると予想されてい
ます。
住宅
250
オフィス
小売・商業用施設
200
150
産業用施設
100
オフィス・セクター
オフィス・セクターの不動産価格は、西海岸やボス
トン・ニューヨークといった都心部を中心に金融危機
以降大きく上昇してきました。2015年末以降は、ベン
チャー・キャピタル投資額や雇用増加ペースの減速
懸念を受けて、IT企業の集う西海岸を中心に不動産
価格は一時下落しましたが、足元では再び上昇に転
じています。
50
2000
2002
2004
2006
2008
2010
2012
2014 (年)
出所:ブルームバーグ、リアル・キャピタル・アナリティックス、GSAM
期間:2000年12月末~2016年6月末
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向を示唆あるいは保証するものではありません。経済、市場等に関する予測は資料作成時点のものであり、情報提供を目的とするものです。予測値
の達成を保証するものではありません。本資料に記載された見解は情報提供を目的とするものであり、いかなる投資助言を提供するものではなく、ま
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ます。本資料の一部または全部を、弊社の書面による事前承諾なく(I)複写、写真複写、あるいはその他いかなる手段において複製すること、あるいは
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米国リート市場見通し
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米国リート市場の動向について(Q&A)
Q4:足元の米国商業用不動産のバリュエーションをどう見ていますか?
①他資産との価格比較、②商業用不動産向け融資状況、③堅調な商業用不動産のファンダメンタルズ
を考慮すると、足元の不動産価格に過熱感は見られないと考えられます。
米国商業用不動産価格のキャップレート
他の金融資産との価格比較
商業用不動産のバリュエーション評価には、一般
的にキャップレート(還元利回り:不動産の純営業収
益の不動産価格に対する比率)が使用されます。
11%
商業用不動産のキャップレートは、賃料上昇率を上
回るペースで不動産価格の上昇が続いたことから、
歴史的低水準へ低下しています。しかし、その他資
産の収益利回り(株式益回りや国債利回り)も大きく
低下しています。米国商業用不動産の高値を指摘す
る声がありますが、相対的な資産価格の観点では、
足元の不動産価格は十分に正当化される水準と考
えられます。
8%
商業用不動産向けの融資状況
商業用不動産向けの融資残高は増加基調を維持
していますが、対GDP比で見ると、依然として過去の
ピークを下回る水準にあります。また、FRB(米連邦
準備制度理事会)の銀行上級貸出担当者調査による
と、商業用不動産向けの融資基準は2014~2015年
にやや緩和された後、直近では厳格化に向かってい
ます。それが商業用不動産市場の過度な過熱感を
抑制する要因になると考えられます。
10%
オフィス
9%
産業用施設
7%
6%
4%
2001
2003
2005
2007
2009
2011
2013
2015 (年)
出所:ブルームバーグ、リアル・キャピタル・アナリティックス、GSAM
期間:2001年12月末~2016年6月末
米国商業用不動産向けの融資残高(対GDP比)
26%
24%
22%
20%
18%
16%
14%
12%
10%
2001
良好な米国商業用不動産のファンダメンタルズ
米国商業用不動産への需要は増大傾向にあり、足
元の入居率は過去平均を上回る高い水準で推移す
る一方、新規物件の供給量は依然として過去平均を
下回っています。結果、商業用不動産の需給バラン
スはタイト化し、賃料の上昇基調が続いています。
足元、特に住宅セクターで新規の不動産着工が加
速していますが、全体の着工は引き続き低水準に留
まっています。竣工までの数年のタイムラグを考慮す
ると、需要の急速な落ち込みがない限り、米国商業
用不動産のファンダメンタルズ拡大基調は、当面持
続する可能性が高いと見ています。
今後、一部で調整はあり得るものの、商業用不動
産のファンダメンタルズが崩れない限り、下落トレンド
入りする可能性は低いと考えます。
住宅
小売・商業用施設
5%
2003
2005
2007
2009
2011
2013
2015 (年)
出所:FRB(米連邦準備制度理事会)、ブルームバーグ、GSAM
期間:2001年12月末~2016年3月末
米国商業用不動産 新規物件供給量の推移
1.6%
建設竣工面積(既存物件総面積に対する割合)
1.2%
0.8%
過去平均:0.5%
0.4%
3月末: 0.3%
0.0%
1980 1984 1988 1992 1996 2000 2004 2008 2012 2016 (年)
出所:モルガン・スタンレー、CBRE 期間:1980年3月末~2016年3月末
本資料は、情報提供を目的としてゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社(以下「弊社」といいます。)が作成した資料であり、特定の金融
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向を示唆あるいは保証するものではありません。経済、市場等に関する予測は資料作成時点のものであり、情報提供を目的とするものです。予測値
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