高精度な測光に適した比較星 ■ 概要 CCD のダイナミックレンジは有限であるため無限に高い精度で測光することは不可能である。 限られ たダイナミックレンジ内でできる限り高い精度で測光するためには測定したい恒星と参照に使う比較星の明 るさが近いことが望ましい。 ■ 精度 人口星を使って一定露出時間で撮影した複数枚の映像から測定する星の明るさと精度の関係をグラフに してみる。 カメラ:FLI ML8300 (5.4 ミクロン、モノクロ、830 万画素) 露出時間:10 秒間 比較星数:2 測定星数:21 標準偏差 0.09 0.08 0.07 0.06 0.05 標準偏差 0.04 0.03 0.02 0.01 0 -2 -1 0 1 2 3 横軸:等級、縦軸:標準偏差 4 人口星の映像 グラフからわかるように比較星より暗い星では精度が悪化していく。 これは暗い星は強度が弱くフォト ン数が少なくなることからフォトンノイズが増大しているためである。 このことは理論的にもわかって いる。 ■ まとめ 1%以下の高い精度で測光するためには測定対象の星と比較星の明るさの差を 1 等級以内にすることが大 事であることがわかる。 田中光化学工業株式会社
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